いとうあさこ、映画初主演も自然体「根っからの闇を出した感じです」
お笑いタレントのいとうあさこが初主演した映画「鈴木さん」(佐々木想監督)が2日夜、第33回東京国際映画祭が開催中の東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズでワールドプレミア上映され、出演のいとう、宍戸開らが舞台あいさつに立った。
出演のいとう、宍戸開らが舞台あいさつ「力を合わせて撮った」
お笑いタレントのいとうあさこが初主演した映画「鈴木さん」(佐々木想監督)が2日夜、第33回東京国際映画祭が開催中の東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズでワールドプレミア上映され、出演のいとう、宍戸開らが舞台あいさつに立った。
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本作は社会に翻弄され追いつめられる中年の男女の姿を描くディストピアSF。少子化問題解決のために、未婚者徴兵制が敷かれた架空の国を舞台に、グループホームで働く45歳、未婚のヨシコ(いとう)が徴兵から逃れるようとするところに、謎めいた男(佃典彦)が現れて……というストーリー。構想は5年前だが、コロナ禍の息苦しい社会を思わせ、社会風刺が効いたシュールな笑いがある作品だ。
いとうは「(私自身は)あんまり笑っていない映画です」と笑った一方、どんよりした表情がメインのポスターを指して、「こんな顔をしているんですよ」。役作りについて聞かれると、「45歳、(未婚であることが)責められる役だったので、役作りはいらなかった。根っからの闇を出した感じです」と超然とした様子で自然体を強調。舞台となったグループホームは元々、ラブホテルのようで、「廃墟のようなラブホテルで寝泊まりしていました。住んでいる感じで映っていると思いますが、(撮影中は)本当に住んでいました」と明かした。
佐々木監督は、質疑応答でいとうの主演起用について、「テレビで拝見する限り、とても誠実で素敵な方なんじゃないかと思い、お願いしました。(役について)こうしてほしいということは特に言っていない。(この物語の舞台は)日本ではありません。それは大事なところ」と弁明し、外国人の観客から苦労した点を聞かれると、「お金が集まらなかったこと」と話して、笑わせた。
市長役の宍戸も「撮影したのは2年くらい前。まったく音沙汰なかったので、ポシャったのかなと思った。低予算映画なので、力を合わせて撮った。僕の出番は1日で終わったので、全体のことは分からないけども、楽しくやっている感じでした。今回、呼ばれてきたが、映画祭だとは知らなかったが、世界の人に見ていただける機会。映画を楽しんでほしい」と話していた。
第33回東京国際映画祭は9日まで、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷ほかで開催される。