アントニオ猪木氏、水プラズマ実験大成功 次はフィリピンのごみの山を一掃へ
“燃える闘魂”アントニオ猪木氏が31日、横浜市内で水プラズマの公開実験を行い、大成功させた。
700人と「1、2、3、ダーッ!」絶叫
“燃える闘魂”アントニオ猪木氏が31日、横浜市内で水プラズマの公開実験を行い、大成功させた。
猪木氏は、最大2万度の高温で金属などあらゆる物質を蒸発させてしまう水プラズマを利用し、世界のごみ問題の解決を目指している。
報道陣の前で、実験するのは初めてで、猪木氏はこの日を心待ちにしていた。
水プラズマの第一人者・九州大学の渡辺隆行教授とともに、プラズマ実験トラック(INOKI Lab 号)を使ってデモンストレーションを敢行。約60センチの鉄の棒を入れると、けたたましい音とともに火花が上がる。そして、わずか数秒で、鉄の棒はなくなってしまった。
約700人の観衆が見守る中、大きな一歩を踏み出した猪木氏は「100点ですよ。もう実験を超えてるんで、(次は)実用化というね。いろんなことにチャレンジして、結果的にモノにならなかったこともいっぱいありましたけど、今回はできているもの、これをいかに普及させていくかが大事だと思います」と満面の笑み。
渡辺氏は「100点ですよね。失敗した時のことまで考えてたんですけどね、不要になりました。実際、これもう実用化、ほぼしています。今日は鉄の棒だったんですけど、本当の廃棄物処理で、ほとんど実用化していますので、これで世界に展開したいと思います」と喜びをかみしめた。
水プラズマを使えば、全国各地の焼却炉に代わる“瞬間的なごみの処理”や、新型コロナウイルスで問題化している医療廃棄物の安全な処理が可能になる。
さらに、猪木氏は世界進出を宣言。
「1つにはフィリピンにあるスモーキーマウンテン。何十年前に行った時に、なんだこれはと。そこで子どもたちが遊んでね。フィリピンではごみは燃やしてはいけない法律があるので、燃やさないで、次の捨て場を探している。そこにプラズマを使って。できれば年内、来年早々にもそこがモデルになって、世界に発信できれば、と考えています」と話し、フィリピンを手始めに、世界のごみ問題の解決を目指す考えを明かした。
実際、フィリピンとは交渉を詰めている段階で、INOKI Lab 号出発の準備は進んでいる。
渡辺氏は、水プラズマ普及の課題について、「技術的には完璧です。コストだけですね。(トラックは)何台も作っていくと安くなる。もっと広まれば」と指摘。
猪木氏は「もうちょっと小型化できれば。家庭に持ち込むのは難しいでしょうから、地域に1台とか2台という形になれば。みんなが笑えるようにね」と続けた。
「もうお迎えが来ると思ったら、水プラズマに出会って、世界のごみをきれいにしようと頑張っています」
最後は渡辺氏や観衆とともに「1、2、3、ダーッ!」と絶叫。燃える闘魂の大いなる夢がいよいよ動き出した。