天心VS武尊が実現したら? 白鳥大珠が激白「スピードでは天心が上。武尊はどっから攻撃が来たのか分からない」
元K-1・皇治に対戦要求「競技者としては全然俺のほうが強い」
――例えば大雅選手という、K-1王者に2連勝した大珠選手からすると、同じくK-1の皇治戦のオファーがあったらどうしますか?
「僕にですか?」
――ええ。
「全然、僕はやりたいです」
――皇治戦はアリだと。
「RISE内での対決となると、さっきも話に出た原口選手くらいになると思うんです、観たいと思われているのは。それはRISEでやればいいと思う。だから皇治戦をRIZINっていう大きい舞台でやれるんだったら(やりたい)。実は去年の大みそかの試合後にもマイクで言っているんですよ、対抗戦とかやりたいって」
――ファンの夢でもありますもんね。
「ええ。そういうのが世間を巻き込めるんじゃないかなっていう対決だと思うんですよね。実際、RISEでの対抗戦が難しいんだったら、RIZINの中で1試合でも2試合でもやれたら。実際、皇治選手はK-1を辞めてこっちに来ているんだし。だったらそういう試合ができるので。(白鳥や皇治が)MMA選手とやってもファンは喜ばないじゃないですか」
――皇治選手の実力ってどう思いますか?
「選手として、同じ競技者としては全然俺のほうが強いと思うんです」
――自分のほうが上だと。
「ただ、エンターテイナーというか、そういう面ではすごいと思います」
――たまに1、2キロの体重差で実現しない試合もあります。選手によってもその部分を気にする人とそこまで気にせずに階級を変える選手もいます。
「自分のベースの体重はあると思うんですけど、ファンが盛り上がる試合があるんだったら、多少階級を前後しても、僕はやりたいっていうのはあるので、盛り上がるなら僕はやりたいですね。大みそか、やりたいなー」
――そうなると皇治戦は観てみたいですね!
「僕が階級を下げて試合をすると、『上げてやれ』って声があったりするんですけど、今コロナでなかなか海外から選手が呼べないわけだから、だったらどれだけ国内で盛り上がるカードが組めるか考えた時に、(皇治戦は)やりたいですね」
――皇治戦を実現して、ホントに天心より武尊が強いのかを確認してほしいです。
「僕は武尊選手とはアマチュア時代に新空手の大会で試合をしているんです」
――あ、そうでしたね。その時は?
「(武尊は)今とスタイルは変わってないんですけど、延長戦で僕が負けたんですかね。当時から気持ちの強さが半端なかったですね」
――白鳥選手から見て、天心VS武尊が実現したらどうなると思いますか?
「僕が武尊選手と試合をしたのは高校生のころだから、今どうこう言えないですけど、(天心と武尊は)お互いの強さの種類が全く別物なので。これ以外はやってみないと分からないです。ただ、天心と練習している身としてはとにかくスピードが速い。今の攻撃はどっから来た? って、そういう感覚なんですよ。だけど、たぶん自分が武尊選手と闘っても、そういう感覚にはならないと思います。ただ、(武尊は)気持ちもそうだけど、勝負強さを持っている選手だなとは思います。負けない。勝負に強いっていうイメージですね」
「堀口恭司戦? ああいうタイプが一番難しい」
――同門なので現実的にはりえないんですけど、もし天心戦が組まれたらどう闘いますか?
「うーん……(しばし考えた後)僕とは体格差があるので、それを生かして闘うしかないですね。スピードじゃかなわないし、そういうところで闘っちゃダメですね。リーチ差を生かした闘いですね」
――分かりました。もう1つ、これもなかなか考えにくいんですけど、もし堀口戦が組まれたらどう闘います?
「いやあ、あれは分かんない……。堀口選手かー、ああいうタイプが一番難しいですね」
――一番難しい?
「考えたことないですね……。分からないですね(苦笑)」
――天心選手と判定にまで持ちこめてしまうMMAファイターって恐ろしいですよね。
「ホントそう思います。難しいですね。攻略が一番難しいと思います」
――ちなみにMMAをやりたいとは思わないですか?
「全くないですね。このままキックをやりきって引退すると思います……。まあ、何が起こるか分かんないですけどね(苦笑)」
――格闘技界だけは「絶対」がない世界ですもんね。
「そうなんですよね」
――だからそれを前提に聞きますけど、もしフロイド・メイウェザー・ジュニアと闘うチャンスがあったら?
「いやあ、無理っすね。3年くらいですけど、ボクシングを経験した身としては全然次元が違うと思います」
――ということは、メイウェザーVS天心(2018年大晦日、さいたまスーパーアリーナ)の結果は予想していた感じですか?
「天心だったら何か起こしてくれる期待はありましたけど、僕はメイウェザーは本気では来ないと思っていたっていうか。あのまま3ラウンドを流すと思っていました」
――まさか天心に1発入れられるとは思っていなかったと。
「プライドを傷つけられたって感じですかね。でも、絶対にボクシングルールじゃ無理っすね。簡単に何かできると思ったらダメですね」
――ご自身のYouTube「たいじゅチャンネル」でケンカ自慢の方とスパーリングをされていましたね。
「あの企画は難しいですね。最初はホント素人の人が来るのかと思ったら、確実に経験者なんですよね。
――ケンカ自慢の経験者?
「そうなのかな。だから嫌なタイプに当たっちゃったなと。こっちもプロだから接戦している場面も見せられないし、かと言ってやりすぎちゃうのも問題だし。力の加減が難しかったです(苦笑)」
――そういうもんなんですね。
「変に経験者が来ちゃうと。そこが一番難しかったです」
――素朴な疑問ですけど、過去に影響を受けた試合なり選手は誰ですか?
「僕も極力もらいたくないタイプなので、打ち合ったりしても、実は自分はもらってないみたいな。そういうスタイルを目指していたんですけど、なかなか難しいんですよね」
――そうでしょうね。
「例えば昔ですけど、K-1 MAXとかは見ていて、例えばジョルジオ・ペトロシアンとか」
――魔裟斗選手も嫌がったというペトロシアン!!
「僕はそれにプラス、倒しにいくスタイルが理想なんですよ。パーフェクトな感じなんだけど、しっかり倒しにいく。そこを目指したいんです。なかなか難しいですけどね、そこは(苦笑)」
――振り返ると、K-1 MAXが立ち上がったのが2002年、魔裟斗選手が引退したのが09年の大晦日になります。いつ頃のMAXを見ていましたか?
「2003年ごろから見ていましたね。当時は小学生。いつかこんな舞台に立ちたいなって。それを見ていたので、いつかは70キロで闘いたいなっていう夢はありますね。当時、活躍していた選手で、まだ現役の人もたくさんいるじゃないですか」
――ぺトロシアンだったり、ブアカーオ・ポー.プラムックだったり。
「ええ。だからそこがキックの最終目標ですね」
――思い起こすと、魔裟斗選手の全盛期は、ジャニーズばりに黄色い声援がすごかった印象があります。
「会場には行ったことないんですけど、それも男としては憧れるじゃないですか。あのころの熱っていうか、そういうスターがいないとダメですよね」
――白鳥選手は今もモテるでしょうけど、できれば47都道府県に1人ずつ彼女がいてほしいですね。ファンの方に怒られそうだけど、そのくらいの人気者になってほしいです(笑)。
「なるほど。じゃあ、まずはそこを目指します(笑)」
□白鳥大珠(しらとり・たいじゅ)◎1996年2月2日、東京都出身。180センチ、61キロ。幼いころから極真空手を習い、極真空手小学6年全日本40キロ、新空手K-3GP中学生50キロ優勝の実績を引っ提げ、キックボクシング界へ。13年12月に高校3年生でWPMF日本スーパーフェザー級王座を獲得するなど活躍。15年3月にプロボクシングへの転向を発表し、5月のボクシングデビュー戦で須賀原直雄を1R59秒でKOし勝利を飾った。ボクシングでは8勝3敗の戦績を残し、18年6月にキックボクシングへ復帰。以降、連勝を重ね、RISE WORLD SERIES 2019 -61キロ級王座、第5代RISEライト級王座などを獲得。ニックネームはThe Prince。最近はYouTubeチャンネル「たいじゅチャンネル」も開設している。