井筒和幸監督の8年ぶり新作映画「無頼」が12・2公開 ヤクザ描いたもう1つの戦後史

新型コロナウイルスの影響で公開が延期となっていた井筒和幸監督の最新作「無頼」が、12月12日から新宿K’s cinema他で全国順次公開されることが決定した。

ついに公開される最新作「無頼」【写真:(C)2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム】
ついに公開される最新作「無頼」【写真:(C)2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム】

「まさか初めての年末正月作品になるとは…」

 新型コロナウイルスの影響で公開が延期となっていた井筒和幸監督の最新作「無頼」が、12月12日から新宿K’s cinema他で全国順次公開されることが決定した。

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 本作は「パッチギ!」「黄金を抱いて翔べ」など数々の話題作を世に送り出してきた井筒監督の8年ぶりとなる新作。偽りのノスタルジーに彩られた昭和回顧ブームを凌駕する、本格ハード・エンターテインメントとなっている。

 主人公は、誰もが“欲望の資本主義”を追いかけた戦後日本そのもの。敗戦直後の動乱期から所得倍増、奇跡の高度経済成長とオイルショック、さらにはバブルの狂騒と崩壊まで──。激しく変転を続けた昭和という時代が、世間という“良識の監獄”の外側で生き抜いたヤクザ者たちの群像劇を通して逆照射される。

 1975年のデビュー作以来、社会のあぶれ者、はみ出し者を冷徹かつ共感に満ちた視線で描き続けてきた井筒監督の真骨頂にして集大成ともいえる、もう1つの戦後史だ。

 井筒監督は「コロナ禍で公開延期になっていた『無頼』が、まさか我が映画渡世で初めての年末正月作品になるとは……。今まで、はぐれ者ばかり描いてきた自分としては驚きです」とコメント。

「『ガキ帝国』では少年院上がりの不良たち。『犬死にせしもの』は終戦直後の無法者。『岸和田少年愚連隊』は格差教育の落ちこぼれ。『パッチギ!』は京都ゼロ番地の在日高校生。『ヒーローショー』は“失われた世代”たち。『黄金を抱いて翔べ』では金塊強奪の流れ者たち──。彼らは、貧困や偏見に抗った“寄るべなき者たち”でした」と過去の作品を回想。

 そして「本作も、どん底から這い上がり、欲望の昭和を生きたアウトローたち、その一家の半生を描いてます。疲れた大人、夢を失った若者、そして自分にも“くじけるな!”という映画です。2時間25分、さあ、奴らと共に熱かった昭和時代へ――」とメッセージを送った。

 12月12日の新宿K’s cinema、池袋シネマ・ロサ、横浜シネマ・ジャック&ベティを皮切りに、18日に京都の出町座、京都みなみ会館、19日に大阪の第七藝術劇場、25日に福岡のKBCシネマ、26日に名古屋のシネマスコーレ、以降も順次全国ロードショー公開となる予定。

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