新日本プロレス「G1　CLIMAX　30」は14日、横浜武道館で大会15戦目となるBブロック5試合を含む、全6試合が行われ、メインではSANADAが棚橋弘至から3カウントを奪い、決勝進出に望みをつなげた。

　SANADAがドラゴンスクリューを仕掛けると棚橋もお返しのドラゴンスクリューを、SANADAがプランチャを決めると、今度は棚橋が場外のSANADAにハイフライフローをお見舞いするなど、お互いに一歩も引かない白熱の攻防が続いた。終盤に差し掛かり、棚橋がSANADAのヒザに攻撃を集中させ、動きを止めると、テキサスクローバーホールドで一気に締め上げる。

　かろうじてエスケープしたSANADAだったが、起死回生のフランケンシュタイナーが棚橋にキャッチされ、リング中央で再びテキサスクローバーホールドが決まった。万事休すと誰もが思っていたところに、この日、1番の割れんばかりの大きな手拍子が響きわたり、なんとかエスケープに成功したSANADA。最後は棚橋のハイフライフローをTKOで返し、ラウンディングボディプレスを2発繰り出して28分の死闘を制した。これでSANADAは勝ち点10となり、決勝進出に望みをつなげた。

　一方、勝ち点でトップを走るEVILは、後藤洋央紀と対峙。セコンドのデイック東郷と共にラフファイトで攻めるEVILに対して、小細工なしで真正面からぶつかっていく後藤。介入してきた東郷に牛殺しを見舞い、分断に成功したのもつかの間。EVILがレフェリーに向かって後藤を投げると、跳ね返ってきたところに最後は必殺の「EVIL」で3カウント。勝ち点12でトップをキープ。

　そのEVILと勝ち点で並ぶ2冠王・内藤哲也は、何が起こるか予測不能な矢野通との一戦に臨んだ。序盤は矢野をイラつかせる作戦でペースを握った内藤だったが、徐々に矢野のペースに引き戻され、場外で倒れ込んだ内藤の腕とセコンドの辻陽太の腕を鉄柵を挟んでテーピングでグルグルに巻きに結び、互いに身動きが取れない状態で場外カウントが進む。

　すると辻がまさかの鉄柵の間をくぐり抜け、間一髪で内藤とリングイン。テーピングで巻かれたままの両者の腕で矢野にラリアットを見舞うと、内藤が辻を抱えてボディスラムで矢野に落とす。続けてレフェリーも抱えようとした瞬間、矢野が金的攻撃とタックルで内藤を丸め込む。間一髪のカウント2で跳ねのけた内藤が、反撃の急所攻撃から抑え込んで3カウント。EVILと並んで勝ち点を12とした。

　ザック・セイバー・ジュニアとジュース・ロビンソンの一戦は、試合巧者のザックが主導権を握り、ジュースの猛攻を退けた。ザックは5勝3敗の勝ち点10となりSANADAと並んだが、直接対決で内藤、SANADAに負けているため、決勝進出を逃した。

　YOSHI-HASHIとKENTAの戦いは、YOSHI-HASHIの左肩を集中攻撃したKENTAが、最後はGAME OVERでギブアップを奪った。

　この結果、Bブロックの決勝進出は、EVIL、内藤、SANADAの3人に絞られた。両国国技館で17日に行われるBブロック最終戦で、EVILはSANADAに勝利するとその時点で決勝進出が決まるが、SANADAと引き分け、またはSANADAが勝ち、内藤がKENTAに勝利すると内藤が決勝進出。またSANADAが勝ち、内藤が負けるとSANADAが決勝進出となる。

　メインで勝利したSANADAは「開幕から3連敗して、そして今日勝って、5連勝して、次は両国でEVIL戦。結果はもちろん、内容で俺が勝ってやるよ」と観客を前にマイクを持って勝利宣言。

　対するEVILはバックステージで「オイ、見たか、オイ。これが正義だ。これがほんもんだよ。これが頂点だよ。オイ、見たか。次は……SANADAか。また、返り討ちにしてやるよ」とSANADAを挑発。

　同じく内藤もバックステージで「全勝優勝を目標に挙げていたんだ、『G1 CLIMAX』。2敗してしまったけど、最終リーグ戦が行われる(10.17)両国大会に、優勝決定戦進出の可能性を残した。高いモチベーションを保ちながら、両国大会に乗り込めますよ」と意気込みを語った。