高島礼子、「2ちゃんねるNG」の理由 守り続ける“心の境界線”「1否定があったら引っ張られてしまう」

俳優の高島礼子は、1989年に時代劇ドラマ『暴れん坊将軍』第3シリーズで俳優デビューを飾り、今年で37年が経つ。時代劇、極道、刑事、弁護士など、ドラマや映画、舞台で多彩な女性を演じる彼女に“感情コントロール術”を聞いた。

多彩かつ異色の経歴を持つ高島礼子【写真:増田美咲】
多彩かつ異色の経歴を持つ高島礼子【写真:増田美咲】

61歳となった今も挑戦の日々

 俳優の高島礼子は、1989年に時代劇ドラマ『暴れん坊将軍』第3シリーズで俳優デビューを飾り、今年で37年が経つ。時代劇、極道、刑事、弁護士など、ドラマや映画、舞台で多彩な女性を演じる彼女に“感情コントロール術”を聞いた。(取材・文=小田智史)

 自動車会社の会社員、アマチュアレーサー、モデルを経て、俳優に転身した異色の経歴の持ち主。今では、映画、ドラマ、舞台、CMと幅広い活躍を見せる。

 現在61歳。年齢を重ねる中でも挑戦を続けられる原動力は何か。「せっかく生きてるんですから」。今なお芸能界で活躍する先輩たちの姿からも刺激を受けるという。

「『疲れた』とか、『もう歳だ』なんて言っていられません(笑)。まだ生まれたばかりのような気持ちで、頑張って挑戦していきたいと思っています」

 コロナ禍だった2021年1月から始めたインスタグラムも、高島にとっては新たな試みの一つだった。

「まさか自分が始めるとは思わなかったです。SNSはあの場で生の声が聞こえる。初めての時は、『こんなこと考えてくださっているんだ』と感動しちゃいました。映像をやってる中では、それこそ2ちゃんねる(現5ちゃんねる)を見ない限り、そういう声はなかなか入ってこないので(笑)。でも、私たちは2ちゃんねるNGなんで。絶対に見ちゃいけないと言われていました」

“NG”の理由は、周囲の声に揺らぐことなく、フラットに物事を考えるためだという。

「100ほめられても、1否定があったら、その否定に引っ張られてしまう。だから、先輩たちから『絶対に見ちゃいけない』と言われていました。でも、インスタはファンでいてくださる方が多いので、マイナスのことはほとんどないですし、逆にアドバイスをくださることもある。これも私にとっては挑戦として、どんどん楽しくなってきました」

俳優デビュー後、徐々にポジティブ思考へ変わったという【写真:増田美咲】
俳優デビュー後、徐々にポジティブ思考へ変わったという【写真:増田美咲】

若いころは「感情の浮き沈みが激しかった」

 せりふを覚え、記憶力や判断力を求められる職業柄、脳に刺激を与えることは常に意識しているという高島。その脳の深部には、感情の中枢と呼ばれる器官(扁桃体)もある。感情は生物が生きていくために身につけた機能で、重要な役割を担っているが、喜怒哀楽を含めて自身はどのようなタイプだと考えているのか。

「感情はとても大事です。ただ、感情で右往左往したくないので、基本的には良いこと以外の『悪』感情はもう捨てます。怒ったり、へこんだり、そんなことにとらわれていると人生を無駄にしていくと思いました。若いころは感情の起伏が激しくて大変でしたが、今はとても落ち着いています(笑)」

 もともとポジティブ思考だったわけでなく、周囲とコミュニケーションを取り、声を聞き入れることで、徐々に自分が変わっていったと振り返る。

「いろんな方とコミュニケーションを取れるようになったり、人の話を聞けるようになって、心がニュートラルになったからだと思います。やっぱり我が強すぎると、自分を押し通したくなったり、自分で自分の限界を決めてしまったり、人にそれを押しつけたりしてしまう。簡単にできることではないですが、うれしさや感動の感情だけは残していきたいと思っています」

 俳優は“演じる役者”――。普段は眠らせている感情も、求められれば呼び起こすことはできるという。

「喜怒哀楽の『怒』は60年以上経験してきたことなので、お芝居の中ではちゃんと表現して、プライベートでは怒って狭い世界に陥ったりするもんか、と思えるようになりました。(5月の舞台で演出を担当する)石井ふく子先生も、働き方改革10数年前は厳しかったらしいです。灰皿が飛んでくるって(笑)。でも、今は本当に仏様みたい。私が出会った時にはすでに福々しいお顔になられていました。石井ふく子先生を見ていて、『当時はそうだったかもしれないけど、今は人のことばかり一生懸命頑張っていらっしゃる。自分もそうなりたいし、そうあるべき』だと思います」

 生涯、演者としていきたいと話す高島の今後から目が離せない。

□高島礼子(たかしま・れいこ)1964年7月25日、神奈川県出身。アマチュアレーサーとして活躍し、88年にCMに出演したのを機に、テレビ時代劇『暴れん坊将軍III』で本格的に俳優デビュー。映画『さまよえる脳髄』(93年)で初主演を果たす。『陽炎』シリーズ2、3、4(96年~98年)にて主演を務め、『極道の妻たち 赤い殺意』以降のシリーズ(99年~2005年)でも主演を続投する一方、舞台、ドラマ、CMでも活躍。ドリームワークス製作のアニメ『マダガスカル』シリーズ(05年~12年)の日本語吹替版の声優にも挑戦。01年、映画『長崎ぶらぶら節』(00年)で、第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した。

(番組情報)
ラジオNIKKEI第1にて放送
山田養蜂場ノンアルツBee提供番組『判断力の源~一流になるための脳(ブレイン)ケア~』(第1・3水曜午後4時30分~4時40分)
4月15日放送回に出演

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