長濱ねる、変化した仕事への向き合い方 人に委ねるという選択肢「知らない自分に出会える」
俳優の長濱ねるが3月28日からLemino・WOWOWでスタートするドラマ『ストーブリーグ』で新境地を開こうとしている。同作で長濱が演じるのは、弱小プロ野球チームの再建に挑む編成本部長・蒔田理紗。気が強く仕事に一直線な性格で周囲を引っ張っていくという役柄だ。これまでに演じたことのないキャラクターへの挑戦を「大きなターニングポイント」と振り返る27歳に、今作への思いや仕事への向き合い方を聞いた。

大切にする「他人が見た自分」
俳優の長濱ねるが3月28日からLemino・WOWOWでスタートするドラマ『ストーブリーグ』で新境地を開こうとしている。同作で長濱が演じるのは、弱小プロ野球チームの再建に挑む編成本部長・蒔田理紗。気が強く仕事に一直線な性格で周囲を引っ張っていくという役柄だ。これまでに演じたことのないキャラクターへの挑戦を「大きなターニングポイント」と振り返る27歳に、今作への思いや仕事への向き合い方を聞いた。
『ストーブリーグ』は、2019年に韓国SBSで放送され、社会現象を巻き起こした同名ヒューマンドラマの日本リメイク版。野球未経験のGM・桜崎凖(亀梨和也)が、万年最下位のプロ野球チームの再建に挑む、オフシーズンの球団運営フロント陣の奮闘劇が描かれる。
――今作は、長濱さんにとってどんな作品となりましたか。
「今回演じた蒔田理紗は、私よりも年上で本部長としてみんなの上に立ち、指示を出すという初めての役柄でした。反射的に言い返したり、葉山(奨之)さん演じる後輩の三谷原には、手を出してしまうくらい血気盛んで、私にとってとても挑戦的な役になりました。でも、そんな役だったからこそ、改めて『お芝居ってどういうことなんだろう』といったことを、監督さんと丁寧に積み直せた感覚があったので、私にとっては本当に意義深い作品になりました」
――特に共演が多かったGM役の亀梨(和也)さんと後輩役の葉山さんの印象はいかがでしたか。
「大先輩ですし、本当に懐が深いお二人で『何をしてもいいよ』という雰囲気が初対面から伝わってきました。理紗がドリームズというチームのことを好き、という一本軸さえ持っていれば、あとはお二人のお芝居に委ねるだけで、自然体で撮影に臨むことができました。本当にお二人に助けていただいたと思っています」
――共演されて学ばれたことなどはございましたか。
「亀梨さんは座長ということもあって、スタッフさんが休めているかなど、全体を広い視野でケアしてくださっていました。本当に野球に詳しい方だからこそ、選手の方々へのリスペクトも人一倍持っていらっしゃいました。例えば、練習場で映るボールについても、球団のロゴを印刷した方がいいんじゃないかと提案をしていたりと、本当に細かい部分までこだわってくださっていました。そのおかげで作品自体の説得力もすごく増したと思っています。本当に学ぶことが多かったです」

年齢を重ねて意識するようになった「仕事とプライベートのバランス」
――今回は野球チームを支える裏方という役でしたが、今回の作品を通して気付きなどはございましたか。
「自分が支える側を演じてみて思ったのは、信念を持ち続けることの大切さです。私は優柔不断で、自分の意志を人に伝えることがあまり得意な方ではないのですが、ブレない意志を持つことの大切さを感じました。また、本当に当たり前の話にはなりますが、みんなそれぞれに自分の世界があって、家庭があって、友人がいます。この作品にも、GMや理紗、選手の家族も出てきます。実際にお仕事で対峙している方の裏側にある背景を想像することで、もっと人に対して優しくなれる気がして、そういったことをこの『ストーブリーグ』で教えてもらえた気がしています」
――映像を拝見させていただいて、アドリブシーンも多い印象を受けました。
「瑠東(東一郎)監督が、ライブ感をとても大事にされる方でした。葉山さんには、『本番で違うことやって』と言っている姿を目撃したりもしました(笑)。その場で生まれるキャラクターや生の反応を大切にされていたんだと思います。だからこそ、日常のわちゃわちゃとしたシーンでは、皆さんアドリブの応酬といった感じでした。理紗はそれをひたすら受け身でキャッチしていくことが多かったです」
――瑠東監督からの言葉で印象に残っていることはありますか。
「どんなシーンでも『今、私が何を感じているか』を聞いてくださる方でした。普段だったら『理紗だったらどう感じるんだろう』と考えるのですが、瑠東監督はいつも、『長濱だったらどう思う?』と聞いてくださいました。人を演じるというのは、自分自身の延長線上にその役があるんだということを瑠東監督のおかげで強く意識することができました」
――理紗は自分に正直で仕事に一直線なキャラクターでしたが、長濱さんの仕事の向き合い方との共通点はありましたか。
「私も仕事が好きで、気付いたら仕事のことばかり考えています。理紗も四六時中、チームについて考えているような人間だったので、共感できました。今作でのGMは、自分の人生を犠牲にしてでも結果を残したいという人物だったんですけど、その姿を客観的に見た時に『もっと自分の幸せを願って!』と思ったんです。私もこれから、30代、40代と年齢を重ねていく中で、仕事とプライベートのバランスだったり、自分をいたわっていくことを少しずつうまくやっていけるようになれたらいいなと思いました」

30代に向けて母親や教師役への興味を明かす「人に何かを与えていくような役に」
――数年前には、自分の直感に従いながら「自分が良いと思う」ものを選びながら仕事をしていきたいとの発言をされていましたが、何か変化はありましたか。
「20代前半の頃は正直、自分に何が求められていて、何が得意なのかも分からずに模索している状況でした。スタッフさんと考えながら、1回やってみて、自分の心がどう動いたかということを大事にしていた時期でした。そこから少しずつ年齢を重ねていく中で、求められていることや得意なことが分かる日は多分来ないと気付けたんです。だったら、『好きだからやっています』でいいんじゃないかなって。だからこそ、お芝居をもっと頑張りたいなと今は思っています。そういった心の変化があった4、5年でした」
――勝手な印象ですが、長濱さんはご自身のことを客観的に見ることが得意そうな印象がありました。
「自分が思っている自分よりも、他人が見た自分の印象や、他人が見ていいと思うものに飛び込んだ方が、自分の知らない自分に出会えると思っているんです。それこそ、理紗も『不得意そう』な役だと思っていました。もし、誰にも相談せずに進めていたら、『できるかな?』と不安になっていたと思いますが、周りと話している中で『やってみよう』と思えました。それが一緒に誰かと働くことの楽しさなのかなと思ったりもしています。今は人に委ねて、新しい自分を見つけていくということを楽しめています」
――今後チャレンジしてみたい役などはございますか。
「今回演じた理紗は、表面的には似ていない部分が多かったのですが、内面的には共感できる部分がありました。役を演じるにあたって、その人の特徴だけではなく、ちゃんと内面に共感して演じることができるのかが大事だなと今回の作品を通して、改めて気付くことができたので、自分にとって大きなターニングポイントになったと思っています。今まで人の上に立ったり、誰かに何かを与えたりする立場のような役を経験したことはありませんでした。今年28歳になるので、30代に向けて少しずつ、母親役や教師役といった、自分が人に何かを与えていくような役に挑戦できたらいいなと思っています」
○ストーブリーグ
配信・放送日時:2026年3月28日(土)午後1時~
配信プラットフォーム・放送チャンネル: Lemino、WOWOW
出演=亀梨和也、長濱ねる、葉山奨之、梶原善、木村柾哉(INI)/板尾創路、勝地涼、甲本雅裕、剛力彩芽/吉田鋼太郎/野村萬斎ほか
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