“男を見る目がない”アラサー女子が婚活アプリで結婚へ 掴んだ幸せと満たされない現実
コロナ禍で、密になる合コンは今や昔。出会いの場は、サクっと簡単に出会えるマッチングアプリが“主流”とも言われている。以前にも増して先の見えない時代。婚活アプリに登録して大急ぎで“お相手”を探す人も多いだろう。「30歳までに結婚する!」と目標を掲げて婚活を始め、マッチングアプリで出会った男性と実際20代後半で結婚した女性に話を聞いた。
自分が好きになる相手とは結婚できないと悟った20代
新型コロナウイルス禍で、密になる合コンは今や昔。出会いの場は、サクっと簡単に出会えるマッチングアプリが“主流”とも言われている。以前にも増して先の見えない時代。婚活アプリに登録して大急ぎで“お相手”を探す人も多いだろう。「30歳までに結婚する!」と目標を掲げて婚活を始め、マッチングアプリで出会った男性と実際20代後半で結婚した女性に話を聞いた。
販売員として働く木原さおりさん(仮名、30歳)。学生時代に雑誌の読者モデルをしていて、スタイルもよく、明るくて笑顔がとてもかわいらしい。これまで、言い寄ってくる男性はたくさんいたそうだが、結局、婚活アプリで知り合った男性と、交際わずか半年で結婚した。さおりさん、27歳の時だった。
「それまでお付き合いした男性は浮気性だったり、ギャンブル依存症だったり……自分で探して出会った人と結婚しても幸せになれる気がしなかったんです。でも、どうしても30歳までに結婚したかった。私はひとりっ子なので早く親を安心させたいというのもあったし、20代後半にさしかかって、何人かの友達が結婚していくのを見て、『私はこのまま1人かもしれない』と急に不安になってしまったんです」
お相手は4歳年上の晃一さん(仮名)。製薬会社勤務の薬剤師で、誠実でとても優しく、さおりさんが寂しくならないようにと犬を飼ってくれたり、さおりさんの実家の近くに家を建ててくれたりと、とにかく尽くしてくれるそう。
「こんな男性いるんだ! と思うくらいすごく優しくて。結婚して3年経ちますが、今でも優しいまま。自分の足ではどれだけ探し回っても絶対に出会うことができない相手だと思います。イケメンとかの類ではないし、旦那と出会う前に付き合ってた人とは全く違うタイプ。『結婚する人』はこういう人だなって思いました」
結婚はゴール? 夫のことは嫌いじゃないけれど…
そんな幸せそうな彼女も今は、周りの友達のことが気になるという。
「まだ結婚していない人は結構いますが、みんな楽しそうなんです。全然寂しくなさそうだし、仕事もプライベートも充実してる様子を見ていると、『そんなに焦らなくてもよかったのかな……』って思うことはありますよ。ないものねだりかもしれませんが」
友達からの飲みの誘いや、元彼からの連絡も一切絶ち、真剣に婚活と向き合い目標だった“30歳までに結婚”を達成した。憧れだった海外挙式も挙げ、マイホームも手に入れた。それなのに、どこかぬぐい切れない喪失感があるという。晃一さんに対する不満は何もないというが、それがさおりさんにとっては満たされない理由となっているのかもしれない。
「形にとらわれ過ぎたのかもしれません。私は結局、ただ『結婚がしたかった』だけなんですよね……。旦那のことは嫌いじゃないし、別れたいとかではないけれど、自分が描いた結婚とは少し違ったのかもしれない。贅沢かもしれないけど、どこか満たされないんです。中高生の頃に部活の先輩に抱いた“ときめき”のようなものがない。旦那とはハネムーン以降、旅行へ行こうという話も出なくなりました」
さおりさんに、「いま、幸せ?」と聞くと、視線をそらしたまま、寂し気に笑った。