「謝罪会見しろ」大阪のいじめ、無関係の企業に電話殺到 深刻な風評被害「恐怖を感じています」
大阪で、男子中学生が小学生を羽交い締めにして海へ突き落とす様子を撮影した動画がSNS上で拡散し、波紋を広げている。この件を巡っては、ネット上で加害者側の「特定作業」が加速する一方、全く無関係の企業に攻撃が向かう風評被害も発生している。

「謝罪会見しろ」無関係の企業に誹謗中傷が殺到
大阪で、男子中学生が小学生を羽交い締めにして海へ突き落とす様子を撮影した動画がSNS上で拡散し、波紋を広げている。この件を巡っては、ネット上で加害者側の「特定作業」が加速する一方、全く無関係の企業に攻撃が向かう風評被害も発生している。
発端となったのは、今月17日ごろから拡散した動画。映像には、首を絞められた被害児童が苦しむ様子や、海に突き落とされた後に必死に浮かび上がろうとする姿が収められていた。周囲では他の子どもたちが「ガチやん」「さすがにやりすぎ」と言いながら笑っている声も入り、その凄惨さから批判が集中している。大阪市教育委員会は19日、ENCOUNTの取材に対し「動画の内容は事実」と認め、これを「重大事態のいじめ」として把握。学校や警察と連携して対応を進めていることを明かした。
こうした中、ネット上では加害者や保護者を特定しようとする動きが広がり、その矛先が向かったのが、ランドセル販売などを手がける「株式会社リリコ(LIRICO)」だった。
同社は公式ホームページ上で、「現在、SNS上で拡散されている出来事に関連し、当社『株式会社リリコ』に関するお問い合わせをいただいております。当社は、当該の個人・家庭・出来事とは一切関係ございません」と声明を発表。会社名が加害者の父が勤務しているとされる会社に類似していることや、大阪に所在していることから誤解が生じているとして、事実に基づかない情報の拡散に慎重な対応を求めた。
担当者によると、17日以降、同社には1日30~40件もの電話が殺到。内容は「無言電話やいきなり『謝罪会見をしないのか』といった内容を言ってきたり……」と迫るものもあったという。中には面白半分で電話をかけ、仲間内で盛り上がっている様子が受話器越しに伝わるケースもあったと明かす。
業務への支障も深刻だ。「本当に電話対応が大変で、従業員への影響もかなりあります。いろんな恐怖を感じています。本来不要な負担がかかっている」と胸中を吐露した。
被害は電話だけではない。Googleマップのクチコミ欄には、事実無根の内容とともに「星1」の低評価が短期間に多数投稿された。現在はGoogle側の判断により多くの投稿が整理されているという。
一方、同社を日頃から利用している顧客らが「守る動き」も見せており、誤解による誹謗中傷に対し、事情を説明するフォローの書き込みが相次いでいるという。担当者は「日頃から顧客対応に力を入れてきた結果、お客様からのフォローが多く本当にありがたい」と感謝を口にした。
同社は現時点で、これ以上の騒動に発展しない限り法的措置など具体的な対応は検討していない。ただ、「事実に基づかない情報の拡散については慎重な対応をお願いしたい」と呼びかけている。
正義感に駆られた「ネット私刑」が、無関係の企業や従業員を追い詰める。SNS時代の危うさが改めて浮き彫りとなっている。
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