60歳・沢口靖子「最初はおてんばで…」 『科捜研の女』26年演じた榊マリコ、実年齢と重ねた成長に愛着
俳優・沢口靖子(60)主演のテレビ朝日系ドラマ『科捜研の女 ファイナル』が、23日午後8時より放送される。1999年10月にスタート以来、現行連続ドラマ最多記録を更新してきた科学捜査ミステリーのシリーズだが、放送300回の節目にスペシャルドラマの本作で幕を下ろす。放送を前に主人公・榊マリコ役の沢口、土門薫役の内藤剛志(70)が囲み取材に参加。長く演じてきた役や互いへの思いについて語った。

放送300回の節目に迎える『科捜研の女 ファイナル』
俳優・沢口靖子(60)主演のテレビ朝日系ドラマ『科捜研の女 ファイナル』が、23日午後8時より放送される。1999年10月にスタート以来、現行連続ドラマ最多記録を更新してきた科学捜査ミステリーのシリーズだが、放送300回の節目にスペシャルドラマの本作で幕を下ろす。放送を前に主人公・榊マリコ役の沢口、土門薫役の内藤剛志(70)が囲み取材に参加。長く演じてきた役や互いへの思いについて語った。
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京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊と京都府警捜査一課の刑事・土門の“名バディー”で数々の事件を解決してきた人気作がついにラストを迎える。会見では各々が万感の思いを口にした。
まずは沢口が「やはり長く一つの役をやりますと愛着が湧いてきますね」と口火を切った。最初にマリコを演じたのは34歳の時。「マリコは、最初はおてんばキャラで科学一辺倒の人でしたけれども、数々の事件や、たくさんの人との出会いの中で、人を優しく見つめる科学者に成長してきました」と、26年の月日を笑顔で振り返った。
2004年のseason5から土門役を演じてきた内藤も、長い年月を述懐した。
「制作にあたって、変わることを許してくださったんです。どんどん年齢とともに成長していくのをやらせていただけて、ただ同じ役を同じ年齢で演じる形ではなかったんですね。 その中でちゃんと年数を経てきたというのがあるので、少しずつ2人で修正をしたり、みんなで話し合ったりしながら変わってきたなと思います」
2人は、そろって「成長」というキーワードを使い、実年齢と役を重ねながら変化してきたと明かした。
一方、互いに変わらないと感じていることについて、沢口は「内藤さんは、いつも朝から元気で不機嫌な感じを見たことがなくて。いつも元気いっぱいな方ですよね」と称賛すると、顔を見合わせた内藤が「変わってないって」とうれしそうな表情を見せる場面も。
そんな内藤は、沢口の変わらない点について「この真面目さですよ」と熱く語る。同シリーズ以前の共演から感じていたという「作品への向かい方っていうのかな、その生真面目さっていうのは、もう一切変わらないです」と強調。シリーズを重ねても新たなシーズンが始まる際、主演の沢口が「常に一から、真面目に臨む姿を見せてきた」ことが、キャストやスタッフに新鮮な気持ちをもたらしたと説明し、長く愛される作品につながった要因だと分析した。

「どもマリ」の関係も成長
劇中でマリコと土門は、強い信頼と絆を感じさせる名コンビぶりを発揮。シリーズを支える大きな魅力となっており、ファンから親しみを込めて「どもマリ」と呼ばれている。
ちなみに、内藤が同シリーズに初登場したのは、season5ではない。00年のseason2で、科捜研の同僚であるプロファイラーでマリコの良き相談相手・武藤要役で登場。season3で作家に転身してseason4まで出演し、18年10月の2時間SPでは武藤と土門の1人2役で登場するという粋な演出もあった。
そんな“過去”も振り返りつつ、沢口は「どもマリ」が最初から息ぴったりの関係だったわけではないと話す。
「当初は、ちょっと対立するようなストーリーの時もあったんですけど、いつも土門さんがマリコを大きく包み込んで、お互いに尊敬と信頼し合える、 唯一無二のパートナーという形でやってきました」
ファンの中には恋愛への発展を期待する声も少なくないが、内藤は「すれすれの恋愛ではない関係」と説明する。「沢口さんの言葉では、兄弟。血が繋がっている、繋がっていないは関係なく兄弟のようだと言って、僕を含めて作り手のみんなで話す中でも、そう思っているので……恋愛に発展するって(選択肢は)なかったですよね?」と問いかけると、沢口も「ないですよね」と同意。それを受けて、内藤は築き上げてきた「どもマリ」の絆について語った。
「そこは2人で決めていて、ただハラハラドキドキさせる感じはあったとしても、血のつながりに関係なく肉親みたいな、他人と肉親の中間のような。長い月日の中でそれぞれの役が変化したのと同じく、家族が成長するように2人の関係は変わり続けていく中で、ここまで来た感じですね」

科学の進化で演技に苦労も
実年齢と共にキャラクターも経験を重ねて成長するのと並行し、大きなテーマである科学も進化。内藤は「主役が一番大変」と沢口をねぎらい、「科学の進歩ってすごいじゃないですか。スタートした頃はまだDNAがどうだとか、それが裁判で証拠能力があるかないかって、ちょっと曖昧な部分があったと思うんです。でも今は顔認証とか……自分は捜査側だからあんまりないんだけど」としみじみと語った。
沢口はうなずき「どうしても専門用語を覚えて、ちゃんとスムーズに言えるようにしていかなきゃいけなかったので、やはり物理的な時間がたくさん必要でしたね」と苦労があったと明かし、今作で軸になるAIに関しても言及した。
「今回のセリフでは、物理‘(担当)の君嶋(直樹役・小池徹平)さんがAIの解説をするところがすごく難しくて(笑)。マリコは聞いているだけじゃなく理解していないといけないので、プロデューサーに『これどういう意味ですか?』と尋ねて、わかりやすく説明していただいて把握してから、現場に臨んだっていうことがありました」
なお、AIを日常的に使っているか聞かれると、沢口は「わからないことは聞いていますね。ちょっと悩んだときとか、すぐ答えてくれるので普段から活用しています」と便利に使っているそう。そして内藤も、長いシリーズで覚えきれないエピソードや共演者の出演時期などを調べる際などAIに質問すると回答しつつ、ユニークな使い方を披露した。
「AIが言わないこと言ってやろうと思うんですよ。何かコメントしなきゃいけないことがあって“内藤剛志風に”って条件をつけると、想定が出てくるわけ。そういうのを『ふざけるな、余計なお世話だ!』って(笑)」と意外な活用法を明かし、沢口や報道陣が爆笑すると、さらに「AIに負けてたまるかって話ですね」と続け、再び笑いを誘っていた。
久しぶり登場のキャスト陣も見どころ
今回はファイナルということもあり、久しぶりに登場するキャスト陣も見どころのひとつ。小野武彦、戸田菜穂、渡辺いっけい、奥田恵梨華といった、同シリーズでレギュラーキャストを務めた4人の出演が発表されている。その中でもマリコの父・榊伊知郎役の小野とは、印象深い場面があったと沢口は振り返る。
「もう本当に父親役で、いつもマリコを温かい目で見てくださって。今回も現場でちょっと私がお芝居に困った瞬間があったんですけど、さりげなく助けてくださったんです。 それが素敵でした」
内藤は、明かされていな過去の出演者も「意外な形で出てくる」と打ち明け、「本当にメモリアルな作品になっているので、楽しみにしていただきたいと思います」と力強くアピールした。
□沢口靖子(さわぐち・やすこ) 1965年6月11日生まれ。大阪府出身。84年「第1回東宝シンデレラオーディション」でグランプリを獲得し、同年の『刑事物語 潮騒の詩』で俳優デビュー。85年NHK連続テレビ小説『澪つくし』のヒロインで全国区の人気を博す。その後、舞台やドラマ、映画などで活躍。主なドラマ主演シリーズにテレビ朝日系『科捜研の女』(94年~)、『鉄道捜査官』(2000年~)、フジテレビ系『検事・霞夕子』(11年~)ほか。舞台の代表作品は、『細雪』(00年)、『Bad News☆Good Timing』(01年)、『シングルマザーズ』(11年)、『熱海五郎一座』(14年)、『台所太平記』(15年)など。
□内藤剛志(ないとう・たかし) 1955年5月27日生まれ。大阪府出身。日大芸術学部中退後、文学座研究所を経て映画『ヒポクラテスたち』(80年)で本格的に俳優デビュー。27クール続けて連続ドラマ出演(95年1月~2001年9月)という日本記録で“連ドラの鉄人”と呼ばれる。主なドラマ出演シリーズにテレビ朝日系『科捜研の女』(2004年~)、『警視庁・捜査一課長』(12年~)をはじめ、多数の作品に出演している。
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