交通事故で「人生が台無し」 収入半減、医師から耳を疑う言葉も…痛み続く女性モデルが語るリアル

運転中に交通事故に遭い、人生が狂わされた。4か月以上経過しても、残り続ける体の痛み。収入が半減しているうえに、通院している医師からは「まだ痛いの? 本当?」と疑われ……。モデルとして活躍する都内在住の女性が、心痛の日々を送っている。帰省中の事故で、運転していた乗用車は廃車に。「周囲に分かってもらえないつらさがあります。人生が台無しです」。交通事故の“その後”のリアルを明かした。

交通事故の悲惨さについて語ったモデルの奥村美香さん【写真:本人提供】
交通事故の悲惨さについて語ったモデルの奥村美香さん【写真:本人提供】

奥村美香さんが打ち明けた「『自分は事故らない』なんて思わないで」

 運転中に交通事故に遭い、人生が狂わされた。4か月以上経過しても、残り続ける体の痛み。収入が半減しているうえに、通院している医師からは「まだ痛いの? 本当?」と疑われ……。モデルとして活躍する都内在住の女性が、心痛の日々を送っている。帰省中の事故で、運転していた乗用車は廃車に。「周囲に分かってもらえないつらさがあります。人生が台無しです」。交通事故の“その後”のリアルを明かした。

 2025年8月、西日本の地元への帰省中に交通事故に遭ったのは、奥村美香さん。18歳の時にレースクイーンを務めて芸能界入り。グラビア・俳優・自動車業界イベントのコンパニオンなどマルチに活動している。

 親族のベンツを1人で運転中の出来事。信号のない交差点で出合い頭に、乗用車と衝突した。「見通しの良い交差点でした。相手は一時停止をしないといけなかったのですが、止まらずに入ってきました。私は相手の車両を左手に見ていて、当然相手は止まるだろうと思っていたら、そのままのスピードで、私自身がちょっとパニックになりました。『え、来るの?』と思った瞬間、一時的に記憶が飛びました」。

 すさまじい衝撃、奥村さんが乗っていたベンツのボンネットは外れ、フロントバンパーはぐちゃぐちゃに。煙が上がった。「爆発が怖くて、とにかく逃げなきゃと思ったことは覚えています」。近隣住民が集まり、通報を受けた救急車、警察が駆け付けた。命は助かった。

 1台の救急車が先に到着したため、当初は奥村さんと相手方の男性運転手が一緒に乗車する形になった。奥村さんは相手方に「なぜ一時停止しなかったんですか」と問いかけた。しかし、「ずっと下を向いて黙ったまま。謝罪の言葉は一言もありませんでした。今現在も一度もありません」。

 現場の交差点は、過去に交通死亡事故が起きた場所だという。奥村さんが運転していたベンツは、見るも無残な姿に。全損扱いになった。

 最初に救急搬送された総合病院では、レントゲンやCTなどの検査を受けて、全身打撲と診断された。点滴を打っただけ。それで大丈夫なのかと不安な思いを伝えると、「町医者で受診を」と促された。

 不幸中の幸いで顔面にけがはなく、骨折もなかった。ただ、腕や膝に青あざ。とりわけ首と腰に痛みが続いた。地元のエリアにある整形外科を受診したところ、「全治3週間」の診断が出た。

 ここから人生の歯車が狂い始めた。モデルやタレントの仕事は「絶対に穴をあけられない」世界だ。事故後も無理を押して仕事を続けてきた。「2週間ほど休んで復帰しました。決まっている仕事は全部行きました。休憩時間を増やしてもらったり、配慮してもらいながら、なんとか……」。しかし、25年秋に行われたジャパンモビリティショーでは、10日間連続の立ち仕事で膝の痛みが限界に達し、1日だけ初めて仕事を休んだ。不調によって仕事のオーディションを断念することもある。

 OLの仕事を収入の柱にしているのだが、痛みと体力低下の影響で、勤務日数を減らしている。収入は事故前の半分ほどに落ち込んだ。今も続く痛み。冬になってから悪化し、ストレッチをしただけで翌日動けなくなることもあるほどだ。それでも、「芸能のお仕事は、休んだらオファーが来なくなってしまう」と、必死で働き続けている。

 肉体的な痛みだけではない。事故の「トラウマ」で夜眠れず、睡眠導入剤に頼る日もある。車好きで、運転も大好き。それなのに、「事故後にハンドルを握る機会があったのですが、運転していても、横から車が来ると『またぶつかるんじゃないか』と怖くなっちゃうんです。友人の車に乗せてもらっている時も、他の車が見えるたびにドキッとしてしまいます」。運転自体に不安を抱えるようになってしまった。

 さらにつらいのは、なかなか周囲の理解が得られないことだ。青あざは1か月ほどで消え、見た目には分からなくなった。歩くのが遅くなってしまったのだが、「家族や友人からも『なんでそんなに遅いの?』と言われちゃって……」。無理して歩行速度を合わせている現状だ。

事故当時の生々しい現場【写真:本人提供】
事故当時の生々しい現場【写真:本人提供】

「危険運転は絶対ダメです」

 追い打ちをかけられてしまった。関西での定期的な仕事の際に通う整形外科の医師から、「4か月たっているのにまだ痛いの? 本当なの?」と言われてしまったという。

「手首もずっと痛いのですが、『痛そうには見えない』と言われ、結局診てもらえません。湿布を追加してほしいと頼んでも、看護師さんから断られます。交通事故のけがについてうそをつく人がいると聞いたことがありますが、私も疑われてしまっているのでしょうか」。苦しい胸中を吐露する。

 都内の接骨院にも行っており、ここでは丁寧に扱ってもらっているという。別の整形外科医院を受診する選択肢もあるのだが、「ここまで診てもらっているのと、他のお医者さんもこんな感じなのかなと思ってしまい、ずるずるこうなっています」。

 まるで自分が悪いことをしているような感覚に陥っているといい、「すごくストレスがたまります」と言葉を絞り出す。

 自身の保険会社と相手側の保険会社からたびたび連絡があり、対応に追われる日々。車両の補償に関して、金額面で差があったため自分の保険を使った。これからの交渉事もあり、事故現場の地域で弁護士を探すなど、慣れない中でも自力で行わざるを得ない。「なんでここまでずっと苦労しないといけないのでしょうか」。

 ずっと後悔にさいなまれている。「あと一歩タイミングが違えば、自分があと5秒遅かったら事故に遭わずに済んだのかな、とか、いろいろ考えちゃうんです。周りからは『もう大丈夫でしょ』と言われることが多いです。運が悪かったと言えば、それでおしまいかもしれませんが、でも、事故被害で人生が変わってしまいました」。泣きそうな目で語る。

 だからこそ、声を大にして訴えたいことがある。交通安全の徹底だ。「『自分は大丈夫』『自分は事故らない』なんて思わないでください。スピードを出したり、携帯を見たり、一時停止を減速だけで無視したり。田舎だと、『どうせ車は来ないだろう』と信号無視をする人も多いです。無理な車線変更や追い抜きをする若いドライバーも見受けられます。『事故は起こらないだろう』と過信しがちです。でも、そんなことは絶対にないです。私の知り合いには、10代の頃にバイクに乗っていて自動車との交通事故に遭って、車いす生活になった人もいます。私は今回、まさか自分が事故に遭うなんて思っていなかったです。でも、改めて怖さを知りました。危険運転は絶対ダメです」。

 シートベルトの着用も命を救う。「今回シートベルトをしていなかったら、私は死んでいたかもしれない。たまにシートベルトが嫌だと着用しない人もいますが、絶対にしてください」と訴える。

 自動車業界に関わりながら楽しく働いてきた。新年の東京オートサロンでも、痛みに負けず、笑顔いっぱいに自分の仕事を全うするつもりだ。「車は便利で楽しいものですが、凶器にもなる。他人の人生を、自分の人生を壊してしまうリスクもある。そのことを皆さんもう一度考えながら安全運転を心がけてほしいです」と結んだ。

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