中村橋之助、市川染五郎ら若手6人が浅草に集結 染五郎が襲名控える仲間を祝福「おめでたい方がいっぱい」
歌舞伎俳優の中村橋之助、市川染五郎、中村鶴松、中村莟玉(かんぎょく)、尾上左近、市川男寅が2日、東京・台東区の浅草公会堂前で『新春浅草歌舞伎』の初日あいさつを行った。

30歳迎えた橋之助 30年前の父のエピソードも「赤ちゃんの僕を抱っこしてくれた」
歌舞伎俳優の中村橋之助、市川染五郎、中村鶴松、中村莟玉(かんぎょく)、尾上左近、市川男寅が2日、東京・台東区の浅草公会堂前で『新春浅草歌舞伎』の初日あいさつを行った。
新春浅草歌舞伎は浅草のお正月の風物詩として、40年以上の歴史を誇る公演。江戸時代の浅草では、現在の浅草公会堂がある場所からほど近い猿若町に『江戸三座』が開場し、明治から昭和にかけて浅草のショービジネスの中心地としてにぎわっていた。1980年のお正月に浅草公会堂で『初春花形歌舞伎』として歌舞伎興行が復活。2003年には新春浅草歌舞伎と名称を変え、“若手歌舞伎俳優の登竜門”として続いてきた。
これまで市川猿之助(当時は亀治郎)や中村勘九郎(当時は勘太郎)、中村七之助、片岡愛之助らが出演していたが、2015年に主要出演者が一新され、尾上松也が座長となり代替わりした。さらに25年1月からは橋之助たちに世代交代した。
6人が登場すると、集まったファンから歓声とともに「成駒屋~!」「高麗屋~!」「中村屋?!」などの大向うが。25年から座頭(ざがしら)を勤める橋之助は「皆さま、明けましておめでとうございます」とあいさつすると、「去年、すごく緊張しながらこの鏡開きをしたのが、本当に昨日のことのようで……あっという間の1年でございました。今年も座頭として2年目の新春浅草歌舞伎を迎えさせていただきます。」と振り返った。
年末の12月26日に30歳の誕生日を迎え、「今日が30歳初舞台でございます」と意気込むと、「今から30年前の僕が生まれた時、生まれた次の月の1月に、父(中村芝翫)がこの新春浅草歌舞伎で座頭をしておりました。その時に、赤ちゃんの僕を舞台で抱っこしてくれている写真なんかも残っていまして」と明かした。「そこから30年の時が経って、座頭として迎えさせていただけることを非常にうれしく思っておりますし、めちゃくちゃ気合入っております! この6人で1か月、浅草公会堂から浅草を盛り上げていけるように、一生懸命に勤めて参ります」と力強く語った。
浅草歌舞伎初挑戦となる男寅は、「今回『新春浅草歌舞伎』初出演、唯一の新入生でございます」とあいさつ。「昨年8月に出演者発表がございまして、今日の初日に至るまで、本当に怒涛の日々でございました。自分の持っている力100%で、舞台を勤めるだけでございます」と意気込んだ。
高校1年生の頃から新春浅草歌舞伎のメンバーで、世代交代してから2年目を迎える莟玉は、「歴代、この浅草歌舞伎を作り上げてこられた先輩方も、『2年目がすごく大変だった』というお話を聞かせてくださいました。僕らの代は、『2年目がさらに1年目よりも上回る素敵な公演だったね』と言っていただけるように、力を合わせて頑張りたいと思います」と目標を掲げた。

メンバーカラーの“黄色ネクタイ”で気合を入れた左近「お兄さん方は…(笑)」
同じく2年目となる染五郎は、「橋之助のお兄さんが言ってくださったように、前回が昨日のことのように思い出されます。第1部では私の家・高麗屋にとりまして大切な作品(梶原平三誉石切)を勤めさせていただきます。家の芸を残していけるように意識しつつ、若手の兄さん方の中で、きっちり吸収できることを吸収して頑張りたい」と語った。
また、「今年は“今の名前”でこの浅草歌舞伎にご出演が最後の方がお二人いらっしゃいますし、橋之助の兄さんも、おめでたい30歳を迎えられました」とメンバーを見渡した。橋之助は25年11月10日に元乃木坂46の1期生である俳優の能條愛未と婚約会見を行い、今年初夏に挙式披露宴を予定している。また鶴松は2月の歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』で初代中村舞鶴(まいづる)を襲名し、幹部へ昇進。左近は5月に歌舞伎座で上演される『團菊祭五月大歌舞伎』で、父の尾上松緑も名乗った辰之助を三代目として襲名する。染五郎は「おめでたい方がいっぱいおられますので、その皆さまをお祝いするような気持ちで勤めさせていただきたい」と祝福した。
鶴松は「染五郎さんからも紹介いただきましたが、今の中村鶴松という名での舞台は、今月のこの新春浅草歌舞伎が最後でございます」と語り、「いい思い出を残して、そして新しい名前になっても、この浅草歌舞伎に帰ってこられるよう精進して参ります」と意気込んだ。左近も「5月には『辰之助』と名前を改めさせていただきますので、左近での浅草歌舞伎はこれで最後。辰之助になってもこの地に呼んでいただけるように、また人としてもちゃんと成長できるように、この一年精進して参りたい」と語った。さらに「今回の浅草歌舞伎から、それぞれ“メンバーカラー”がつきまして、僕は黄色です。今日は自分のカラー(黄色)のネクタイをつけて来ました」と明かし、「お兄さん方も自分の色のネクタイをつけてくると思ったら……(まわりを見渡して左近と男寅以外つけておらず)、まさかのこういうことでございます(笑)。男寅さんはちゃんとつけてきてくれて、ありがとうございます(笑)」と、笑いを誘った。
公演は第一部で『梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)』『相生獅子(あいおいじし)』『藤娘(ふじむすめ)』を、第二部では『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』『男女道成寺(めおとどうじょうじ)』を上演。新春浅草歌舞伎恒例の年始のあいさつ『お年玉』も行われる。26日まで。
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