小川直也、首から下が動かない姿を公にした山下泰裕氏との再会希望「言葉にならないよなあ」

東海大の湘南キャンパスで衝撃の記者会見が18日に実施された。登壇者は、1984年ロサンゼルス五輪柔道男子無差別級金メダリストで、日本オリンピック委員会(JOC)前会長の山下泰裕氏である。今回はこの会見を動画で確認した“暴走王”小川直也の見解について書く。

「言葉にならない」と山下泰裕氏の会見に衝撃を受けた小川直也
「言葉にならない」と山下泰裕氏の会見に衝撃を受けた小川直也

「猪木さんのことも思い出したよね」(小川)

 東海大の湘南キャンパスで衝撃の記者会見が18日に実施された。登壇者は、1984年ロサンゼルス五輪柔道男子無差別級金メダリストで、日本オリンピック委員会(JOC)前会長の山下泰裕氏である。今回はこの会見を動画で確認した“暴走王”小川直也の見解について書く。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

“暴走王”小川直也のYouTubeチャンネル「暴走王ch」が29日に更新された。内容は山下氏が18日に実施した会見の内容について。会見とその後の報道によれば、山下氏は2023年10月29日、家族で訪れた神奈川・箱根町の温泉施設の露天風呂から上がる際に意識を失い、崖下に転倒。頸髄損傷の大ケガを負いながら、2年間のリハビリを経て今年9月に退院したことなどが明かされていた。

「いやいやいやいや、大変なことになりましたね」と切り出した小川は、「2年ぐらい前かな。(山下氏が)そういう(事故に遭われた)噂があって、なかなか真相が分からずに来て、先日発表があったと。かなり悩まれたんじゃないかな、発表に至っては」と話した。

 会見での山下氏によれば、事故当時の状況は「ヒートショックだったのではと思う」と振り返り、当時はJOC会長の任期中だったため、「最初に思ったのは、これでプレッシャーから解放されるかな……それが正直なところでした」と心境を吐露。現在は「首から上は達者だが、上半身、下半身は全く動かない。左手は少し動くが、手首から先は麻痺している」と自身の状態を説明していた。

 これに関して小川は、「あんなになっているとは思わないよね」と驚きを隠さず、「当然、いろんな憶測は飛んでいて、JOCの会長っていう役職があるから、いろんな記者が心配していて、ある意味、どうなっているんだいっていうのもあるし」「時間がたつってことはこういうことなんだなと。かなり悩んだんじゃないの、次に進むべき道っていうのは」と話した。

 また小川は、山下氏の姿を動画で確認しながら、「あれを見ていて思うことは、猪木さんのことも思い出したよね」と話し、師匠、アントニオ猪木が晩年、病床に横たわりながら自身の姿を「ありのまま」と口にしながら晒し続けたのと、「世界は違うけど、やっていることは同じなんだ」と感じたことを明かす。

「山下先生は国民栄誉賞だし、猪木さんはスーパースター。やっぱり山下先生は(常に)国民栄誉賞を背負って生きているわけだから、みんなの見本、示しをつけなきゃっていうのがあったのかな」(小川)

当時は「選手ファースト」ではなく「山下先生ファースト」だった

 動画での小川は、山下氏との思い出を振り返りながら、「(初めて会ったのは)高校生の時かな。実はその時、(東海大学柔道部に)スカウトをされたんだよ」と話したが、この時の小川は明治大学を選択。その後、ナショナルチームで担当コーチだった山下氏と接点を持つことに。

「(当時は)いろいろもめたこともあったよ。俺も俺だから。でもさ、当時は選手ファーストじゃないのよ。山下先生ファーストだったから。だからホントによくケンカ(※意見の相違)もしたよ、ぶっちゃけた話をすると。今だったら普通のこと。当時だったら小川ダメでしょ。そういう時代だから」と国民栄誉賞を受賞した山下氏には逆らえない雰囲気が柔道界にあったことを明かすと、「当時はマスコミにもすげえ叩かれた。『なにを山下先生にタテついているんだ』みたいな」と話し、一部メディアに「よく『衝突』なんて書かれてましたよ」と証言する。

 それでも小川は、当時を振り返り、「ケンカをしているわけじゃないんだよ。お互いの立場をわきまえて、山下先生も『言いたいことを言ってくれ』と。こっちは選手だから、やりたいことをやりますしってそれだけの話だよ」と語った。

 ちなみに小川は「次男(剛生)の全国大会の時に、日本武道館で会ったんだよね」と話し、2019年3月以来、山下氏とは会えていないこと明かすと、「悪い関係ではないから、会えば『おお、直也』っていう感覚だった」と話す。

 とはいえ、小川は山下氏の心境を想像しながら、「(小川が)プロレスの世界に行くのは嫌だったんじゃないの」と話した。

 その理由について小川は、「山下先生もいろいろ噂があったからね、プロレス入りに関しては」と話し、のちに「猪木さんと話した話を合わせれば、そういうこと(山下氏のプロレス転向)だったんじゃないかと」と続けた。

 結果的に山下氏の話はまとまらず、小川はまとまったことになるが、これは歴史的に見ていくと、プロレス界と柔道界の確執や因縁のようなものを感じる話だった。

 さらに小川は、「山下先生の今の状況は痛々しくもあるんだけど、これから生き様を見せながら、自分の生き方っていうものを決められたのでそれは全うしてほしいなと」と話し、山下氏いわく、「ありのまま」を公にすることで、自然とメッセージを発していく生き方に一定の理解を示すと、「勇気づけるほうの発信になる立場なんだから。ウチの師匠(猪木)を見ての通りだから、やってほしいよね」と語る。

「周りのサポートをしてくれる人を含めて応援するしかない」(小川)

 興味深いのは小川が「ホント(山下氏と)会ってね、話したいなっていうのはいっぱいある」と再会に関する持論を口にしたことだろう。日本柔道界において山下に次ぐ実績を持つといわれる小川からすれば、長らく柔道界をけん引してきた山下氏に対しては、さまざまな思いがあるようだ。

 しかしながら小川は、「これで柔道界の風景は変わっていくのか」との問いに対し、「それとこれとは話が違うんだよなあ。俺もそういうふうにしたいんだけど」と口にすると、「俺も底辺(小中学生を指導)を見ているけど、やっぱ最近の柔道界の風景としては、おそらくこれから日本柔道界は下がっていくのかなって気がする」と話す。

 そして、ひと通りの見解を示した小川は、「猪木さんを見た時にも言葉にならなかったじゃない。一緒だよ」「あとは本人が選ぶしかないしし、本人がそうやって生きていくっ言う以上は応援していくしかないよ。応援するには周りのサポートをしてくれる人を含めて応援するしかない」と話し、山下氏の周囲の方々にも励ましの言葉を送ったものの、最後は、「まあね、(これ以上は)言葉にならないなあ……」と語り、さらに深掘りしながら話していくことには抵抗がある様子だった。

 いずれにせよ、山下氏が会見を通して、五体満足ではない「ありのまま」の姿を公にしながら持論を訴えていく姿には、触発されない者はいまい。

 果たして、山下氏と小川の再会を含めた新たなる交流が実現するか否か。実現するとしたら、それは即ち今後の柔道界における起爆剤にしなければ意味がない。

 そう考えると両者の動向には、自然と注視していく必要が出てきたとみる。

(一部敬称略)

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