格闘技イベント「Yogibo presents RIZIN師走の超強者祭り」（31日・さいたまスーパーアリーナ）の試合前記者会見が29日、都内で行われた。メインカードで朝倉未来（33＝JAPAN TOP TEAM）との防衛戦に臨む、フェザー級王者・ラジャブアリ・シェイドゥラエフ（25＝キルギス）は、朝倉を“ヤギ”と表現した真意について言及した。

　いつも通り笑顔で会見場に登壇したシェイドゥラエフ。分厚い肉体からはチャンピオンの風格を感じさせた。

　来日は今月21日と異例の早さだったが、現在のコンディションについては「自分のスケジュール通りに練習ができた。時間があったからこの日本の気候に慣れたよ」と万全であることを強調した。

　今年5月のタイトル戦に勝利してベルトを獲得すると、9月の防衛戦は1R・33秒でKO勝ち。圧倒的な実力で名実ともにRIZINのスター選手に駆け上がった。「散歩をしている時にファンの皆様に声をかけられたり、プレゼントまでいただいたので本当に感謝している。ファンの皆様に喜んでもらえるよう、大みそかに一番素晴らしい試合を見せるために努力するよ」と日本への愛ものぞかせた。

　事前に配信されたRIZINのYouTube動画で、対戦相手の朝倉について「ヤギのようだ」と表現した。真意について問われると、「朝倉選手はですね、一人の仲間（佐々木大）をキルギスに送り込んで、私たちのジムに来て色々と研究したりしたわけです。それに対して彼をヤギと言いました。私たちのロシア語圏では、ヤギというのは、あまり良くない、まあ裏切り者というイメージ」と険しい表情で口にした。

　その後も「朝倉選手のことはファイターとしてだけ知っています。過去の試合を見て判断し、経験のあるファイターだと考えている。でも、朝倉選手のように人を日本に送り込んで、相手を調べたり、プライベートを調べたり、そういうことには一切興味はないよ。彼の日本での人気についても全く興味はない」と言い切った。

　そんなシェイドゥラエフの闘うモチベーションは、両親の存在だ。冬場の平均気温が0度を下回る厳しい山岳地帯の母国で、無事の帰国を願っている。

「両親は僕にとって言葉にできないほどの大事な存在なんだ。すごく尊敬している。この試合を無事に終わらせて（両親に何をするかは）時が来た時にまた改めて説明するよ」と柔らかい笑顔で明かした。

　リングでの怪物ぶりと異なり、心優しい素顔も見せた25歳。母国に勝利を届けるためすでに集中を高めていた。