【RIZIN】「人生をかける」絶対王者に挑戦のノジモフ、30分の会見で明かした貧困の過去「選択肢がなかった」
格闘技イベント「Yogibo presents RIZIN師走の超強者祭り」(31日・さいたまスーパーアリーナ)の試合前記者会見が29日、都内で行われた。ライト級タイトルマッチで王者 ホベルト・サトシ・ソウザ(36=ボンサイ柔術)に挑戦する、イルホム・ノジモフ(30=ウズベキスタン)は、30分に及んだ会見で「私にとって人生をかけた戦い」とベルト奪取へ覚悟を明かした。

17歳の少年時代「非常に厳しい生活だった」
格闘技イベント「Yogibo presents RIZIN師走の超強者祭り」(31日・さいたまスーパーアリーナ)の試合前記者会見が29日、都内で行われた。ライト級タイトルマッチで王者 ホベルト・サトシ・ソウザ(36=ボンサイ柔術)に挑戦する、イルホム・ノジモフ(30=ウズベキスタン)は、30分に及んだ会見で「私にとって人生をかけた戦い」とベルト奪取へ覚悟を明かした。
落ち着いた表情で会見場に現れたノジモフ。「新しいチャンピオンになったような、そんな気分さえ自分はしています。私のキャリアにとって、そして人生にとっても非常に大事な試合になる」と現在の率直な心境を明かした。
急転直下のタイトル挑戦となった。今月9日に大みそか参戦が発表され、いったんは“ブラックパンサー”ベイノアとの対戦が決定。しかし、18日に当初の挑戦者だった野村駿太の負傷欠場が決まり、代役としてノジモフが選ばれた。
「皆さんにとっては驚きだったかもしれないですが、私にとっては全く驚きではありませんでした。いつも頭の中では、自分はチャンピオンと対戦するんだということを想像しながら準備をしてきた、私にとって人生をかけた戦いです」と明かした。
23年11月のRIZIN初参戦から3連勝中。6月の新居すぐる戦では衝撃的なKO勝利を挙げたが、その後の大会への参戦は実現せず、SNS上で懸命のアピールが続いていた。会見では自身の過去について明かした。
「私がデビューしたのは17歳の時でした。10年前は、私がスポーツの世界で自分のキャリアを築いていこうと決めたころでした。その頃は、非常に厳しい生活の中に置かれていた。ロシアから移民として行かなければならない状況でしたし、両親は市場で働いていて、私もそれを手伝っていたりしました。ただ、そういう生活の中でもいつも、ここは自分がいるべき場所ではないと思っていました。いつかこの状況を脱却して、自分のキャリアを築きたい、自分の場所を見つけたいと考えていました。私が信念を持てたのがこのスポーツでした。移民という立場では、荷物を運ぶポーターや市場で働く職業しか選択肢がありませんでした。私は、このスポーツの世界で生きていくんだと信じていた、そういう時代でした」
少年時代は、かつて日本に存在した格闘技イベント「PRIDE」に憧れを持っていた。
「さいたまスーパーアリーナというのは、私にとって聖地。大みそかに行われたこれまでの試合を全てチェックし直しました。ヒョードルやミルコ・クロコップの伝説的な試合もここで行われた。私もこのアリーナでチャンピオンになるんだ」
突如訪れた人生最大のビッグチャンス。30分に渡って報道陣に、自身の全てをさらけだした。相手は絶対王者のサトシだが、「ウズベク人は、歴史的に見てもさまざまな戦いを経てきたという経緯があります。遺伝子レベルでその強い性質が受け継がれていると思います」と母国にベルトを持ち帰るため、覚悟を決めていた。
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