大みそかに放送される『第76回NHK紅白歌合戦』（午後7時20分）のリハーサルが28日、東京・渋谷のNHKホールで行われた。白組として出場するシンガー・ソングライターの布施明は取材会に出席し、本番への意気込みを語った。

　布施は2009年に紅白歌合戦を“勇退”したが、デビュー60周年を迎えた今年、16年ぶり通算26回目の出場を果たす。本番では代表曲の一つである『MY WAY』を披露する。

　久々の舞台に向け、布施は「今年、60周年という節目を迎えてコンサートを行ってきました。5月に日本武道館でファイナルを終えてホッとしていたところ、紅白歌合戦のお話をいただきました。60周年の区切りとして最高なのではないかと思い、やらせていただくことになりました」と経緯を語った。

　16年ぶりの紅白については、「16年前に『若い人たちに席を譲ろう』と言って席を譲ったはずなのに、若い人たちから『席を譲るから』と言われて……」とユーモアたっぷりに明かし、会場の笑いを誘った。

　60年もの間、活躍し続けてきた秘訣を問われると、「秘けつなんていうものは全くありません。今でも誰かに学ぶというのをずっとやっております。一歩でも半歩でも前に進むには勉強が絶対に必要」と思いを伝えた。

　12月18日には78歳の誕生日を迎えたばかり。「こんなに長く歌うとは思いませんでしたが、60年歌ってきても、一度としてパーフェクトに歌えたコンサートはないんです。なんとか1回ぐらい『上手く歌えた』と思えるように、半歩でも一歩でも進みたい」と飽くなき向上心をのぞかせた。

　今年を象徴する漢字一文字には「努力の『努』です。私だけでなく、みんな努力をしたと思います。それがうまくいったかどうかはわかりませんが、努力したことが無駄になることは絶対にありません」と力を込めた。

　テーマは「つなぐ、つながる、大みそか。」。今年の司会は俳優の綾瀬はるか、今田美桜、タレントの有吉弘行、同局の鈴木奈穂子アナウンサーが務める。