外国人客の食べ方にあ然 つけ麺を「いきなり…」 職人が目撃 おもてなしの誓い「もっと広めたい」
インバウンドが過去最高規模になる中で、海外客がラーメン店の前で行列を作る光景がよく見かけられる。日本の国民食は、もはや世界の人気グルメだ。こだわりの味を世界の人に楽しんでもらおうと、外国語メニューを充実させるなど、おもてなしに躍起。SNSの口コミで外国人客の客数がアップするなど、売り上げの恩恵を受けているという。ラーメンとつけ麺を提供する専門店の男性店長は「『日本ってよかったな』と思っていただけるように、最良のサービスを心がけています」と胸を張る。一方で、外国人客が「え、なんでこんな……」と驚がくする“ハプニング”も。最新事情を聞いた。

「いきなりつけ汁に、麺の半分ぐらいを入れる方も」
インバウンドが過去最高規模になる中で、海外客がラーメン店の前で行列を作る光景がよく見かけられる。日本の国民食は、もはや世界の人気グルメだ。こだわりの味を世界の人に楽しんでもらおうと、外国語メニューを充実させるなど、おもてなしに躍起。SNSの口コミで外国人客の客数がアップするなど、売り上げの恩恵を受けているという。ラーメンとつけ麺を提供する専門店の男性店長は「『日本ってよかったな』と思っていただけるように、最良のサービスを心がけています」と胸を張る。一方で、外国人客が「え、なんでこんな……」と驚がくする“ハプニング”も。最新事情を聞いた。
ラーメン業界で働き始めて14年の石田皓さん。地元・博多の老舗とんこつラーメン店で修業して店長を任された経験を持ち、現在は「株式会社エムシス」(仙台市)ラーメン部門で、つけ麺がメインの「もちだや」店長を務め、姉妹店でラーメンが主力の「水原製麺」の運営、新規店舗の立ち上げや他企業との飲食コラボイベントにも積極的に取り組んでいる。
東北の大都市・仙台であっても、東京のように外国人客の行列は見受けないというが、「外国人のお客様は年々増えていっているという印象です」。アジアから欧米まで世界から海外客が訪れる。そのため、メニュー表記は英語・中国語・韓国語を用意。日本旅行が人生にとって「最高の思い出」になるよう、できる限りの接客に努めている。
石田さんが店長を務める「もちだや」は、ラーメンのメニューも取りそろえているが、主力はつけ麺だ。外国人客の反応は興味深いものがあるという。「実際に提供されると、戸惑う方が多いです」。つけ麺は基本的に、冷たい麺と温かいつけ汁が別々に提供されるスタイル。熱い麺とスープをすするラーメンとは異なるため、“未知の体験”にびっくりしてしまう客もいるとのことだ。
「外国のお客様にとって、冷たい麺はあまりなじみがないみたいです。『これをこのスープにつけるの?』『え、なんでこんなふうに食べるの?』といったリアクションで、驚かれることも多いです。『もうどうせなら、麺を入れちゃえよ』みたいなことになります。それで、いきなりつけ汁に、麺の半分ぐらいを入れる方もいらっしゃいます」。“型破り”な食べ方を実際に目撃したという。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2025年の1月から11月までの訪日外客数は3906万人超で、通年で最多だった24年の約3687万人を上回り、過去最高を記録。空前の来日ブームが続く中で、日本の飲食店は、日本の食文化を世界に広げる最前線に立っているとも言える。「つけ麺は、世界的にまだまだ認知度が低いと思っています。もっと広めていきたいですね」。つけ麺の食べ方を説明するメニューはまだ外国語表記がないため、今後検討していくとのことだ。

「気軽にいつでも食べられる。それがラーメンの魅力」
海外客のユニークな行動。過去には、こんなエピソードもあるという。別の店で目の当たりにした出来事だ。「スーパーで買ってきたすしを持ち込んで、とんこつラーメンと一緒に食べている方がいました。おすしと一緒に楽しみたい気持ちは分かりますが、なんか自由だな、と思いました(笑)」。
ウエルカムの外国人観光客。ただ、現場ではちょっぴり悩ましいこともあるという。「来日した外国のお客様からすると、ラーメンを食べること自体が、楽しみにしていたイベントみたいな感じになっていると思います。入店から退店までがちょっと長いかなと……」。写真や動画を撮影し、ゆっくりと楽しむ。喜んでもらえることはありがたいが、座席数には限りがある。経営側からすると、混んでいる時間帯では、1人の客の滞在時間が長くなると、回転率の低下という影響が出てしまうこともあるという。「もちろん、うちの店での食事が人生の思い出になってほしいので、僕らは精いっぱいのパフォーマンスで接客をさせていただいています」と強調する。
さらに、SNSの拡散が新たな客を呼ぶ好循環も生まれている。「中国のお客様が『おいしいよ』と、口コミを書いてくださったことがあって、その投稿を見て、別の中国人のお客様に来ていただいたことがありました」。競争激しいラーメン業界で、海外客は大きな力になると確信している。
伝えたいのは、食の喜びだ。若き“ラーメン職人”として、「ラーメン・つけ麺というものは、そんなに敷居が高くない食べ物だと思っています。子どもから大人まで、気軽にいつでも食べられる。それが魅力だと思っています」。より多くの来店客に、おいしさを届けること。熱い思いを持って、今日も一杯を作り続ける。
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