アイドルグループ・Peel the Apple（通称ぴるあぽ）の春海りおと広島世那は、12月30日にKT Zepp Yokohamaで開催される年末スペシャルライブをもってグループを卒業する。2026年から新体制となるのに伴い、新メンバーオーディションを開催することも決定した。“りおせなコンビ”に、グループの未来を託すメンバーたちへの思いを聞いた。（取材・文＝小田智史）

○浅原凜（静岡県出身／スカイブルー担当／愛称：りんちゃん）

広島世那（以下、広島）「新体制になってミーティングでリーダー発表があった時、運営さんが凜ちゃんの名前を言って、センターもやっているから（負担が）大丈夫かなという心配があって。でも、今その2つの大きな役割をこなしてくれていて、本当にすごいなと思う」

春海りお（以下、春海）「普段のりんは、結構ほわほわしていてマイペース。でも、2人でレッスン前に話した時、『ここ頑張ってるんだ』『自分が鏡になるような行動をできるように気をつけてるから、練習しなきゃ』と言っていて、それを行動に移せていることには尊敬しかないです。今までそういう思いをきちんと聞いたことがなくて、リーダーをしてるりんを見ているだけだったから、『すごく考えてるんだな』と改めて感じた」

広島「変わらず“うっかりんぴ”ではあるけど（笑）」

春海「5年半一緒にいて、たくさん遊んだし、たくさん話したし、思い出が山ほどある。りんの強い部分とほわほわな部分、ちゃんと切り替えられていて、隣で見ていてすごく学ぶところも多かった。リーダーもセンターも大変だと思うけど、りんならきっとできると思うので、これからも応援してる！」

広島「ぴるあぽはメンバー一人ひとり個性が強くて、性格も多様だから、まとめるはすごく大変だろうなと思うなかで、りんちゃんのやり方で引っ張っていってくれているし、その背中を見て頑張ろうと思ったことも何回もあった。また体制が変わるけど、りんちゃんは本当に先輩としてかっこいいと思うので、感謝の気持ち！」

○佐野心音（神奈川県出身／ハニーイエロー担当／愛称：ねち）

春海「ねちの家に行ったことがあるんだけど、ご家族が本当に仲良くて、ご両親はすごく陽気（笑）。みんなでトランプしたり、次の日もメンバーのことを連れて一緒に海に行ってくださったりして。そういう愛の中で育ったからこその今のねちなんだなと実感した思い出があって、すごくすてきだなと思った」

広島「私は、新大久保でりおちゃん、ねちちゃん、（山崎）れいなちゃんとチーズドッグを食べたのが思い出」

春海「それなの？　本当に（笑）」

広島「他にもいっぱい話したし、日常かられいなちゃんとの掛け合いとか面白い。でも、チーズドッグは鮮明に覚えてる。特別な何かがあったわけじゃないけど、珍しいメンツだったし、一緒に食べたなって（笑）」

春海「青春だね（笑）」

広島「ねちちゃんは、レッスンとかで率先して意見を出してくれる。加入したばかりでまだメンバーのことをあまり知らない時には厳格な人なのかなと思っていたけど、全然そんなことなくて。ちゃんと意見とか正しいことを言ってくれる時もあれば、プライベートではおちゃらけたりしているから、切り替えができる人だなって見てる」

春海「ねちが（Jリーグの横浜F・）マリノス関連のことを頑張っていたおかげで、私もマリノスさんのお仕事をできたり、非日常的な出来事を体験できたのが印象に残ってる。これからもマリノスさんのお仕事をして喜んでいるねちの姿を見たい！　ねちは陰の努力家だと思っているから、無理しすぎず、これからもパフォーマンスを楽しみにしてる」

広島「今りんちゃんがリーダーをやってくれているけど、ねちちゃんはそれを支えてくれている人。私は集団でいる時に発言するのが苦手だから、しっかりしていて、意見もちゃんと出せるところをすごく尊敬してる。これからりんちゃんがリーダーを続けてやっていくと思うけど、それを支えるすごく大きな存在でもあると思うから、これからもねちちゃんらしく、ぴるあぽを引っ張っていってほしい！」

○山崎玲奈（東京都出身／サンセットオレンジ担当／愛称：れいな・ざっきー）

広島「玲奈ちゃんは……いろいろありすぎて、もうよく分からない（笑）。でも、出会ったことがない人種すぎる（笑）」

春海「あんな子、本当にいないよね？」

広島「いない！　もっと世の中に存在が知れ渡ってほしいもん。言動も面白いんだけど……言葉で表せない。もう、実際に目で見てほしい！」

春海「本当にそれ！」

広島「本人はふざけてるつもりがないところも含めて天性の面白さだと思うし、それにいつもみんな笑わせてもらってる。今の楽屋とかも一番盛り上がるのは、れいなちゃんの話題（笑）。いつも場を明るくしてくれてる存在だよね」

春海「れいなは昔、本当に人見知りで、ぴるあぽになりたてのころは静かな子だったの。でも、ある日急に殻が割れて、徐々に今のれいなが出てきた（笑）。いつごろだったかな……」

広島「私が入った時、あんなじゃなかった（笑）。（2024年12月に）みちゃん（松村美月）とななこちゃん（黒嵜菜々子）が卒業して新体制になってからだと思う。ななこちゃんが楽屋の盛り上げ役だったから、そういう人がいなくなって出てきた感じかな」

春海「れいなは『どうやって育ってきたの』ってくらい、本当にピュア。だから、何にも染まらずにい続けて欲しい」

広島「れいなちゃんはいなくちゃいけない存在。プライベートなグループの空間も和ませてくれるから、そういう存在でい続けて欲しい」

○伊織ふう香（愛知県出身／ライムグリーン担当／愛称：ふうちゃん）

春海「関ケ原の遠征（関ケ原唄姫合戦）の時、メンバーのみんなは岐阜タンメンを食べに行ったけど、私は疲れすぎて1人でホテルに残ってたの。コンビニまでは車じゃないと行けない距離。『食べる物ないなあ、どうしよう』『タクシー呼べるのかな』とか考えてたら、ふうちゃんが『帰りが遅くなっちゃうかもしれないんですけど、何か買っていきましょうか？』と言ってくれて、『なんて気が利く子なんだ！』となった。真面目で、いい子で、周りが見えていて、私のことも気にかけてくれていたんだとうれしくなった。私のふうちゃんへの思いが増した日だった。『なんでもいい』って言ったら、牛丼を買ってきてくれた。本当においしくて沁みた（笑）」

広島「ふうちゃんは個人的に自分と重なる部分が多い。加入前に面接にきてくれた時、『誰かの活力になりたい』と話していて、私も全く同じことをオーディションで言ったから、そこからすでに似ているなと感じた。ふうちゃんは本当に真面目で、いろんなことを深く考えているし、周りも見えている。人として出来上がっているなと思う」

春海「この前、ふうちゃんと2人でご飯に行ったの。私と世那とふうちゃんは考え方が似ている気がする」

広島「ふうちゃんはきっと全部を自分で抱え込んでしまうと思うから、もっと周りを頼って欲しい。みんながきっと支えてくれる。少しだけ気を楽にして、頑張ってほしい」

春海「ふうちゃんの中には、『これだ！』と思うアイドル像が明確にあるはず。無理しすぎず、いつでも連絡してきて欲しい」

○佐藤涼風（神奈川県出身／ライラックパープル担当／愛称：すずちゃん）

広島「私が（今年7月に活動休止から）復帰した時、すずちゃんが絡んできて……」

春海「そうだ！　世那の活動休止期間に殻が破れたんだった（笑）」

広島「復帰したら知らない人がいた感じ（笑）。『仲良くなりたい』って言ってきて、怖かった（笑）。でも、すずちゃんは初めての人が相手だと全くしゃべらないし、別人みたいだから面白い」

春海「見たことがないレベルの人見知りだよね（笑）」

広島「私も人見知りだけど、もう比じゃない（笑）。れいなちゃんとの掛け合いは見ていて面白いし、アクティブだから感化されたこともある」

春海「すずちゃんはすごいプロフェッショナル。すずちゃんともご飯に行ったけど、普段の明るいおちゃらけた一面だけじゃなくて、実はちゃんと考えてる。何でもこなせてるように見えて、そこにはたぶん私たちの知らない努力があってこそだと思うから、これからもすずちゃんの輝いてる姿を見たい」

広島「すずちゃんは歌を引っ張ってくれていて、安心感がすごい。私が休んでいた時に、ほとんど私のパートを歌ってくれていたから頼もしいし、これからも歌で輝いてほしい！」

□春海りお（はるみ・りお）2004年3月27日、東京都出身。ザ・アイドルのルックスとキュートな声でファンの心を射抜く“かわいい番長”。見た目はおっとり系、内面は芯が通った責任感ある性格のギャップがまた魅力。3歳から乗馬をたしなみ、競馬のレース予想にも熱を入れている。中学・高校は料理部で、自炊はお手の物と家庭的な一面も持つ。身長154センチ。

□広島世那（ひろしま・せな）2005年3月25日、東京都出身。透き通るような高音で聴く者を虜にする歌唱メンの1人。歌もダンスも未経験ながら新メンバーオーディションを勝ち抜き、23年4月にアイドルになる“初めての夢”をかなえた。真面目かつ裏表のない性格で「毒舌」のクールキャラとして知られるが、実は緊張しい・気にしいで、誰よりも人思い。人気キャラのタキシードサムを溺愛する。身長158センチ。