Peel the Appleは「人生を変えてくれた場所」 春海りお×広島世那、アイドルとして過ごした日々への想い
アイドルグループ・Peel the Apple(通称ぴるあぽ)の春海りおと広島世那は、12月30日にKT Zepp Yokohamaで開催される年末スペシャルライブをもってグループを卒業する。グループに加入した時期こそ違えど、“りおせなコンビ”としてファンから愛された2人。ぴるあぽ人生で最も印象深い出来事、そしてグループへの思いを聞いた。

性格は真逆…でも気が合った“りおせな”コンビ
アイドルグループ・Peel the Apple(通称ぴるあぽ)の春海りおと広島世那は、12月30日にKT Zepp Yokohamaで開催される年末スペシャルライブをもってグループを卒業する。グループに加入した時期こそ違えど、“りおせなコンビ”としてファンから愛された2人。ぴるあぽ人生で最も印象深い出来事、そしてグループへの思いを聞いた。(取材・文=小田智史)
――春海さんはぴるあぽが結成された2020年7月からの初期メンバー、広島さんは新メンバーオーディションで23年4月に加入しました。年齢は1歳差、誕生日も同じ3月で2日違い。お互いの共通点はありますか?
広島世那(以下、広島)「正直、性格は真逆です(笑)。でも、価値観は結構似ている気がします」
春海りお(以下、春海)「これまでぴるあぽについてたくさん話してきたけど、意見が一緒になることが多いです」
――春海さんは昨年の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブに向けたインタビューで、「世那はすごく素直」「世那は生意気(笑)」と語っていました。後輩感があまりなく、「そのおかげですぐに仲良くなれた」と。
春海「世那はいい意味で、うそをつかない。『どう思う?』と聞いたことに対して、ちゃんと正直に返してくれるから、それが時に“生意気”と見えるんだと思います。『なんだこいつ!』みたいな(笑)。でも、正直な意見を聞きたい時に世那に聞いたら、客観的な正論が返ってくるから、本当にありがたいことだと思うように変わりました。世那に感銘を受けているんだけど、私、前より感情が表に出てる?」
広島「うーん。感情が出るタイプではないけど、ひらめきというか、思い立ったことをすぐ言葉にはするかな」
春海「そうかも。世那はSNSにも思ったことを気にせず書けるタイプ。私は上手く書けないけど、少しは思っていることを言えるようになったかな(笑)」

鮮明に記憶に残る「センター争奪戦」
――初期メンバーの春海さんが、ぴるあぽ人生で一番思い出深い出来事は?
春海「えー!? いっぱいありすぎて……。ぴるあぽが始動してすぐにセンター争奪戦(熱意[配信アプリでの獲得ポイント]、歌唱力[YouTubeの再生回数]、発信力[Xにポストした決意表明のリポストといいねの数]、集客力[オンラインサイン会の売上ポイント]、原石力[アイドル界に精通した代表7人がポイントを自由に振り分けて投票]を競う)があったんですが。今でもか鮮明に覚えています。今まで(オーディションを)戦ってきた仲間と、ようやく一つになれたと思ったら、『また戦うんだ。しかもセンターを競わなきゃいけないの?』って(苦笑)。今ぴるあぽで戦うのとは違う空気感があって、すごく過酷だと思いました。今だから言えるんですけど、私は原石力の投票までは1位だったんですよ。でも有識者の投票で全部ひっくり返って、初めて『芸能界って怖いな』と体感しました(笑)。それがあったから、強くなれたと今では思っています」
広島「私、その時はまだぴるあぽを見てない。まだアイドルすら目指してない……。でも、もし自分がやっていたらと思うと信じられない。すごい(苦笑)」
春海「そうだよ! 有識者で全部ひっくり返って……」
広島「本当に怖い!」
春海「『これが芸能界だ』って」
広島「私は新メンバーオーディションしか、そういう“戦い”を経験したことがないから」
――春海さんは、今年に入って新体制となり、「引っ張ってもらう立場から、初期メンバーとしてグループを守る立場に」という意識に変わったと話していました。
春海「世那が入ってきた時は正直、そこまで先輩になるという実感がありませんでした。自分より上にたくさんメンバーがいましたし、まだどこかで少し甘えていた自分がいた気がします。でも、世那の下にも後輩(伊織ふう香、佐藤涼風)が入ってくるとなったら、『いよいよ自分は先輩しなきゃ』と思って。しかも、(3月からの)大事なフリーライブツアーのタイミングで(『はぴらきえくすちぇんじ』の)センターを任せていただいたので、ぴるあぽのことを広めるチャンスだから本当に頑張らなきゃいけないと思って気合が入りました。あと、今年から歌割りが大きく変わって、去年の3倍ぐらいに増えたんです。それも『任されてるんだな』と感じて、結果に繋げられるように意識しました」
広島「りおちゃんの変化をすごく感じた!」
春海「えー! そうなの?」
広島「うん。入った時はみちゃん(松村美月)とか仕切ってくれるメンバーがいたから、『みんなで主力メンバーについていく』という感じだったけど、メンバーの入れ替えがあってからはすごく頼もしくなった(笑)。グループをちゃんと引っ張ってくれていると思う。りおちゃんは意外とちゃんと考えているから、意見もお互い交換し合ったりして、ちゃんと考えて行動してくれてるなって。あと、髪も切ったし!」
春海「そうだ、(4月に)髪切った! 2022年2月以来のボブ!」
広島「これはめちゃくちゃでかい!」
春海「たしかに! なんで切ったんだっけ?」
広島「各方面からアドバイスがあって」
春海「そうそう。ボブの方が目に留まって印象が残るし、みんな好きじゃないですか(笑)」
広島「にゃんにゃんキャラも確立して(笑)」
春海「にゃんにゃん頑張ったよ(笑)」
広島「去年までよりも今年はにゃんにゃんが強いと思った(笑)。にゃんにゃんでも引っ張ってくれた」
春海「(爆笑)」
広島「ぴるあぽにそういう系統の子がいないから(笑)」
春海「そうなの。サバサバ系、大人っぽい系、シャイだったりね」
広島「りおちゃんはそういう意味で目立ってくれてる(笑)」

「夢をかなえてくれた場所」に感謝
――広島さんがぴるあぽで一番印象深い出来事は?
広島「新メンバーオーディションが、人生で一番頑張ったなと思います。私、正直生きるのが上手くて(笑)。学校のテストも一夜漬けで頑張って乗り切ったり、何か一つのことを全力で頑張るってあまりしてこなかったんです。ぴるあぽのオーディションを受けるまでにいくつかオーディションを受けましたが、配信審査がなかったり、時間制限が設けられていました。でも、ぴるあぽは制限がないなかで順位を争う形でした。当時は高校3年生、周りはみんな遊んでいましたが、配信を1日8時間とか、それをほぼ毎日、1か月やり続けたので、人生で一番頑張りました」
春海「結構つらいよね(笑)」
広島「うん、つらい(苦笑)」
春海「1か月は結構長いし」
広島「1か月長かった(苦笑)」
春海「私、この前、世那のXの動画欄を見ていたの。そうしたら、オーディション時代の世那いて、ぴるあぽの曲を踊ってた(笑)。『偉いな』と思ったよ」
広島「やばい! 本当にやだ! 待って、すごく覚えてる!」
春海「覚えてる? 『アオハルスケッチ』。しかも全然できてない(笑)」
広島「やばい! 探そ! すごく記憶に残ってる。人生を懸けて頑張っていたから」
――2人にとって、「ぴるあぽ」とは?
広島「夢をかなえてくれた場所です。ぴるあぽで夢をかなえられたから見られた景色がたくさんあったし、人としても大きく成長できた場所でもあります。2年半、長いような短いような期間でしたが、本当にここでアイドルになれて良かったと思っていますし、選んでいただいてありがとうございますという気持ちも忘れていません。今までの気持ちを全部恩を返す意味でも、12月30日、ぴるあぽへの感謝を忘れずに卒業したいと思っています。人生を変えてくれた場所として、これからもずっと応援しています」
春海「私はニジマス(26時のマスカレイド)さんになりたいと思ってオーディションを受けました。ニジマスさんのメンバーになることはできませんでしたが、オーディション直後に新プロジェクトを立ち上げることを知って、『絶対にアイドルになりたい!』と参加を決めました。半年間のオーディションを受けていくなかで、一般人の自分にファンの方がついて応援してくださるのが本当にうれしかったんです。ここまで来て、『もうアイドルじゃない自分が想像できない』と、ぴるあぽになるという決断もすぐに踏み出せました。
私にとって、ぴるあぽは成長させてくれた場所。人が変わるくらい、この5年半で多くのことを学べました。一緒に頑張ってくれたメンバーやスタッフさんがいたから、今の自分がいるんだと実感していますし、ぴるあぽで初めてのアイドルをすることができて心から良かったと思います」
□春海りお(はるみ・りお)2004年3月27日、東京都出身。ザ・アイドルのルックスとキュートな声でファンの心を射抜く“かわいい番長”。見た目はおっとり系、内面は芯が通った責任感ある性格のギャップがまた魅力。3歳から乗馬をたしなみ、競馬のレース予想にも熱を入れている。中学・高校は料理部で、自炊はお手の物と家庭的な一面も持つ。身長154センチ。
□広島世那(ひろしま・せな)2005年3月25日、東京都出身。透き通るような高音で聴く者を虜にする歌唱メンの1人。歌もダンスも未経験ながら、約800人の中から新メンバーオーディションを勝ち抜き、23年4月にアイドルになる“初めての夢”をかなえた。真面目かつ裏表のない性格で「毒舌」のクールキャラとして知られるが、実は緊張しい・気にしいで、誰よりも人思い。人気キャラのタキシードサムを溺愛する。身長158センチ。
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