長期欠場を越えて飛躍へ、さくらあやがタッグ“さくらら”で掴んだ覚悟と自信の現在地
スターダムのさくらあやは、同期である玖麗さやかのとタッグ“さくらら”で『第15回 ゴッデス・オブ・スターダム ~タッグリーグ戦~』で優勝を果たした。その1か月前には、若手主体のブランド・NEW BLOODのタッグ王座も奪取。そのノリに乗っているさくららは、12.29両国国技館大会で、ゴッデス・オブ・スターダム王座に挑戦が決定している。インタビュー後編は、さくらがプロレスラーになってからのお話を。

他団体への参戦でプロレスへの意識が大きく変わった
スターダムのさくらあやは、同期である玖麗さやかのとタッグ“さくらら”で『第15回 ゴッデス・オブ・スターダム ~タッグリーグ戦~』で優勝を果たした。その1か月前には、若手主体のブランド・NEW BLOODのタッグ王座も奪取。そのノリに乗っているさくららは、12.29両国国技館大会で、ゴッデス・オブ・スターダム王座に挑戦が決定している。インタビュー後編は、さくらがプロレスラーになってからのお話を。(取材・文=橋場了吾)
さくらあやは、デビューして数か月後に腰の負傷により、8か月という長期欠場を経験している。
「人生で初めてのケガでしたね。空手でもアクションでも無傷だったので、私はケガしないんだろうなと思っていたんです。しかも、当時はそこまで覚悟を持ってプロレスを始めたわけではなかったので、大きなケガをしたら引退しようとて思っていたんですよ。でもそのタイミングで団体の体制が変わって、辞める・辞めないの話をたくさんしました。復帰がなかなか決まらない中、後楽園ホールの試合でセコンドについていたときに思い詰めて号泣してしまって、途中で帰ったこともあるくらいで。でも辞めなかったのは、岡田(太郎=スターダム社長)さんと、ミラノ(・コレクションAT=スターダムコーチ)さんの存在ですね。
たくさん自分の話を聴いてくれて、色々な提案をしてくれました。あと、ミラノさんとの練習を重ねていた練習生がどんどん上達していたので、ミラノさんにもっと練習に参加したいという要望したら快諾してくれて。練習生と一緒に受けたんですけど、腰をケガしているのでできないこともたくさんあって……でも、そういう状況でも自分にできることをどんどん提案してくださって、すごく楽しかったんですよね。練習生がオリジナルの技を教わっているのを見ていると、私もこうしたいなとふと前向きに考えている自分がいたんです。もう一回、プロレスをしっかりやりたいなと。なので、(今があるのは)岡田さん、ミラノさんのおかげですね」
そこからさくらのプロレスへの熱は上がり続け、2025年は大躍進の年に。まず3月に他団体の至宝であるセンダイガールズワールドジュニア王者を奪取(約5か月保持)した。
「2024年3月、私がケガから復帰したときには(同期の)HANAKO、(八神)蘭奈、玖麗がどんどん評価されていて、どうしても自分がみんなよりワンランク下にいる気がしていたんです。(私は)人気があるわけでもないですし、めちゃくちゃ試合がいいわけでもないですし、自分の存在意義ってなんだろうとすごく考えた時期ですね。その時期に『じゃじゃ馬トーナメント』(仙女主催の若手が参加するトーナメント、さくらは決勝でChi Chiに敗退)にエントリーされて、スターダムで順番待ちをしているぐらいなら、絶対ここでチャンスを掴んでやるみたいな気持ちでいました。当時のスターダムは他団体との交流があまりなかったので、他団体の同期たちに出会ってびっくりしたんです。こんなにいい選手がたくさんいたんだと。Chi ChiやZONESはエボ女(プロレスリングEvolution)の看板を背負っていますし、私は“箱入り娘”だったなと。それからですね、自分の意識が変わったのは」

コズエンはファンのことが大好きで大事にしていきたいという気持ちの強いユニット
その後、10月に玖麗さやかとの“さくらら”でNEW BLOODタッグ王座を奪取、11月にはGODDESSES OF STARDOM優勝を果たした。その“さくらら”(さくらが命名)の相棒である玖麗さやかは、さくらそしてさくららのことをどう思っているのか。
「ライバルだという気持ちはもちろんあるんですけど、今はすごく頼もしいタッグパートナーだと思っていて。同期ではあるんですが、私が入門したときにはもうさくらさんのデビューが決まっていたんですよ。なので“先輩”という意識が強いんです。考え方もさくらさんは大人なので、お姉ちゃんみたいな気分もありつつ、ライバル意識もありつつ、ですね。(さくららは)新世代のタッグとして、ゴッデスを優勝して一歩出たところにいると思いますし、そのままもう誰も追いつけないぐらい突き進んで、『スターダムのタッグといえばさくらら』と言われるところまで行きたいですね。個人としては3月にシンデレラ(トーナメント)を獲ったのに、結果が出ていないことに対して辛い思いもしたんですけど、さくらさんとお互い補い合えますし、両国までこの勢いのまま行って、来年はさくららイヤーにします」
さくらがNEW BLOODタッグ王座を奪取した際に初公開したのが、ブルーミング・ドリーム。相手の背後に回り、右手で相手の右手首を、左手で相手の左手首をクラッチし、ジャーマン・スープレックスのように投げ切って3カウントを奪った。
「ジャーマンはずっと使っていて、ミラノさんと練習しているときに『このクラッチはどうですか?』と言われたのがきっかけです。5歳から空手の道場でブリッジや逆立ちをたくさんやっていたので、そこでブリッジの基礎ができていたのかなと思います。しっかり持ち上げて高いブリッジをしないとうまく投げられないので、初公開で崩れてしまうくらいなら他の技をもっと極めた方がいいのかなと思ったこともあるんですが、出すタイミングとしてはここしかないと思って。さくららって存在が、(中野)たむさんとつながっているというか……たむさんもトワイライト・ドリームという技を使っていたので、この名前にしました」
12.29両国国技館大会。上谷沙弥が東京プロレス大賞MVPを獲得、フワちゃんの再デビュー戦など注目カードが揃う中、BMI2000(刀羅ナツコ&琉悪夏)が持つゴッデス・オブ・スターダム王座にさくららで挑戦することが決定している。
「(BMI2000の記者会見ボイコットは)コズエンは本当にファンのことが大好きで、大事にしていきたいという気持ちの強いユニットにいるからこそ、そんなことを平気でする二人が許せなかったですし、スターダムのタッグの象徴であるゴッデスを巻いてほしくないと思いました。(12.24後楽園で)ゆなもんさん(水森由菜)がハイスピードに挑戦して、(安納)サオリさんは両国で赤(ワールド・オブ・スターダム王座)に挑戦しますし。なつぽいさんも(Sareeeとの)大事な試合がありますよね。コズミック・エンジェルス皆が勝って、私たちもゴッデスのベルトを巻いて年を越したいと思います」
あなたの“気になる”を教えてください