シェイドゥラエフから「結婚式来てくれ」 JOY、朝倉未来戦に複雑な心境「どっちを応援すれば…」
タレントのJOYは現在、“男性版RIZINアンバサダー”を目指して活躍をみせている。RIZIN公式YouTubeチャンネルのコンテンツやABEMA関連番組に多く出演しているが、実は25年来の格闘技ファン。妻でモデルのわたなべ麻衣を萩原京平ファンに染めてしまうほどの熱量を持っている。しかし、いま大みそか大会に向けては頭を抱えている。友人となったシェイドゥラエフか番組共演のある朝倉未来か、どちらを応援すればいいか分からないからだ。話題にもなったキルギスロケの裏側やお金をためて現地観戦したK-1の思い出など格闘技愛を語りつくした。

朝倉未来vsシェイドゥラエフに怯える日々「何も悪いことしてないのに」
タレントのJOYは現在、“男性版RIZINアンバサダー”を目指して活躍をみせている。RIZIN公式YouTubeチャンネルのコンテンツやABEMA関連番組に多く出演しているが、実は25年来の格闘技ファン。妻でモデルのわたなべ麻衣を萩原京平ファンに染めてしまうほどの熱量を持っている。しかし、いま大みそか大会に向けては頭を抱えている。友人となったシェイドゥラエフか番組共演のある朝倉未来か、どちらを応援すればいいか分からないからだ。話題にもなったキルギスロケの裏側やお金をためて現地観戦したK-1の思い出など格闘技愛を語りつくした。(取材・文=島田将斗)
大みそかの対戦カード発表以降、JOYのSNSにはファンからのコメントが殺到しているという。フェザー級タイトル戦のラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)対朝倉未来についてだ。
「僕、(朝倉)未来くんとも番組『Nontitle』でレギュラー一緒にやってるんで……これなんかすごい難しくて。『どっち応援するんですか?』みたいなコメントが結構来るようになってて」
一方で、RIZIN公式YouTubeの企画でキルギスへ飛び、シェイドゥラエフの密着ロケを行った。現地での交流を経て「シェイちゃん」と呼ぶ仲になり、「結婚式も来てくれ」「大みそかは一番近くの席で応援してくれ」と懇願されている。
「シェイが勝ってめっちゃ喜ぶのも、未来君のファンからしたら『いやお前どういうこと?』ってなるし。未来くんが勝って喜ぶのも『いや友達なんだろ』みたいな人も出てくるし。めちゃくちゃ複雑なカードになってて。何も悪いことしてないのに、いまから炎上しそうな気がしてます(笑)」
冗談めかして笑うが、少し引きつっているようにも見える。「未来くんのファン……アサシンも熱いですからね」と警戒しつつ、「どっちが勝ってもどういうリアクションしていいのか分からないとだけ先に言っておきます」とあえて口にした。

1泊4日のキルギスロケで見せた本気
そもそも、なぜRIZIN関係の仕事が増えたのか。きっかけは“令和らしい”とも言えるSNSだった。
「元々、格闘ファンに変な絡まれ方をして、僕はそれにキレて言い返したんです。それを見ていたRIZIN運営が『あ、格闘技好きなんですね』ってオファーをくれたんですよ。だからなんか、もめるのも悪くねえんだなってその時思いました(笑)」
ファンの「タレントいらないでしょ」の気持ちも理解できる。自身も格闘技を見ていて、そう感じることがあったからだ。それでも地道な活動と体を張ったロケで「何ができるのか」を見せ信頼を勝ち取ってきた。特に厳しいファンをうならせたのが、1泊4日の強行軍で行われたキルギスロケだ。実はあの時、代償があった。
「いきなり組まれて投げられて。普段運動していない40歳がいきなりファイターと組まされて……全部しんどかったですけど、ああいう環境で平然と練習してる彼らを見て、そりゃ強いよなって思いました」
“名誉の負傷”をしてまでもロケを完遂させた。その本気度はファンだけでなく、関係者にも画面越しで伝わっていた。

格闘技愛は決して「にわか」とは呼べないレベルだ。初めて出会ったのは中学時代。K-1ブームをけん引した魔裟斗だ。高校卒業後にはモデルやアパレル店員として稼いだお金を格闘技観戦につぎ込んだ。
「周りは服にお金使ってたけど、俺はたまにあるK-1の『いい席で見たいから』って。あの頃のヘビー級は現地で見てたんですよ。バダ・ハリがレミー・ボンヤスキーの頭踏んだのとかも現地で見ました(笑)」
いまでも語り継がれる名勝負を生で目にしてきたが、いまでも悔やまれる一戦がある。魔裟斗対ブアカーオだ。
「ちょうど魔裟斗さんがブアカーオからダウン取った時に、買ってきたたこ焼きにソースかけてて、その瞬間ちょうど見てなくて。『え? ダウン取ったの?』って顔上げる瞬間が映像に残ってるんですよ。『なんであの試合でたこ焼き食ってたんだ』って話なんですけど(笑)」
いまではその熱を、2019年に結婚した妻・わたなべに伝えている。当初は全く興味がなかったが、現在は一緒にPPVで観戦するまでになった。萩原が展開するアパレルブランドのキャップを自慢気に見せながらこう語った。
「僕が昔の面白い試合とかドキュメンタリーを見せたんですよ。そうしたら魔裟斗・KID戦を見てはまってくれて。妻は萩原(京平)選手のファンで、ファンクラブにも入ってて、投げ銭とかしてました(笑)」
なぜ、格闘技とは離れたところにいたわたなべをハマらせることができたのか。JOYはこう分析する。
「平本(蓮)選手との試合へのストーリーを見せて。あの試合の萩原選手、バシッと倒してマイクもかっこよかったじゃないですか。多分そこのストーリーと、色気みたいな部分に惚れたんじゃないですかね。試合だけじゃなくてそこが伝わると、格闘技興味なかった人にも響くんだなって」
最後にタレント視点でバラエティー番組で活躍できそうなRIZINファイターについて聞くと、「うーん」と悩みつつ、意外な名前を挙げた。
「『この人が日本人だったら』って思うのは(ダニー)サバテロですね。あんな面白い選手いなくないですか?(笑)。佐藤将光選手に会ったことなくて『生まれた時からお前を恨んできた』なんて。腹がちぎれるかと思いました(笑)」
ドッキリ番組に適しているのは梅野源治だという。梅野は皇治との一戦で判定結果に「やばいだろ!」と不満をあらわにし話題に。「やばいだろ!」は「YAVAYだろ!」に変わり、ネットミームのようになった。運営からいじられるほか、サッカー界にも波及している。
「梅野選手の怒っている顔を見たいじゃないですか。ドッキリを受けて『なんだんだこれは!』『やばいだろ!』でもう成立するんで、活躍すると思います」
そして最後に挙げたのは白川陸斗。「ものすごいバーッとしゃべりますよね。僕も会った感じ、すごくいじりやすい。気を遣わずいじらせてくれる格闘家って少ないんですよ。そういう意味で白川選手はすごい」と解説した。
JOYならではバラエティー視点で語りつつも、根底にあるのはファイターへの最大級のリスペクトだ。
「極端なこと言えば、命がかかってる。そこに人生をかけてる男たちのリングっていうのは、他のスポーツにはない面白さがあります。我々はファイターの『死ぬ覚悟』って言葉を聞き慣れちゃってますけど、本当のことだし、そこは忘れちゃいけない。なおさら選手に対してはリスペクトを持たなければいけないなと思います」
アンチとの喧嘩から始まり、キルギスでは文字通り、体を張って格闘技の魅力を伝えた。『命を懸けた戦い』の重みを誰よりも理解するJOYを「にわか」と呼ぶ者はいないだろう。
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