綾野剛、観客に「変な男でしたよね?」と問いかけ 共演した咲耶と田中麗奈は「パワーが強くて」
俳優の綾野剛、咲耶、田中麗奈、荒井晴彦監督が19日、映画『星と月は天の穴』の公開記念舞台あいさつに登壇。作品の見どころや撮影秘話などについて語った。

映画『星と月は天の穴』公開記念舞台あいさつ
俳優の綾野剛、咲耶、田中麗奈、荒井晴彦監督が19日、映画『星と月は天の穴』の公開記念舞台あいさつに登壇。作品の見どころや撮影秘話などについて語った。
映画『火口のふたり』や『花腐し』などで知られる荒井監督が、吉行淳之介さんによる芸術選奨文部大臣賞受賞作となった同名小説を映画化した本作。主演の綾野が、妻に逃げられ結婚に失敗して以来、独身のまま40代を迎えていた小説家・矢添克二を演じ、心に空いた穴を埋めるように娼婦・千枝子(田中麗奈)と時折体を交えながら、捨てられた過去を引きずってやり過ごしていく中で、偶然出会った大学生の瀬川紀子(咲耶)と奇妙な関係を続けるうちに心にも変化がもたらされていく、というストーリーだ。
公開初日を迎えたこの日は、主演の綾野らが登壇して舞台あいさつ。多くの観客を前にした綾野は「初日に来ていただいて大変感謝しております」と感謝の言葉を口にし、観客に「変な男でしたよね(笑)」と投げ掛けて苦笑いを浮かべていた。続けて「撮影は2024年の上半期だったと思うんですが、文学的な要素や哲学が一見ありそうですが、普通に文学コメディーを感じているので、そういった人を軽やかに観てもらえたらという思いがありました。思ったより観やすいなと思ってもらえたらうれしいです」と観客に訴えた。
演じた矢添克二というキャラクターについては「(原作に比べて)もっと直接的ですよね。サーモンの赤身を見て欲情を覚えたりするので、ロマンチストと言ったら変ですが、想像力豊かですよ。結果、ああなったというか、セリフが強いから特別なことしなくていいという感じでした。タバコの吸い方に違和感があるというか、絶妙さというか、男性たる単純さではない複雑さが反復すればいいなと思いました」と明かしていた。
また、共演した田中と咲耶とのそれぞれのシーンにも言及。「言葉では形容しがたいんですが、本能的なものを反射させていただけたかなと思います。お2人のパワーが強くて豊かだったので、緊張しながら見落とさないようにやってましたね」と振り返った。
年の瀬ということで残り10日ちょっととなった2025年も回顧。綾野は「健康第一にというか、役に身体を預けるので、そのための母体としてのいい状態、鮮度の高さは改めて向き合っていかないといけないというか、感覚で押しきれない。今まで培ってきた経験や出会いで形成されて補っていくというか、そういうことを考えた一年でした」と振り返り、来年は「改めて今に集中していく。遠くを見るチャンスもあるし、想像力も膨らみますが、たった一歩目の今の瞬間が大事だなと改めて思いました。それに対して肉体的にも精神的にも鍛錬していきたいと思います」と意欲を見せていた。
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