危険すぎた『仮面ライダー』最終フォーム 結果に「見たくなかった」の声も

石ノ森章太郎氏が原作を描いた『仮面ライダー』シリーズでは、物語が進むと強敵が現れるため、対抗するために各ライダーの最終形態である最終フォームが登場する。その姿は格好良くて魅力的だが、強さに比例して大きなリスクを背負うことになる。今回は危険すぎた『仮面ライダー』最終フォームを見ていこう。

仮面ライダー剣【写真:産経新聞社】
仮面ライダー剣【写真:産経新聞社】

仮面ライダーが怪人になってしまうかもしれない最終フォーム

 石ノ森章太郎氏が原作を描いた『仮面ライダー』シリーズでは、物語が進むと強敵が現れるため、対抗するために各ライダーの最終形態である最終フォームが登場する。その姿は格好良くて魅力的だが、強さに比例して大きなリスクを背負うことになる。今回は危険すぎた『仮面ライダー』最終フォームを見ていこう。

 最初は平成ライダーシリーズ1作目として2000年に放送された『仮面ライダークウガ』だ。とある遺跡で封印されていた怪人「未確認生命体」が目覚めて物語は始まる。未確認生命体の襲撃に巻き込まれた主人公の五代雄介(演:オダギリジョー)は、遺跡で発掘されたベルトを装着しクウガに変身して戦う。

 戦闘種族の未確認生命体と戦っていくなか、クウガは最終フォームである「凄まじき戦士」へと変貌を遂げる。この状態となったクウガは、物質の原子や分子を操って発火させる「超自然発火能力」を有している。しかし、圧倒的な力にはリスクが伴い、優しい心をなくして未確認生命体のような戦闘狂になってしまう可能性もあったのだ。だが五代はやさしい心を失うことなく、ラスボスのン・ダグバ・ゼバを葬り去り冒険へと旅立ったのだ。

 次は「仮面ライダー」がヒーローではなく職業として描かれた04年放送の『仮面ライダー剣(ブレイド)』だ。本作では、不死生命体・アンデッドの封印が解かれて人を襲うため、仮面ライダーが給与を得ながら戦っていく。人類の脅威であるアンデッドはトランプのスペード、ダイヤ、ハート、クラブに準えて4つの種族に分かれ、それぞれエースからキングまで13体ずつ存在する。

 主人公の剣崎一真(演:椿隆之)はブレイドに変身して倒したアンデッドをカードに封印していき、13枚目のカードを使用して最終フォーム「キングフォーム」になった。通常は1枚のカードでアンデッド1体の力を使えるが、剣崎はアンデッドとの融合度合いが高いため「キングフォーム」では13枚に宿るアンデッドすべてと融合した。このことで、パンチやキック力の増加と、厚さ3メートルの鋼鉄を粉砕したりミサイルの爆撃にも耐えたりする重厚な装備を誇るようになった。

 ところが、剣崎はアンデッドとの融合度合いが高すぎるがゆえに、変身を繰り返すたびに彼の体は人間ではないアンデッドへと変わっていた。最終決戦後は人外の存在となった末、どこかへ消えるという結末を迎えることになる。

 最後は22年に劇場版が公開された、10年放送の『仮面ライダーオーズ/OOO』だ。主人公の火野映司(演:渡部秀)が仮面ライダーオーズとして、欲望から生まれた怪人・グリードと戦う物語。オーズは動物の力を宿すコアメダルを使って変身し、頭部にタカ、腕部にトラ、脚部にバッタで構成する「タトバコンボ」を基本とした100以上のフォームが存在している。そんなオーズの最終フォームとして挙げるのは恐竜をモチーフにした、プテラ、トリケラ、ティラノによる「プトティラコンボ」である。

 プトティラコンボには恐竜の力が宿っており、翼からの冷気で周囲を凍結させる能力を持ち、グリードの核であるコアメダルをも破壊するのだ。しかし、火野が恐竜の力を抑えきれずに暴走したり、変身を重ねてグリード化したりする危険があり、32話では仲間の伊達さんを攻撃する展開になってしまった。しかし、火野は仲間の助けに恵まれ、最終的に人間の形に戻り、放浪の旅へ出て物語は終結する。

 ハイリスクな最終フォームに、視聴者からは「仮面ライダーが暴走するところは見たくなかった」「怪人化なんて危険だ」などと、心配する声があがっている。それでも彼らが最終フォームで強敵と戦う姿にはファンから「仮面ライダーの覚悟が感じられた」という声も少なくない。

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