東李苑が歩むアイドル→占い師の異色キャリア「数字はうそをつかない」 目指すは“スピイメージの払拭”

元SKE48で現在はタレントとして活動する東李苑が占い師としての道を本格的に歩み始めた。これまでも実際に仕事として相談者を占うこともあったが、この夏からはウェブメディアで占いをテーマにした連載コラムを執筆するなど活動の幅を広げている。アイドルから占い師という異色の道を歩む29歳にその真意を聞いた。

インタビューに応じた東李苑【写真:増田美咲】
インタビューに応じた東李苑【写真:増田美咲】

占いとの出会いで変化した“人間関係の悩み”

 元SKE48で現在はタレントとして活動する東李苑が占い師としての道を本格的に歩み始めた。これまでも実際に仕事として相談者を占うこともあったが、この夏からはウェブメディアで占いをテーマにした連載コラムを執筆するなど活動の幅を広げている。アイドルから占い師という異色の道を歩む29歳にその真意を聞いた。(取材・文=中村彰洋)

 2012年にSKE48の第6期生オーディションに合格し、13年2月28日に正式お披露目された東は、わずか44日で正規メンバーとしてチームEへの昇格を決めた。この記録は25年10月現在でも48グループ史上最短。大きな期待を背負いながら、アイドル活動に打ち込んでいたが、17年3月末に約4年間と決して長くはないタイミングでの卒業を決めた。

 その後、地元・北海道に戻った東。明確な目標を持たぬまま、地元でのタレント活動を再開したが、収録での出会いが運命を変えた。

「22歳の時にテレビでご一緒させてもらった占い師さんに惚れ込んでしまったんです。抽象的ではなく、具体的に言い当ててくださる方で、『この人面白い!』って。『この人に占いを習ってみたい』と弟子入りしました(笑)」

 弟子入りとはいっても、授業料を払って講座を受講。さまざまな占術を知っていく中で、東が魅力を感じたのが「数秘術」だった。数秘術は、個人の生年月日や名前を使い、定められた計算方法によって「誕生数」や「未来数」を導き出し、その人の性格、才能、運命、人生の課題や相性などを読み解く占術だ。

「いろんな占いがありますが、その根源になっているのが数秘術とも言われていて(諸説あり)、人生マップを教えてくれるんです。一生変わらない基盤のようなもので、たとえ同じ数を持っていても、その人の性格や経験によって現れ方はさまざまです。いろんな人を占っていく中でさまざまなパターンを知って、自分の中で“李苑統計”を作ってきたようなイメージです」

 幼少期からテレビや雑誌の占いに一喜一憂していた東。これまでにも思い悩んだタイミングで占ってもらうこともあったという。

「答え合わせをしに行く感覚でした。私にとって悩む時って大体答えが出ているんですよ。でも悩みたい時期なんですよね。そういう時に自分が好きな占い師さんのところに行って、『ですよね!』って背中を押してもらいたいんですよ(笑)」

 一方で、多忙を極めたアイドル時代は占いに行く機会も少なかったようで、「もっとはやく数秘術と出会いたかった」とも明かす。「占いに頼るほど時間がなくて、現役時代に数秘術に出会っていたら、もっとメンバー間とのいざこざみたいなものもうまくやれていたんだろうなと思います」。

 数秘術はその人の名前と生年月日さえ分かれば、占うことができる。これによって人間関係がスムーズになったとも語る。

「人間関係に悩まなくなりました。血液型やMBTIみたいにタイプを知る感覚で、数秘術もその一つなんです。数秘術でその人の傾向を知ることで、『この人はこういう考え方だから分かり合えないのも自然なんだな』と受け止められるようになったんです」

占いへの思いを語った東李苑【写真:増田美咲】
占いへの思いを語った東李苑【写真:増田美咲】

数秘術は「統計学」…スピリチュアルイメージを「払拭したい」

 数年間勉強を重ねて、23年からは実際に“占い師”として仕事するようになっていった。

「占いは資格がなくてもできてしまう仕事なので、それでお金をもらうことに抵抗があって、とても悩みました。自分の中で自信がなかったんだと思います。でも、占いを通して人に元気を与えられるのであれば、やってみたいと思ったんです。私は友人から相談を受けることも多くて、『李苑に言われると説得力もあるし、励みになる』と言ってもらえたこともありました。自分の感覚や経験に加えて、数秘術というツールがあることで、言葉により深みや説得力が生まれるんだろうなと思いました。

 誰かを楽にしてあげたいという気持ちが大きいです。『元気になってほしい』『少しでも気持ちが軽くなってほしい』って。そういったことを考えた時に、『占いを通して人を支える道を選ぼう』と思うようになりました」

 実際にたくさんの相談者を占っていく中で、どんどんと魅力にハマっていった。

「その人のことを知らないはずなのに、数字に沿って話をしていくだけで、ぴったりと当てはまることが多いんです。その人の内面を少し理解できた気がしますし、相手も『なんで私のことをそんなに知ってるの?』と心の距離が近くなっていくんです。ファンの方も来てくださいますが、これまで表面的につながっていた関係から、1人の人として向き合えるようになりました。

 人間味のある悩みを聞けた時には、とてもご縁を感じます。『数字はうそをつかないな』とも思いますし、『この数字の人にこんなパターンがあったのか』と学ぶ時もあります。打ち解けていって、いろんな話をしてくださるのもうれしいですし、やっていて楽しさを感じる瞬間です」

 一見するとスピリチュアルなイメージもある占いだが、東は「そのイメージを払拭したい」とも意気込む。

「占いというものを、自分や他人を知るための1つの道具として理解してくれる人が増えればいいなと思っています。『東がスピに染まった』と言う人もいるかもしれませんが、数秘術は根拠のない占いではなく、数字をもとに人の傾向を体系的に読み解ける、統計学的な発想にも通じる占いなんだと伝えたいです」

 今後は元アイドルの占い師という異色の歩みを武器に、占いをより身近な存在へと変えていく。

「この年齢でタレントから占い師になった人もなかなかいないと思います。アイドルのセカンドキャリアとして、こんな道もあるんだということを、背中で示していきたいです。私がやるからこそ、占いに対するハードルが下がって、興味を持ってくださる方もいると思うので、もっと身近で前向きなものとして占いを広めていけたらと思っています」

□東李苑(あずま・りおん)1996年11月13日、北海道出身。2013年2月にSKE48第6期生としてお披露目。17年3月にグループを卒業した。卒業後は北海道に戻り、18年からは道内でタレントとして活動。23年2月からはディープスキルに所属し、東京を中心に活動を続けている。プライベートでは23年8月にインフルエンサー・ひよとの結婚を発表した。23年からは占い師としても活動中。25年6月には自身の会社を設立。12月13日にはYouTubeチャンネル『東李苑チャンネル【数秘術・経営者顧問・夫婦】』を開設した。

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