俳優の竹内涼真と町田啓太が17日、都内で行われたダブル主演のNetflix映画『10DANCE』（12月18日配信）の配信記念イベントに出席した。それぞれが、同作で挑戦した社交ダンスへの浅からぬ思いを語った。

　同作は、井上佐藤氏の同名漫画を原作とする実写ボーイズラブ映画。ラテンダンス日本チャンピオンの鈴木信也（すずき・しんや、竹内）と、スタンダード（ボールルームダンス）の日本チャンピオンで世界2位の杉木信也（すぎきしんや、町田）が、ラテン・スタンダード10種目が対象のダンスコンテスト「10ダンス」を目指す様を描く。

　2人は今回、社交ダンス初挑戦。かつてプロダンサーの道を目指していた町田は、オファーを受けた当時を振り返って「おっしゃるとおり、かなり前にプロのダンサーの道を諦めた人間だった。なので、その気持ち、消化しきれなかった思いを、『もしかしたらこれで消化できるかもしれない』と、別に後ろ向きに思っていないですけど前に向ける可能性がたくさんあるから、こういう人がやることによって、見る方も『ちょっといいかも』、『自分もがんばってみよう』とくすぶっているものに何かポッと灯ってくれたらいいなとも思った。最終的には自分のためにやろうと決めて参加しました」と語った。

　とはいえ、今回の撮影で自身のダンス経験は「全部意味ないです」と即答。「何も意味をなさなかったです。全て（笑）。もう、絶望しました。本当に違います」と言い、世界のトップダンサーが出場する大会を共演陣で視察しに行って「いや～。絶望ですよ。『これを僕たちはやるのか？』と」と苦笑い。

　竹内も笑い、視察後にレストランに行ったと説明して「暗かったよね（笑）。『いや～（笑）』しか出てこなかった」と述懐。町田も「でも同じくらい、期待というか、興奮もあった。『これをやれたら、何かすごいことが起きるかもしれない』と、興奮と絶望が入り混じっていた」と振り返った。

　オファーを悩んだという竹内は「決めたのが、ちょうど僕が31歳の誕生日を迎える前後だった。32歳になるまでに『この1年間を捧げてみようかな』という気持ちと、絶対に厳しい戦いになって、相当なリスクを背負わなきゃいけないだろうし、本当に人生を賭けて、自分の体をのすべてを賭けて臨まないと成功しないんだろうなというのが、企画書を読んだ瞬間にわかった」と回顧。自身の後に町田の出演が決まって「まず『よし！』と思った。町田くんしかいないと思った」と胸中を明かした。

　同イベントには、大友啓史監督も出席した。