覆面作家・雨穴、封印してきた“王道小説”でBillboard書籍チャート初代王者 「一番つらい」と本音吐露
覆面ホラー作家でYouTuberの雨穴が16日、都内で行われた「Billboard JAPAN Book Charts」授賞式に出席。同チャートの“JAPAN Book Hot 100”で最新作『変な地図』が第1位を獲得し、歴史に残る快挙を成し遂げた喜びを語った。

「Billboard JAPAN Book Charts」授賞式
覆面ホラー作家でYouTuberの雨穴が16日、都内で行われた「Billboard JAPAN Book Charts」授賞式に出席。同チャートの“JAPAN Book Hot 100”で最新作『変な地図』が第1位を獲得し、歴史に残る快挙を成し遂げた喜びを語った。
歴代の“相棒”は50台超…ベレット、キャデラック、クラウン クラシックカーを乗り継いだ大物ミュージシャンの愛車遍歴(JAF Mate Onlineへ)
「Billboard JAPAN Book Charts」は、ビルボードジャパン(阪神コンテンツリンク)が11月6日よりスタートした、紙書籍・電子書籍・図書館貸出を統合した日本初の総合書籍チャート。第1週目(集計期間:10月27日~11月2日)の“JAPAN Book Hot 100”において、雨穴の最新作『変な地図』(双葉社)が歴史に残る第1位を獲得した。
『変な地図』は、『変な家』『変な絵』に続く“変なシリーズ”の集大成となる最新作。10月の発売から1か月で「70万部突破」の“2025年後半No.1ベストセラー”となっている。今作は、雨穴作品でおなじみ大学生の栗原さんが、亡くなった祖母が所持していた“何かがおかしい古地図”の謎を解き明かしていく。
授賞式に登場するなり、いきなりボイスチェンジャーを使って、「えーこんにちは。この度は、寒い中お越しいただきましてありがとうございます。私ですね、黒一色のいで立ちで普段やっているんですが、今日はトロフィーをいただけるということで滑って落とさないように百均で売っている滑り止めが付いた手袋をしてまいりました。がっしりといただきたいと思います」と場を和ませた。関係者から記念碑を手渡されると、「私、こんな見た目と声をしておりますが、一応小説家です。他にも色んな仕事をしていますが、ここでは小説家として立たせています。米澤穂信さんと同業者です」と笑いを誘った。
過去3作品については「断言しますが、100%読者のために書きました」と語った雨穴。「この本を選んでくださったお客様に楽しんでいただくことを目標に、自分のエゴや表現欲求は封印し、滅私奉公のつもりで執筆してきました。日々生きているとつらいことや大変なことは山ほどありますが、雨穴の本を読む時だけは物語に没入していただけたら、それが何よりの幸せです」と説明した。
一方、最新作は、これまでとは異なるアプローチを取ったという。「もちろん読者に楽しんでいただくのは大前提です。ただ今回は30%ほど、初めて自分のために書きました。その30%のエゴとは、一言で言えば“王道小説”です。実は私、ずっと王道小説を書いてみたかったんです。こんな格好をしている私が何を言っているんだと思われるかもしれませんが、王道やオーソドックスなものが大好きなんです。でも、自分に求められているのは王道よりも邪道、変化球やキワモノだと理解していました。だから王道小説を書きたいという気持ちは長らく胸にしまい込み、これまではキワモノを全うしてきたんです」と語り、今回の決断は「ただ、執筆前から強く感じていたんです。この作品は自分にとって集大成になるだろうと。だから今回初めて、ずっと書きたかった王道小説を書かせていただこうと決心しました」と明かした。
最新作の完成は10か月以上もかかったといい、「王道は一番つらいなと思いましたね、志村けんさんは偉大だと思いましたよ。今までの3作品のホラー作品としての世界観を維持しつつ、そこに王道的な物語を加えさせることに悪戦苦闘しました」と振り返り、今回の受賞に「もちろん私だけの力ではありません。応戦してくださった皆さん、私の小説を待ってくださった皆さんにいただいた1位だと思います。皆さんの1位です」とファンに感謝していた。
あなたの“気になる”を教えてください