『ふてほど』続編で“初の女性総理”設定に込めた思い 「予言の書」クドカン脚本にP驚き「逆に怖い」

俳優の阿部サダヲが主演を務めるTBS系スペシャルドラマ『新年早々 不適切にもほどがある! ~真面目な話、しちゃダメですか?~』が、2026年1月4日午後9時より放送される。同局で24年1月期に放送された金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』の続編にあたる今作について、このたび磯山晶プロデューサーがインタビューに応じた。続編の舞台裏や、現実にも起こった女性総理誕生というドラマ設定を取り入れた理由を聞いた。

都議会議員・平じゅん子を演じる江口のりこ【写真:(C)TBS】
都議会議員・平じゅん子を演じる江口のりこ【写真:(C)TBS】

来年1・4放送 映画や連ドラではなく新春SPの理由とは

 俳優の阿部サダヲが主演を務めるTBS系スペシャルドラマ『新年早々 不適切にもほどがある! ~真面目な話、しちゃダメですか?~』が、2026年1月4日午後9時より放送される。同局で24年1月期に放送された金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』の続編にあたる今作について、このたび磯山晶プロデューサーがインタビューに応じた。続編の舞台裏や、現実にも起こった女性総理誕生というドラマ設定を取り入れた理由を聞いた。

『不適切にもほどがある!』は、昭和の体育教師・小川市郎(阿部)が1986年から令和の時代へタイムスリップし、“不適切”な発言を連発しながら令和の人々に気づきを与えていく、脚本・宮藤官九郎氏による意識低い系タイムスリップコメディー。

 スペシャルドラマは連続ドラマのその後が舞台。タイムトンネルで未来にも過去にも行けるようになった市郎が、娘・純子(河合優実)の未来を変えるために再び立ち上がり、各時代で人々をかき回していく姿が描かれる。

 略称『ふてほど』は「新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれ、数々の賞を受賞するなど大きな話題となった。そんな話題作の続編が新年のスペシャルドラマという形式になったことについて、「宮藤さんとも『続編はどうしますか?』みたいな話をずっとしている中で、私たちにとってはあくまで“お茶の間で見るもの”で、映画化ではないかなって(笑)。家族で感想を言いながら見られるものがいいな、というイメージがありました。連ドラを1クールやるというのはスケジュール的にも難しいので、だったら単発ドラマですねということで、お正月に向いているし、ゆるい気持ちで見ていただきたい!と思ってこの時間帯に決まりました」と経緯を明かした。

 また、続編を制作するにあたって、磯山氏は宮藤氏と打ち合わせを重ねる中で「未来の日本はどうなっているか」を考えたといい、「『おそらく日本にも女性総理は誕生している』という話になりました。そこで、初の女性総理が誕生するにあたって、昨今のキャンセルカルチャーを考えると、何らかのスキャンダルが発覚すればその総理の座も危うくなるという話になりました。そこに市郎が絡むような騒動になると、ドラマとしても面白いかも」と、本作のメインストーリーが出来上がったと振り返った。

昭和の体育教師・小川市郎を演じる阿部サダヲ【写真:(C)TBS】
昭和の体育教師・小川市郎を演じる阿部サダヲ【写真:(C)TBS】

江口のりこを絶賛「こんな政治家がいてくれたら」

 本作のテーマとなる問いは「真面目な話しちゃダメですか?」。磯山氏は「日本人は真面目な議論とか波風が立つ論争を避けて、今後の人間関係に影響しちゃうんじゃないかと思って、自分の意見を抑えがちなところがありますよね。宮藤さんとも話す中で、みんなもっと自分の意見を言った方がもっといいアイデアが浮かぶし、自分の国の将来について普通に語ってもいいんじゃないっていう思いがありました」とその真意について説明した。

 そんな女性総理誕生をめぐる本作だが、現実の日本でもついに初の女性総理として高市早苗首相が誕生した。もっとも、本作の撮影の方が現実よりも先だったとして「通常のスケジュールだったら高市総理誕生より早く出せたのにっていうのは、ちょっとした悔しさはあります。ただ、結果としては現実に追い抜かれちゃいました(笑)」と苦笑した。

 また、現実を先取りした脚本について「宮藤さんが近未来を描く時、脚本で書いたことが現実でも起こることはよくあるんですよ(笑)。今までもいろいろあって、予言の書とか言われていますけど、逆に怖いなと思っています」と宮藤氏の先見性に驚きを語った。

 そして、本作で未来の女性総理となる都議会議員・平じゅん子を演じるのは江口のりこ。起用にあたって「本当に江口さんしかいないという気持ちでオファーしました」と明かし、「女性の政治家をやってもらいたい女優さんの中でも抜群の存在だと思っていました。頼もしさがあって嘘がなさそうで、話していても切れ味が鋭そうとか、それでいて実は優しそう。そういうイメージを全部含めて江口さんしかいないと思っていました」と、女性総理役として唯一無二の存在だったとした。

 その上で、本作では連ドラでもおなじみのミュージカルシーンもあるため、「歌も踊りもあって準備が大変ですし、体を張っていただくシーンもすごく多くて申し訳なかったんですが、すごく楽しんでやってくださって、終わった後に『楽しかった』と言ってくださったのがうれしかったですね」と感謝しつつ、「やっぱり阿部さんとの掛け合いがすごくテンポがいいので、本当にこんな政治家がいてくれたらいいのになって思います」と絶賛した。

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