「新品未開封」うたい悪質転売…老舗シュトーレン、1万円落札も 店が異例の声明「お控えいただきたい」
クリスマスの伝統菓子・シュトーレンの自社商品がフリマサイトに出品されているとして、老舗洋菓子店が注意を呼びかけている。定価を大きく上回る落札も確認されており、「お買い物をお控えいただきたい」と強く訴えている。

個人転売、保存状態も不明…店側が困惑と強い警告
クリスマスの伝統菓子・シュトーレンの自社商品がフリマサイトに出品されているとして、老舗洋菓子店が注意を呼びかけている。定価を大きく上回る落札も確認されており、「お買い物をお控えいただきたい」と強く訴えている。
注意喚起を行ったのは、1884年創業の老舗洋菓子店・近江屋洋菓子店。12月11日、Xの公式アカウントで「シュトーレン等の近江屋洋菓子店のお菓子がフリマサイトの出品が数点確認できております。近江屋洋菓子店のお菓子は店舗と公式オンラインショップでのみ販売しております。他サイトでご購入いただくと商品の品質がお約束できません。ご購入頂かぬよう何卒宜しくお願い致します」と投稿し、転売品を決して購入しないよう呼びかけた。
店が作った焼き菓子を個人がフリマアプリで転売するという事態に、ネット上では批判が噴出。「売る方も買う方も信じられん!」「適切な保存されてるわけがない」「そもそもフリマアプリで食べ物買うって神経があり得ないわ」「中に何仕込まれてても分からんやん」「口に入るもんと衛生用品はちゃんと公式、正規のルートが安全」など、懸念や怒りの声が相次いだ。
シュトーレンは、クリスマスに向けて毎日少しずつ食べることを前提に作られる焼き菓子で、水分が少なく長期保存が可能だ。この特性を悪用した悪質な転売とみられる。
同店によると、シュトーレンの転売を確認したのは今年が初めて。フリマサイトでは税込み6980円の商品が1万円で出品・落札される例もあり、明確に価格がつり上げられていた。
ENCOUNTが確認したところ、同社のシュトーレンは複数のアカウントから出品されていた。「新品未開封」「毎年大人気」「今年も完売」などと宣伝し、「20時までの購入は当日発送させていただきます」と代行業者を装うケースも見られたが、いずれも正規の販売ルートではない。
同店の担当者は、「おひとりさま2点限りの数量制限をつけておりました」と対策を講じていたことを明かしつつ、想定外の転売に困惑。「店舗と公式オンラインショップ以外でご購入いただきますと、商品の質がお約束できません。万が一何かおきますと大変ですので、弊社以外でのお買い求めをお控えいただきたいです」と注意を促している。
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