ピアノ界の改革者・ハラミちゃん、ツアー最終公演で再確認した「音楽は傷口ふさぐ薬」…パリ公演、47都道府県ツアーも発表
ポップスピアニストのハラミちゃんが7日、東京国際フォーラムホールAで「ハラミちゃん 全国ピアノツアー2025 THE FINAL!!」を開催した。「みんなの街に全世代楽しめる名曲をお届けする」をテーマに全国19都市21公演を展開し、約3万3000人を動員。最終公演となったこの日は、約5000人を前に歌手・夏川りみとのサプライズコラボも含め、約3時間で全62曲を演奏した。

3時間で62曲披露 夏川りみと涙のコラボも
ポップスピアニストのハラミちゃんが7日、東京国際フォーラムホールAで「ハラミちゃん 全国ピアノツアー2025 THE FINAL!!」を開催した。「みんなの街に全世代楽しめる名曲をお届けする」をテーマに全国19都市21公演を展開し、約3万3000人を動員。最終公演となったこの日は、約5000人を前に歌手・夏川りみとのサプライズコラボも含め、約3時間で全62曲を演奏した。
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定刻から13分遅れ、ハラミちゃんの声がホールにとどろいた。
「こんにちは~。ハラミちゃんで~す。ツアー21公演のファイナル。今日も名曲配達人として頑張ります。一緒に盛り上がりましょ~」
そして、ブルーとピンクの衣装で席に座り、オープニングの『ルージュの伝言』(松任谷由実)を軽やかに弾いてみせた。
早速、MCに入ったハラミちゃんは会場が満席で立ち見客もいることにと感謝をしつつ、「ふくらはぎ、大丈夫~」と心配。観客が和むと、恒例の観客世代チェックを開始した。「20代、30代の人~」などと質問し、下はピアノを習っている子どもたちを含めた10代以下、上は90代までを確認すると、「今日も全世代ということで、ありがとうございます」と声を弾ませた。
ハラミちゃんは国立音楽大を卒業後、会社員をへて、2019年にピアニストとしての活動を始めた。ストリートピアノ(公共のピアノ)を弾くなどし、YouTubeや動画配信アプリ「17LIVE」でその演奏力と対応力が話題になり、テレビ番組にも出演。フジテレビ系特番『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』のピアノ対決で2連覇(20年9月26日、21年1月30日)したことで、一気に一般的な知名度を高めた。以降、ワンマンライブの回数を増やした。その活動は他のピアニストにも大きな影響を与えている。
文字通り、ピアノ界の改革者。本人は「いや、いや」と謙そんしながらも、開演前の取材対応で言葉に力を込めた。
「以前は格式高いコンテストで結果を残してからコンサートをしたり、CDデビューする世界でした。でも、令和になってYouTubeやSNS発信で先にファンがついてコンサートをやっていくパターンのピアニストが、私を含めて増えていきました。それにはいろんなご意見があると思いますが、動画やプラットホーム出身のピアニストがピアノを身近なものにして、ピアノ人口を増やしていく時代になっていると思います。そして、私もその輪にい続けたいです」
そんな思いを込め、ハラミちゃんはこの日も観客とコミュニケーションを取りながら、次々と名曲を演奏。『SHAKE』(SMAP)、『怪獣の花唄』(Vaundy)、『夢をあきらめないで』(岡村孝子)、『Tomorrow never knows』(Mr.Children)、『アイノカタチ』(MISIA)などを披露。観客からのリクエスト曲を集めたメドレーも展開した。

中盤では今年2月、ハラミちゃんが沖縄県に足を運んでコラボした夏川も登場した。ハラミちゃんがストリートピアノを弾き、夏川が歌った動画は総再生回数2000万回を突破しているころから、ハラミちゃんが「今度はステージでご一緒しましょう」と声をかけ、初めて公演でのコラボが実現した。
ハラミちゃんが『涙そうそう』を弾き始めると、夏川が静かに登場した。長く歌い継がれる自身の代表曲を情感込めて歌い上げると、ハラミちゃんは感激。涙を流しながら「ありがとうございます」と言い、夏川と手を握り合った。
その後は『上を向いて歩こう』(坂本九)。世界でヒットした名曲ゆえに、ハラミちゃんはNHK『街角ピアノ』でこの曲を披露し、好評を得たことを明かした。そして、美しいピアノの音色と声色が合わさり、観客の心を震わせた。
夏川がステージを去った後、ハラミちゃんは自身のオリジナル曲『虹』をバンドバージョンで初演奏した。今回のツアーに向けて書き下ろした楽曲で、観客にとっては夏川の登場と同様にサプライズだった。
アンコールでは観客とともに体を動かす「ハラミ体操」で会場を一体化。全ての演奏を終えると、「みんなで一つになって最高でした。名曲配達人のハラミ、ただいまをもって全国21公演で名曲のお届けを完了しました」と言い、涙を流した。
そして、深く頭を下げた後に打ち明けた。
「今年は悩みことも多くて、自分が認められていないと思うこともありました。でも、ツアーでピアノを弾くと元気になります。今回、5000通のお手紙をいただき、その思いを受けて名曲を弾いてきました。やっぱり、音楽は傷口をふさぐ薬なんだなということも感じました」
ツアーを支えてくれたスタッフ、関係者への感謝も伝え、来年1月18日のフランス・パリでの単独公演、自身2回目となる全国47都道府県ツアーを来年4月から展開することも発表。最後に「以上、名曲配達人ハラミでした~」と叫び、約3時間のステージを完走した。
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