寺島しのぶ「最初で最後」の覚悟も中村獅童が「また引っ張り出す!」 夫婦役で2年ぶり歌舞伎座共演
歌舞伎俳優の中村獅童、市川中車、俳優の寺島しのぶ、梶原善らが3日、東京・中央区の歌舞伎座で行われた「十二月大歌舞伎『芝浜革財布』」の公開稽古と囲み取材に出席した。

稽古前に食事会も開催「出席率100%で6〜7時間」
歌舞伎俳優の中村獅童、市川中車、俳優の寺島しのぶ、梶原善らが3日、東京・中央区の歌舞伎座で行われた「十二月大歌舞伎『芝浜革財布』」の公開稽古と囲み取材に出席した。
12月の歌舞伎座では第二部で『芝浜革財布』を上演。同作は、落語家・三遊亭圓朝の人情噺による名作。大金の入った革財布を偶然拾った夫婦の情愛を描いた心温まる物語。江戸っ子気質の魚屋政五郎を獅童、しっかり者の政五郎の女房・おたつを寺島が勤める。2023年10月の『文七元結物語』に続き、歌舞伎座で再び夫婦役での共演を果たす。
あす4日から初日が開幕。獅童は「いつもやっている『芝浜』とちょっと違って、今回は寺島しのぶさんと梶原善さんにご出演いただいて、いろいろ梶原さんに(アイデアを)ご提案いただきました。我々はどうしても歌舞伎で『いつも見ている』『こうやらなきゃ』というのがあるんだけど、そこに新鮮な意見を言ってくださる」と語った。
通常はひと月の舞台が終わり、約4日間の稽古を挟んで次の月の舞台が始まるが、今回は半月かけて稽古を行ったという。「しのぶさんのお父さまの七代目(尾上)菊五郎兄さんが度々お稽古を見てくださった。今までと違うことをやるわけですから、まずはそこを突破しなきゃいけない。怒られたらまた考え直さないといけないわけですから。でもそこは『まあ、いいんじゃねえか』っておっしゃってくださいましたので、もう明日は思いっきりやりたいなと思います」と意気込んだ。
寺島が「2回目の歌舞伎座ということで、私の普段の職場ではございませんので、本当に『これが最初で最後だ』と思って、千穐楽までありがたい気持ちと謙虚な気持ちを忘れずに」と語ると、獅童がすぐさま「『最後』じゃないけどね。また引っ張り出すから!」とラブコール。夫婦役として2年ぶりの共演に獅童は、「前回『文七元結』をやらせていただいて、(寺島の)お父さまがしのぶちゃんに『今度は“芝浜”がいいんじゃないか』とおっしゃってくださいまして。それが実現しました」と、歌舞伎座での再共演は七代目菊五郎の提案だったと明かした。「その時に、『俺の通りじゃなくていいんだよ。せっかく獅童くんは外でも仕事をやっているんだから、外部の役者さんをゲストで呼ぶとか、とにかく友達が大事だ。面白くしてくれ』ということで。ちょっとプレッシャーだったんですけど、そこに手を加えて、善さんやしのぶさんのアイデアもいただきながらみんなで作りました」と語った。
寺島も「『文七元結』の千穐楽の日に実家に行った時に、父が『うーん。今度はまあ“芝浜”はできるかなぁ』って。『“芝浜”をやれ』とは言ってないんですが、『この2人だったらできるかな』みたいなことを言っていただいた」と振り返り、「そこで実現できたのはもう本当に夢のよう」と喜んだ。
中車は獅童がメンバーを食事に誘ってくれたと明かし、「獅童さんの声がけで、稽古に入る前に『食事会をしましょう』と。歌舞伎ではなかなかないことなので、ここにいる6人が全員集まりまして。出席率100%(笑)。6~7時間ずっと芝居の話で、『ここはこうしよう』『あそこはこうしよう』と話していました」と、稽古前から白熱していたという。
梶原は初めての歌舞伎座出演。「外部から派遣されてまいりました、梶原善と申します」と報道陣を笑わせると、「僕、今年で(役者人生)40年。初めて舞台に立ったのが19歳の時ですから。まさか歌舞伎座の舞台に役者として立てるとは思っていなかったので、ちょっとワクワクしています」と笑顔を見せた。
同作が財布を拾ったことから物語が始まることにちなみ、落とし物や忘れ物の経験について聞かれた獅童は、「僕はもうあまりにも落とし物が多すぎて、いつも家族に叱られています。海外旅行に行くと、必ず携帯電話を落とすんですよ。もう2、3回落としてますよ」と告白。一同は「えー!! うわー!!」と驚き、梶原は思わず「迷惑だなぁ……」とツッコんだ。
寺島が「私は忘れ物っていうか、物忘れですよね……。車まで行って『あらっ?』って。何かを忘れて、1回で行けるところが3往復しちゃう」と明かすと、全員が「わかるぅ~」と同意。梶原が「洗面所に行って、『え? 俺なんで洗面所に来た?』ってなって、また元に戻るんだよね。で、もう一回行ってみるんだよね」と語ると、中車は「僕も名前が出てこない。目は老眼で……」と続き、“老い自慢”で盛り上がった。
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