俳優の岸井ゆきの、宮沢氷魚が29日、都内で行われた映画『佐藤さんと佐藤さん』の公開記念舞台あいさつに、藤原さくら、三浦獠太、中島歩、天野千尋監督とともに登壇。撮影中のエピソードや夫婦役を演じた感想を語った。

　前作『ミセス・ノイズィ』で国内外の賞を受賞するなど注目を集める天野千尋監督が、夫婦をテーマに人間関係をとらえた監督オリジナルストーリーの本作。ダブル主演の岸井と宮沢が夫婦役を演じ、「トイレットペーパーないよ」から始まる夫婦喧嘩や夫婦間の“あるある”をリアルに描き出す。

　芯が強く明るい佐藤サチ役を演じた岸井。「私は夫婦生活や誰かと一緒に住む経験をしてなかったので、こんなに些細なことで噴火的な喧嘩になってしまうんだと思いました」と驚きがあったそうで、「人に聞いたら『こんなもんだよ』と言っていたし、映画が完成して『これはうちの家の話だ』と言ってくださる方がいて、人と人が一緒に生きるのはどれほど大変なことなのかと思い知らされた映画でした」と新たな発見があったという。

　サチの夫で、真面目でインドアなタモツを演じた宮沢は、「1回目にタモツを演じる気持ちで読んで、2回目は客観的に読みました。初めて読んだ時にめちゃくちゃわかるというポイントがあって、僕もタモツ派で、自分で溜め込んで爆発する経験があったので、タモツに共感できました」と共感。「これを岸井さんと演じる時にどういう化学反応が出るのかすごく楽しみで、早く確かめたかったです」と撮影前の心境を明かしていた。

　映画の感想として岸井は「どうすれば良かったのかなと。私はサチの気持ちでずっと演じていたので、観た時に『ごめんね』という気持ちが大きかったと思います。ただ、サチはサチでその時の最善を尽くしていたので、客観的には『ごめんね』と思いましたが、2人はこれで良いとは思っています」とコメント。

　一方の宮沢は「タモツは1人の時間だったり孤独の時間が多かったので、完成したものをみて初めてサチの人生や皆さんの人生を見て、もうちょっとそっちに気遣いだったりどういう悲しみがあったのか、タモツとして理解できていたら2人の関係はもしかしたら幸せのまま終わったと、色んな可能性を感じる時間でしたね」と語った。

　2025年も残り1か月ちょっと。登壇者への「今年中にやっておきたいことは？」という質問に、宮沢は「僕は雪が振っている中露天風呂に入りたいですね。年内に雪が降っているところがあれば、極寒の中で露天風呂に入りたいです」と、「サウナ」と回答した弟役の三浦に感化された様子。一方、岸井が「夜の海に行きたかったんです。夏から。でも行ってないので今年中には行ってみたいです」と答えると、中島が「危ないよ。だって泳ぐんでしょ？」と注意を促すも、岸井は「波を聞きたいんです！」と思いは変わらなかった。