国分太一の「答え合わせがしたい」に違和感 想像できるはず…処分該当の行為と被害者の気持ち【記者コラム】

解散したTOKIOの国分太一(51)が26日、代理人の菰田優弁護士とともに都内で会見した。国分が公の場に姿を現すのは、6月20日、過去にコンプライアンス上の問題行為が複数あったとして、日本テレビ系『ザ!鉄腕!DASH!!』(日曜午後7時)を降板になってからは初となった。国分は神妙な面持ちで謝罪の言葉を並べ、涙も浮かべた。一方で繰り返した「日本テレビさんと答え合わせをしたい」には、違和感を覚えざるを得なかった。

記者会見した国分太一【写真:ENCOUNT編集部】
記者会見した国分太一【写真:ENCOUNT編集部】

代理人とともに突然の記者会見

 解散したTOKIOの国分太一(51)が26日、代理人の菰田優弁護士とともに都内で会見した。国分が公の場に姿を現すのは、6月20日、過去にコンプライアンス上の問題行為が複数あったとして、日本テレビ系『ザ!鉄腕!DASH!!』(日曜午後7時)を降板になってからは初となった。国分は神妙な面持ちで謝罪の言葉を並べ、涙も浮かべた。一方で繰り返した「日本テレビさんと答え合わせをしたい」には、違和感を覚えざるを得なかった。(取材・文=柳田通斉)

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 突然の記者会見だった。問題発覚、番組降板から5か月。国分が沈黙を破った。メガネをかけ、やつれ、顔は青白い。謝罪の言葉は席から立って述べた。

「本日、私、国分太一にこのような機会をいただき感謝いたします。まず、傷つけてしまった当事者の皆さんに心からおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。そして、長年活動させていただきました日本テレビ、『ザ!鉄腕!DASH!!』の皆さんにご迷惑をかけたことを深くお詫び申し上げます」

 その後、番組降板、TOKIO解散、株式会社TOKIOの廃業などを振り返り、「数日間で全てを失い、心がついていけませんでした」と言った後、目を赤くして涙を浮かべた。その上で「日本テレビさんと答え合わせをしたい」と主張した。

 10月23日、国分は「コンプライアンス上の問題行為」を理由に自身を『ザ!鉄腕!DASH!!』を降板させた日本テレビの対応に瑕疵(かし)があったとし、日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済を申し立てている。その目的は「日本テレビと対立したいわけではなく、日本テレビの見解と自分のやったことの答え合わせをし、謝罪をしたいから」だという。

 一方でこの日、降板を告げられた状況をこう説明した。

「突然の聞き取りということでかなり動揺しました。ただ、この状況を残す必要があると思いスマホで録音しましたが、その場で削除をするように言われ、削除をしました。代わりにノートとペンを渡されましたが、動揺と緊張で書き留めることができませんでした。そして、その後に執行役員の方に降板を伝えられました」

 つまり、日本テレビ側は事前に国分の問題行動を把握。聞き取りで、「国分が認めた」と判断し、執行役員からの降板通告があったとイメージできる。国分自身も「認めた内容によって処分された」と想像がついたのではないか。その点を質問すると、国分は答えず、菰田氏が説明した。

「思い当たる部分と思い当たる内容のトータルの評価が分からないんです。相手方の事情とか、気持ちの認定をどうしていたのかが分からない。また、国分さんが思いもよらないことをしていたことも、認定しているかもしれない。なので、処分該当事実を示してほしいのです」

 問題行為の内容はこの日も明らかにされなかったが、国分は「今の自身の基準で自身の行動がコンプライアンス違反に当たるか」を聞かれ、こう回答した。

「菰田先生、他の弁護士さんにご意見をうかがいました。ハラスメントに該当し、得る行為というようなご意見をいただきましたので、反省を繰り返しているところであります」

 一方で、日本テレビ側は一貫して「プライバシー保護」の観点から、国分による問題行動の内容を明かしていない。この日の会見でも「被害者、された側は(答え合わせを)してほしくないのでは」の質問も出た。それについても国分は答えず、菰田氏が「その点も含めて(日本テレビに)聞いた上で、どこまで謝罪するのか、対外的に説明するのかを日本テレビさんと協議したい」と説明した。

 そして、最後に国分は番組降板後、外部専門家によるコンプライアンス研修を受けたと明かし、「今まで私は立場とその環境にあぐらをかいて、時代のアップデートをあまりしてこなかったということを痛感しています」と述べ、会見を終えた。その思いがあるなら、被害者の思いを想像し、自身の行為が「時代に合わない猛省すべきことだった」ととらえ、とどまらずに前に進むべきではないか。そう感じながら取材した約50分間の会見だった。

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