藤原竜也、初の村上春樹作品出演に“本音”でアピール「演劇なんてちっぽけなもの」「見たくなければ見なくても」
俳優の藤原竜也が25日、都内のフランス大使公邸で行われた舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の製作発表会見に登壇。初挑戦となる村上春樹作品出演へ向け、特別な思いを明かした。

舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』製作発表会見
俳優の藤原竜也が25日、都内のフランス大使公邸で行われた舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の製作発表会見に登壇。初挑戦となる村上春樹作品出演へ向け、特別な思いを明かした。
本作は、日本を代表する作家・村上春樹氏による同タイトルの長編小説を世界で初めて舞台化。“空間演出の魔術師”と評される演出振付家、フィリップ・ドゥクフレ氏が現実と虚構の世界を行き来する摩訶不思議な冒険譚を舞台上に描く。
初の村上春樹作品出演となる藤原は、東西の両天才が出会い創り出す世界、ハードボイルド・ワンダーランドの主人公“私”を演じる。1985年の東京を舞台に意識の核に思考回路を埋め込まれた私が、その回路に隠された秘密を探るため、地下世界から脱出するという役どころだ。
本作は、2026年1月10日から東京芸術劇場プレイハウスにて上演され、国内ツアー公演後にワールドツアーを予定している。日本から世界に発信される国際的プロジェクトの始動にあたり、「フランス・パリの公演というのも初めてのことなので、演出家のフィリップさんも大変なプレッシャーがあると思います」とコメント。「世界的な文学作品をフランスの方々にも受け入れられてもらえるような芝居を作っていきたい」と意気込みを語った。
今作について「何とも言えない世界観で、私と僕と影の2つの世界が同時に進行して、失ったものをひとつ求めていくという作品です」と説明。「これをなんとかフィリップさんの期待に応えて、必死に稽古をしていいものを作り上げていこうと思っています。稽古が始まったばかりでまだ試行錯誤しているのですが、フィリップさんが稽古初日におっしゃっていた『よい舞台にしたい』、そのひとつの目標に向かって、世界の人たちに届けられるいい芝居ができるよう頑張っていきたいです」と座長として思いを伝えた。
15歳で出合った村上作品に念願の出演。「村上さんの作品は、シェイクスピアとも違う、三島(由紀夫)さんとも違う、我々の細胞の何かを揺るがせてくれる、よみがえらせてくれる、目覚めさせてくれる文体で確かなものがあって、常にドキドキさせてくれた」と熱弁した。
この時代に本作を上演する意味を問われると、「世界にしっかりとこの作品、言葉を届けたいという思いではあるのですが、やる意味を問われれば、何とも言えないですけど……」と苦笑い。「この座組でこの戯曲を届けたい。あまりむずかしいことは言えないのですが、演劇なんてちっぽけなものですから。ただ頑張って作っているんです。見ても見なくてもいいと思うんです。見たくなければ見なくてもいいし、でも見てちょっとでも心が動けばそれでいいと思う。だから『是非、劇場に来てください』とは言いません」と本音を伝えると、フィリップ氏「まさにその通りです」と賛同していた。
会見には、森田望智、池田成志、宮尾俊太郎、富田望生、駒木根葵汰、島村龍乃介、ドゥクフレ氏も出席した。
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