アイドル卒業から2年半 元HKT48渡部愛加里、見つけた“新たな自分”とチャレンジへの勇気

元HKT48でタレントの渡部愛加里が、1st写真集『シアワセ』(宝島社)を11月19日にリリースする。アイドル卒業から2年半、服飾専門学校を卒業して新たな一歩を踏み出す彼女に、写真集のこだわりを聞いた。

1st写真集『シアワセ』発売する渡部愛加里【写真:増田美咲】
1st写真集『シアワセ』発売する渡部愛加里【写真:増田美咲】

1st写真集『シアワセ』の撮影は思い出の地・福岡で実施

 元HKT48でタレントの渡部愛加里が、1st写真集『シアワセ』(宝島社)を11月19日にリリースする。アイドル卒業から2年半、服飾専門学校を卒業して新たな一歩を踏み出す彼女に、写真集のこだわりを聞いた。(取材・文=小田智史)

 2018年1月に開催された「第3回AKB48グループ ドラフト会議」で、3チーム競合となったなかで指原莉乃が交渉権を獲得してHKT48のメンバーとなった渡部。13歳でアイドルとして活動を始め、“次世代エース”と期待されて選抜も計5回経験したが、コロナ禍で思うように活動できなかった影響も大きく、2023年3月にHKT48を卒業した。

 以降は芸能事務所には所属していたが、学業に軸足を置き、今年3月に服飾専門学校を無事卒業。時を同じくして、1st写真集のオファーが届いた。「最初はうそだと思いました」。渡部は笑いながら、そう当時を振り返る。

「お話を聞いた時はびっくりしました。本当に話が進むのかなって。状況を飲み込むまでに時間がかかりましたけど、すごくワクワクしたので楽しみな気持ちでいっぱいでした。こうしてやっと本として形になって、『写真集だ!』という実感が湧きました」

 もともとアイドル好きで、アイドルが出す写真集を見て、「1冊丸々自分」の写真集に憧れを持っていたという。初めて手に取った写真集は、「48グループに入りたい!」と思わせてくれた元AKB48総監督・横山由依の1冊だった。

 そんな渡部が自身の写真集の撮影地に選んだのは、HKT48時代に過ごした福岡。「思い出がいっぱいある街で、また一つ思い出が増えてうれしいです」と語る。

「ずっと福岡に住んでいたんですけど、糸島や能古島(のこのしま)に行ったことがなかったので、このタイミングで初めて行けて、『こんなにすてきな場所があるのに、なんで住んでいた時に行かなかったんだろう』という気持ちにもなりました(笑)。能古島に行く時にフェリーに乗って新鮮な気持ちになったのと、(HKT48劇場に隣接していた)みずほPayPayドーム福岡とか、福岡の街がどんどん遠く、小さくなっていくのが楽しかったです」

HKT48加入当時は13歳だった【写真:増田美咲】
HKT48加入当時は13歳だった【写真:増田美咲】

21歳になり「私も大人になったな」と実感

 撮影はこれまで数々のアイドルの“新たな一面”を引き出してきた熊木優氏が担当。屋形船を楽しむ様子や屋台での食事シーンなど等身大の姿が感じられるカットや、普段は見せない大人っぽい表情から無邪気な姿、そしてランジェリーや水着にも初挑戦している。

「最初、ランジェリーや水着は緊張するかなと思って結構ドキドキしながら現場に行ったんですけど、雰囲気がすごく明るくて、温かい空気感だったので、自分が“素”でいやすい環境で全く緊張せずに楽しく撮影できました」

 HKT48加入当時は13歳だった少女も21歳となり、「私も大人になったな(笑)」と実感したという。

「中身とか性格はほとんど変わってないと思いますけど、数字の面では年齢を重ねた実感はありました。昔は私服とかでもロングスカートが多かったり、露出していない服ばかり着ていて、ミニスカートを履いていたらファンの方に『珍しいね』と言われるくらいでした。でも、それは恥ずかしいからではなくて、好みが気づいたらそうだったんです。だから、当時の私を知っているファンの方からしたら、今回の写真集は驚きだったかもしれません(笑)」

 アイドル時代、どんな時も笑顔で、明るいキャラクターだった渡部。今回の写真集で、“新たな自分”を見つけることができたという。

「HKT48では、かっこいい曲をやる時にキリっとした表情ができなくて悩んでいたこともありました。自分は周囲の人からしたら笑っている印象の方が強いと思っていたので、初めて見る自分に会えた気がしました。(ランジェリー姿で)ベッドに横たわっているシーンとか、今までだったら笑っているイメージの方が強かったんですけど、しっとりと大人っぽい表情で撮れたのが新しい自分なのかなって。今までそういう写真を撮ってこなかったので、違う人を見ているような、不思議な気持ちになりました。皆さんには、『こういう表情もできるんだ』と思っていただけたらうれしいです」

写真集を「ほぼ満点!」と自己評価【写真:増田美咲】
写真集を「ほぼ満点!」と自己評価【写真:増田美咲】

俳優業にも興味

 自身初の写真集を「ほぼ満点!」と自己評価した渡部。「今まで新しいことに挑戦するのが得意じゃなかったんです」と明かし、「写真集のおかげで、新たな挑戦をすることに対していい意味でハードルが下がった気がしています」と笑顔をのぞかせた。

「来年はもう少し新しいこと、まだやったことがない分野にチャレンジしたい。(俳優の)久間田琳加さんが大好きで、元乃木坂46の山下美月さんの演技にも目を奪われるので、演技とか挑戦してみたいですね。あとは、あまり言ってこなかったんですけど、いつかはモデルさんもやってみたいですし、しゃべるのも大好きなのでラジオのお仕事もしたい。これからもファンの皆さんに楽しんでもらえるように、自分から行動を起こして頑張りますので、ずっとそばにいて応援してくださったらうれしいです!」

 まだ21歳。渡部の目の前には、無限の可能性が広がっている。

□渡部愛加里(わたなべ・あかり)2004年10月18日、神奈川県出身。18年1月、「第3回AKB48グループ ドラフト会議」で指名を受け、同年11月にHKT48・チームHの所属が決定。さまざまな活動を経て、23年3月にグループを卒業した。今年1月の成人式では、会場での姿が地上波のニュース番組で抜かれ、大きな反響を呼んだ。趣味はファッション、アイドル鑑賞。

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