【ばけばけ】板垣李光人が語る三之丞の心境 お金受け取った後「ぐちゃぐちゃでした」

俳優・板垣李光人が雨清水三之丞を演じるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)について、母・タエ(北川景子)との関係性をどう捉えて演じているのか、また、実の姉ではあるが、松野家の養子となったトキ(高石あかり)からお金を受け取った後の三之丞の気持ちをどう考えて演じたかなどをコメントした。

雨清水三之丞を演じる板垣李光人【写真:(C)NHK】
雨清水三之丞を演じる板垣李光人【写真:(C)NHK】

雨清水家の三男・三之丞を熱演

 俳優・板垣李光人が雨清水三之丞を演じるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)について、母・タエ(北川景子)との関係性をどう捉えて演じているのか、また、実の姉ではあるが、松野家の養子となったトキ(高石あかり)からお金を受け取った後の三之丞の気持ちをどう考えて演じたかなどをコメントした。

『ばけばけ』では、この日までに三之丞とタエが生活に困窮し、タエが物乞いとなった姿が描かれ、三之丞は自身を社長として迎えてくれる仕事先を探していた。

 まず、母・タエとの関係性をどのように捉えて演じているのか。

「雨清水家は時代に翻弄された家族でした。もし違った時代であれば、もっと違った家族の形になっていたのだろうなと思います。北川さんとお話しした際に『この時代の三男とはいえ、子どもは子どもだから』とおっしゃっていました。時代の中ですれ違ってしまいましたが、やはりお互いがお互いに親子の愛情はあると思います。今後、より環境が大変になっていく中で、三之丞とタエとの間には、昔の状況のままだったら芽生えないような母と子のつながりが生まれていきます。そこには、松野家の家族のつながりとはまた違う魅力があると思います。

 三之丞は、母のタエから『人に使われるんじゃなくて人を使う仕事に就きなさい』と言われたとき、それをそのままかなえようとします。苦しい生活の中でも、母の期待に応えようと、母に喜んでもらおうと、この言葉を自分の中で大切にしていました。決してこの厳しい状況で母からその言葉を口酸っぱく言われていたとは考えられません。なぜならタエも母として、三之丞の気持ちも分かっているからです。お互いに本当の気持ちを知らぬままきっと、来たる雪解けを2人とも待っているのだと思います。雨清水家で育ってきて世間のことを知らないという面ももちろんあると思いますが、生きるか死ぬかという状況の中で、母からの言葉や願いというものを一心にかなえようとする姿が、彼の魅力として伝わっていけばいいなと思っています」

 トキからお金を受け取ったあとの三之丞の気持ちをどう考えて演じたのか。

「あの後の気持ちはぐちゃぐちゃでした。当時は大金であるこのお金で、今の状況が変わるかも、母も物乞いなどせずにいられるかもという微かな期待や高揚。自分の身内でもあるトキから施されるという情けなさや、それによってあらためて突きつけられる自分の無力さ。そして、そんな自分自身を恨めしく思う気持ち。とにかくドラマで描かれていない部分も、ずっと三之丞は葛藤していたでしょうし、きっとろくに眠れていないのだろうな、と想像していました。正しい使い方を見いだせぬまま、三之丞は咄嗟に母を守るため、そして雨清水家の尊厳を守るためにお金を使うという判断をしたのだと思います。第三者目線で見ると、そのお金の使い方?となるでしょうが、いざ自分が同じ状況に置かれると最も正しいであろう判断というのはできなくなりますよね」

 最後に、『ばけばけ』の見どころと視聴者へのメッセージもコメントした。

「このドラマは派手な出来事が起こるわけではありません。でもそこにリアリティーがある。映像も含めてライティングもリアルを切り取っているのを台本を読んだり、ドラマの映像を見て思いましたし、そこがこれまでの作品と違う新しい朝ドラなのじゃないかなと思います。ヒロインのトキもこれから波乱万丈な人生が待っていますが、雨清水家も本当に激動する大変な人生を歩んでいきます。この物語の中で三之丞とタエさんがどういう結末を迎えていくのか、僕自身も視聴者的な目線で楽しみにしていますので、皆さんも楽しみにしてください」

 作品は松江の没落士族の娘で、小泉八雲の妻・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描くオリジナルストーリー。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語をフィクションとして描く。俳優・高石あかりがヒロイン・松野トキを、トミー・バストウがレフカダ・ヘブンを演じる。

※高石あかりの「高」の正式表記ははしごだか

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