問題発覚で辞任した55歳フジ女性取締役、9.11同時テロで「逃げて!逃げて!」と叫んだ報道記者 キャラクターは「豪放磊落」
フジ・メディア・ホールディングス(FMH)とフジテレビは7日、両社の取締役である安田美智代氏(55)の同日付での辞任を発表した。理由は「一部不適切な経費精算の疑義が認められたため」としている。一連の問題後、両社は経営陣を刷新。改革のリーダーとして期待されていた安田氏は、かつては報道記者として有名な存在だった。フジテレビ社内の声を聞いた。

改革で取締役就任…2020年から不適切な経費精算
フジ・メディア・ホールディングス(FMH)とフジテレビは7日、両社の取締役である安田美智代氏(55)の同日付での辞任を発表した。理由は「一部不適切な経費精算の疑義が認められたため」としている。一連の問題後、両社は経営陣を刷新。改革のリーダーとして期待されていた安田氏は、かつては報道記者として有名な存在だった。フジテレビ社内の声を聞いた。
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昨年末に表面化した元タレント・中居正広氏と女性アナウンサーのトラブルに端を発し、フジテレビは大きく揺れた。経営陣は3月に刷新され、女性も役員に登用。その一人が安田氏で6月には、FMHの取締役にも就任していた。同氏を知るフジテレビ関係者は、安田氏のキャリアをこう説明した。
「入社して配属された報道局では社会部や外信部で頭角を表し、ニューヨーク支局員時代には、(2001年9月11日の)米国同時多発テロに遭遇しました。当日、彼女が『逃げて!逃げて!』と叫びながら、倒壊するワールドトレードセンターの状況を日本で最初にフジテレビが伝えたのは有名な話です」
その後も報道畑を歩んでいたが、21年7月、経営企画局グループ経営推進部長に着任。22年6月、経営企画局局次長グループ経営推進統括兼特命担当になり、24年4月、経営企画局局次長上席グループ連携推進統括兼特命担当に。同年7月からは経営企画局グループ経営推進担当局長兼開発企画統括となり、今年3月27日の取締役会で取締役に選出され、6月からはFMHの取締役を務めていた。
文字通り、仕事ができて出世街道を歩んできたエリート。キャラクターとしては「豪放磊落(ごうほうらいらく)の表現がふさわしい」の声が上がった。「心が大きく、細かいことにとらわれない」の意味で、社内外から高い評価を得ていたという。
また、両社取締役就任の経緯については、6月に退任した前FMH社長・金光修氏の意向が強かったとの証言もあった。
ただ、調査によって2020から5年にわたって約60件、約100万円分の事実と異なる経費申請が判明。取材対応した両社の清水賢治氏は「会食や手土産でかかった経費精算で、相手先や人数が事実と異なっていたという点です。本人は『私的流用はない』と言っていますが本日、辞表を提出しました。弁済もすると言っています。(刑事)告訴するかどうかは本人の対応次第です」などと話した。
金光氏による意向があったとしても、最終的に抜てきしたのは清水氏。元タレント中居正広氏と女性アナウンサーのトラブルに端を発した一連の問題を受け、改革の決意を込めて経営陣を刷新した事実はある。安田氏も「改革のリーダー」として期待されていたが、20年から取締役就任後の最近まで「不適切な経費精算」をしていたことが発覚。そのことに関する思いを問われると、清水氏は神妙な表情で「かなり……私としては非常に痛恨です」と話していた。
その上で、安田氏は両社から離れて無関係になるとし、経費精算に関しては今後もAIも駆使して厳しくチェックしていくとしている。
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