『ドラクエ6』で初登場も失速…存在価値が薄くなった“特技”の復活劇

多くの呪文や特技が登場する大人気RPGの『ドラゴンクエスト』シリーズ。時には似たような効果や性能の技が新たに追加され、すでにあった技の存在価値が薄まることも。そこで今回は、一時は重宝されたのに使われなくなった特技「ばくれつけん」に注目しよう。

『ドラクエ』存在価値なし→復権した“特技”とは【写真:ENCOUNT編集部】
『ドラクエ』存在価値なし→復権した“特技”とは【写真:ENCOUNT編集部】

日の目を見なくなった「ばくれつけん」の復活劇

 多くの呪文や特技が登場する大人気RPGの『ドラゴンクエスト』シリーズ。時には似たような効果や性能の技が新たに追加され、すでにあった技の存在価値が薄まることも。そこで今回は、一時は重宝されたのに使われなくなった特技「ばくれつけん」に注目しよう。

 そもそも「ばくれつけん」とは『ドラゴンクエストVI 幻の大地(以下、ドラクエ6)』以降に特技として登場した技で、敵全体にランダムで4回の攻撃を繰り出してくれる。1回のダメージは通常攻撃の約半分ほどだが、対象モンスターが1体であれば通常攻撃の2倍分のダメージに。MPを消費しないため、コスパに優れている点で何度も使用したプレイヤーも多いだろう。

 しかし『ドラクエ6』の次作である『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち(以下、ドラクエ7)』がリリースされたことにより、「ばくれつけん」の影が薄くなることに。というのも新たに「どとうのひつじ」「つるぎのまい」という連続攻撃が加えられ、その性能が「ばくれつけん」を上回っていた。

「ばくれつけん」の性能は「ドラクエ6」と変わらずで、「つるぎのまい」の場合は通常攻撃の0.6~0.8倍のダメージをランダムに4発与えるというもの。「ばくれつけん」が1度で与えるダメージは通常攻撃の半分なので、「つるぎのまい」の方が火力的に上ということになる。

 また、技を覚えるまでにかかるコスパもそれぞれ違い、まず「つるぎのまい」は職業の踊り子から戦士をそれぞれレベル5まで鍛えれば習得可能。それに対して「ばくれつけん」は職業のプロトキラー(サンダーラット+ゴーレムを極める、もしくはプロトキラーの心を入手する)でレベル6になるか、戦士と武闘家を極めてなれるバトルマスターでレベル8になるかの2択になり、どちらも時間と手間がかかることが一目瞭然。そうなればダメージが大きい「つるぎのまい」を優先的に覚えようしてしまうのは無理のない話だ。

 ちなみに「どとうのひつじ」は羊飼いをマスターすれば覚える特技で、その性能は敵全体からランダムに4回攻撃するというもの。しかし、1回あたりのダメージの計算は「レベル×2+25」という式になるため、レベルを上げれば上げるほど大ダメージを与えらえる。ただ失敗することもあるため、必中の「つるぎのまい」の方が重宝されることも多かったようだ。

 ほかの特技の台頭によって存在価値を失った「ばくれつけん」だが、リメイクされた3DS版とスマホ版『ドラクエ7』の「ばくれつけん」は性能がアップ。覚える職業はオリジナル版から新たにゴッドハンド(バトルマスター+パラディン)が加えられ、1回あたりのダメージが0.75倍に引き上げられたため「つるぎのまい」よりも強い特技になった。消費MPがゼロから2になったが、それは「つるぎのまい」も同様に消費するので発動条件による差はない。

 むしろ「つるぎのまい」の方が覚えるための道のりが険しくなり、海賊(盗賊+船乗り)のレベル8、勇者(ゆうしゃの心を所持、もくは上位職を3つマスター)のレベル3で習得可能に。結果的にリメイク版で「ばくれつけん」が復権する形となった。

 ちなみに「どとうのひつじ」の性能も「敵全体にレベル×2前後のダメージ」に変わり、単体モンスターに4回攻撃というメリットが消滅。消費MPも2のため、「つるぎのまい」と同じくオリジナル版ほどの活躍はしなくなった。

 新たな技によってパワーバランスが変わるのもドラクエシリーズの魅力の1つ。今も日の当たらない技が、これから復権することはあるのだろうか。

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