平成の人気アイドル・元ribbonの佐藤愛子が32年ぶりにステージ復帰 引退後は調理師やパティシエを経て一児の母に

平成初期に活躍した3人組アイドルグループ・ribbon(リボン)のメンバーだった佐藤愛子が、11月1日に都内で開催した元CoCoの宮前真樹らが主催するアイドルイベントに出演し、引退以来、初めてファンの前に姿を現した。トークコーナーではこれまでベールに包まれていた引退後の生活に触れ、後半のライブコーナーでは、同じくribbonのメンバーだった松野有里巳と32年ぶりに同じステージに立ち、元Qlairの今井佐知子、宮前も参加して現役当時を彷彿とさせるパフォーマンスでribbonの代表曲を歌った。そして終演後、4人がENCOUNTの取材に応じ、イベントの感想やこれからについて答えた。

(左から)宮前真樹(CoCo)、佐藤愛子(ribbon)、松野有里巳(ribbon)、今井佐知子(Qlair)【写真:ENCOUNT編集部】
(左から)宮前真樹(CoCo)、佐藤愛子(ribbon)、松野有里巳(ribbon)、今井佐知子(Qlair)【写真:ENCOUNT編集部】

CoCo宮前、Qlair今井、ribbon松野&佐藤の乙女塾メンバーがトークイベントで集結

 平成初期に活躍した3人組アイドルグループ・ribbon(リボン)のメンバーだった佐藤愛子が、11月1日に都内で開催した元CoCoの宮前真樹らが主催するアイドルイベントに出演し、引退以来、初めてファンの前に姿を現した。トークコーナーではこれまでベールに包まれていた引退後の生活に触れ、後半のライブコーナーでは、同じくribbonのメンバーだった松野有里巳と32年ぶりに同じステージに立ち、元Qlairの今井佐知子、宮前も参加して現役当時を彷彿とさせるパフォーマンスでribbonの代表曲を歌った。そして終演後、4人がENCOUNTの取材に応じ、イベントの感想やこれからについて答えた。(取材・文=福嶋剛)

 フジテレビ主催「乙女塾」出身のアイドルグループ・CoCoの宮前、ribbonの松野、Qlairの今井――。共にナイロン100℃の舞台『1979』(1994年)に出演した3人が約30年ぶりにタッグを組み、2023年から年に一度開催しているスペシャルイベント「まきあみさち」。今年は3年目を迎え、「ribbonスペシャル」と題して佐藤の出演を発表すると昼と夜の2公演のチケットは発売後すぐに完売した。

 会場にはribbonの懐かしいお宝グッズを握りしめた50代以上の熱心なファンや当時は小学生でコンサートに行けなかった40代のファン、さらに引退後、CDやYouTube、サブスクなどを聴いてファンになったという20代から30代のファンなど世代を超えた観客が全国から集まった。そんなファンの熱い期待に応えようと歌のコーナーに向けて4人は「乙女塾」で切磋琢磨してきた当時を思い出しながら、振り付けや歌唱、フォーメーションに至る細部まで徹底して自主練習を重ねてきた。

 イベント前半のトークコーナーでは、ribbonの結成秘話やバラエティー番組に強かった永作博美、松野、佐藤の3人のキャラクター、今だから話せる当時のエピソードなどが紹介された。

 ribbonは初めに乙女塾1期生の永作、松野、そして3期生の中嶋美智代の3人でデビューする予定だったそうだが、中嶋がソロとしてデビューすることになり、3期生だった佐藤の歌を評価したプロデューサーの鶴の一声で3人目の参加が決定。1989年12月に1stシングル『リトル☆デイト』でデビューした。

 底抜けに明るいribbonの3人について宮前は「当時は笑い声だけですぐにribbonだと分かりました。昔、CoCoとribbonで海外の撮影に行った時、飛行機の中でも3人がうるさいの。CoCoはみんな疲れてぐったりしているのに『ビーフ? or チキン?』とかCAさんのまねをでっかい声で言いながら3人でゲラゲラ笑っていて」とエピソードを披露すると松野は「今も3人とも仲が良くて話し始めるとうるさいのよ」と語った。

 そんな結束力のあるribbonだったが、1994年末を境に休止や解散をファンに告げられないままフェードアウトし、佐藤はタレントとして『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)を始め、バラエティーを中心に活動を始めた。しかしソロ転身からわずか1年でひっそりと引退。その理由について「ribbonで活動していた時がすごく楽しかった分、急にソロ活動になって心にぽっかり穴が開いたような感じだったの。バラエティー番組もいくつか出演させていただいたのですが、いろんな葛藤もあって、お休みをすることになり、そのまま今に至ります」とファンの前で初めて告白した。そして結婚後、カフェの経営を目指して調理師学校で調理師の資格を取り、スイーツも作れるようになりたいと有名ホテルでパティシエをしたが、出産を機に専業主婦になった。

 宮前は「あの頃、久しぶりに愛ちゃん(佐藤)と会って、あみちゃん、博ちゃん(永作)、幹代ちゃん(大野)、理恵子(三浦)と朝まですっごい飲んだよね(笑)。パティシエをやっていた愛ちゃんがカッコよくて、私の次の人生の目標にしたいと思いました。実は今の私(料理研究家)があるのは愛ちゃんのおかげなんです」と告白し、ファンも初めて聞く話に驚いた。

 佐藤は「真樹ちゃんも料理の道に進もうかどうしようか悩んでいたんだよね。だから今の真樹ちゃんは私が作ったのよ!」と自慢げに話すと宮前も笑顔でうなずき、客席からは笑い声と共に大きな拍手が起きた。

 一男の母親として子育ても一段落し、今回、32年ぶりにステージに立つことを決めたきっかけは、昨年開催した『まきあみさち』のイベントだった。佐藤は「お客さんがとても温かくて『こういうところで私も3人と一緒に歌ってみたい』って思いました」と振り返った。そして今回のステージ復帰を永作に伝えると「へえ! すごく面白そうだね」と喜んでくれたそうだ。

 さらにトークコーナーでは、ribbonの楽曲の思い出、「寝起きドッキリ」の思い出、ここでは書けない裏話など、観客からの質問コーナーに4人が次々と答えていき、観客は4人の話にくぎ付けとなった。

 後半はライブコーナーへと移り、昼と夜、選曲が全く違う全曲ribbonのセットリストで歌った。現役時代、学業でリハに間に合わない永作の代役でリハーサルに参加し、今でも振り付けを覚えている宮前と3人が動画でフォーメーションを再確認しながら練習を重ねてきたという。当日は宮前と今井が永作のパートに交互に入り、当時のribbonを再現すると、観客も大きな声援を送った。佐藤も現役時代を彷彿とさせるパフォーマンスを披露し、心にしまい込んでいた思いを30年ぶりにファンに届けることができた。

 最後に10月22日に52歳の誕生日を迎えた佐藤を全員でお祝いし、特別な一日が幕を閉じた。いつもは涙もろい今井も最後まで笑顔がこぼれるなど、ribbonを象徴するような当時と変わらない明るく元気いっぱいのステージでファンを楽しませた。

佐藤愛子(右から2人目)はイベント当日にXのアカウントを開設した【写真:根本好伸】
佐藤愛子(右から2人目)はイベント当日にXのアカウントを開設した【写真:根本好伸】

終演後に4人がイベントを振り返った

 2公演を終えた4人がこの日の感想を語った。引退後初となるメディア取材を受けた佐藤は「久しぶりにribbonの曲を歌ってみて、あの頃の記憶がよみがえってきました。ちょっとうるっときた曲もありましたけど、もう本当に感動的な一日でした」と声を弾ませた。

 32年ぶりに佐藤と一緒のステージに立てた松野は「今回、愛ちゃんが隣で歌ってくれた瞬間、あの頃に戻ったような感覚になり、鳥肌が立ちました」と語ると、佐藤も「私もよみがえりました。もう30年以上経っているのにちょっとしたリズムの取り方とか、今でも体に染みついているんですよね。本当にすごいなって思いました」と振り返った。

 そんな2人の先輩に憧れて乙女塾に入った今井は、「正直ホッとしました」とribbonの3人目という大役を果たし、晴れやかな表情を浮かべた。続けて「やっぱり今回はしっかりとribbonを見せなきゃなっていうプレッシャーがありました。あの頃のかけがえのない仲間や先輩たちとこうやって今一緒のステージに立てていると思ったら……。幸せでした」とステージでは見せなかった涙を3人の前で見せた。

 イベントを企画した宮前は「やっぱり2人の思いも分かっていましたし、今日を待ち望んでいたファンのみなさんの熱い思いも伝わってきたのでさっちゃんに『歌も振り付けもできる限り当時を再現できるところまできっちりやろうね』と言って2人でたくさん練習してきました」と今日までの準備を振り返った。

 そして佐藤はもう1つの新たなチャレンジについて語った。

佐藤「実は今日からXを始めてみました。息子やみんなにやり方を聞きながらですが、また新しいスタートを切れたような気がしています。人生100年時代と考えたら52歳はまだまだですから、これからの人生をもっと楽しむために今日のステージが未来につながるといいなって思っています」

 松野は引退後、20年近く活動を続けているフィットネスクラブのインストラクターとアイドルをミックスした企画を予定しているという。

松野「私は『ティップネス』というフィットネスクラブに在籍していて今は都内数か所でズンバ(ZUMBA)という中南米のダンスを元にしたエクササイズを教えています。いつも参加してくださる女性受講者の方たちから『ribbonを歌っている私を見たい』と言ってもらえるんですが、毎回ソールドアウトなので、今度は来年の2月にリモートのオフ会みたいなものをちょっとやってみようかなって考えています」

 今井はQlairの吉田亜紀とのライブや新曲の制作などこの2年で思いがけない未来を経験し、「実はやり切った感もあって、今日のステージで最後にしてもいいのかなって」と明かした。すると宮前が「正直にお話をすると、この一連のアイドル企画はさっちゃんの明るさなしでは、続けることができませんでした。私もさっちゃんがいるから新しいことができているので、これからもさっちゃんが離れないようにしっかり次のことを考えています。そこで来年2月に開催する私のバースデーイベントに向けてさっちゃんと私の新曲を作ります!」と宣言した。これには今井を始め、松野、佐藤も爆笑したが、どうやら本気のようだ。

 そんな宮前も本業の料理研究家として通販番組への出演や百貨店でのポップアップショップで自らプロデュースするスイーツを販売する傍ら、今年はアイドルプロデューサーとして大手プロダクションのサンミュージック、テレビ埼玉などと共に8人組アイドル・&Chocolamie(ショコラミ)を育成中だ。

宮前「私たちのイベントを見てくださった方からアイドルプロデュースのお話をいただきました。3年前に勇気を出して20年ぶりのライブをやったことでこんなにもたくさんの人とつながっていく未来が訪れるなんて本当に奇跡のようです。これからもみなさんとのつながりを大切にしていきたいと思います。今日は、ショコラミのメンバーから4人が見に来てくれました。今回のステージを通して何かを感じ取ってくれたらいいなって思います。私はCoCo、ribbon、Qlairといったエッセンスを詰め込んで、今日のように何十年経ってもあの頃を思い出すような、そんないつまでもアイドルの心を忘れない人たちになってほしいなと思っています」

「まきあみさちあいトークイベント2025『ribbonスペシャル』」
日時:2025年11月1日
会場:R’sアートコート(新大久保)
出演:宮前真樹・松野有里巳・今井佐知子・佐藤愛子

セットリスト
昼公演
1.『リトル☆デイト』(松野、佐藤、宮前)
2.『Virgin Snow』(松野、佐藤、今井)
3.『夜明けなんていらない』(松野、佐藤、宮前)
4.『メリハリで愛して』(4人全員)

夜公演
1.『あのコによろしく』(松野、佐藤、今井)
2.『わかってないね』(松野、佐藤、宮前)
3.『Deep Breath』(松野、佐藤、今井)
4.『Be My Diamond!』4人全員

『宮前真樹 BirthdayLive 2026』
日程:2026年2月15日
場所:R’Sアートコート
※イベント内容、チケットの詳細は宮前真樹公式Xで後日発表

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