大学バスケで性的画像が拡散…ルール強化も「男子のみ撮影可」に疑問の声 連盟の見解は

全日本大学バスケットボール連盟が発表した「男子選手のみ撮影可」の観戦ルールを巡り、ネット上で「男女差別では」「男子選手への性搾取」と批判の声が相次いでいる。学生スポーツである大学バスケにおいて、男女で撮影ルールに差を設けることは性差別にあたるのか。連盟に見解を聞いた。

全日本大学バスケットボール連盟の公式ホームページ
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「男子選手のみ撮影可」とした観戦ルールに批判の声が殺到

 全日本大学バスケットボール連盟が発表した「男子選手のみ撮影可」の観戦ルールを巡り、ネット上で「男女差別では」「男子選手への性搾取」と批判の声が相次いでいる。学生スポーツである大学バスケにおいて、男女で撮影ルールに差を設けることは性差別にあたるのか。連盟に見解を聞いた。

 問題となったのは、10月21日に発表された「第77回全日本大学バスケットボール選手権大会」(11月29日~12月14日)における観戦ルール。連盟公式SNSによると、一般来場者の高画質カメラによる写真撮影は、女子の試合では禁止、男子の試合では「申請が必要です」となっており、公式ホームページ上の申請フォームにも「一般のお客様による高画素カメラでの写真撮影は男子の試合のみ可能となります」「ビデオカメラによる撮影及び、女子の試合における高画質カメラ撮影は禁止です」との記載がある。また、「スマートフォンでの撮影(写真撮影・15秒以内の動画撮影)には申請は必要ありません」との記載も確認できる。

 観戦における男女でのルールの差を巡り、ネット上では「これは極めて明確な男性差別」「女と男で差をつける理由は?」「盗撮されるのが女だけだと思ったら大間違い」「男性を性的に消費する変質者も多いんだから、両方禁止しろよ」「男性は性被害に合っても良いという性差別」「撮影自体禁止にすべき」「人権意識が低すぎる」など、連盟の対応を疑問視する声が多数上がっている。

 ENCOUNTは10月28日、男子と女子で撮影ルールに差がある理由、男子試合の写真撮影で必要となる申請の内容や許可の基準について、連盟宛てに質問状を送付。今月5日になって「本件に関する当連盟の見解は、11月5日(水)18時付で公式HPに掲載しております」と返信があった。

 連盟の公式ホームページで5日に発表された「男女別撮影規定に関するお問い合わせについて」によると、一連の撮影ルールは「性別による優遇・不利益を目的としたものではなく、近年における実際の被害件数およびリスク状況に基づき、安全確保の観点から設けた運用上の措置」としており、男女で撮影ルールに差がある理由については「SNSが広く普及する中、無断撮影や不適切な画像投稿など、特に女性を対象とした被害が多数確認されています」と背景を説明している。

 また、大学スポーツにおいて、選手が実際に性的な意図を疑われる撮影や性的ハラスメント的な拡散が原因で大学生活に支障をきたした事例が確認されているとし、「こうした背景を踏まえ、当連盟では慎重な協議の結果、高性能機材(一眼レフ等)による撮影行為について、男女で異なる運用の撮影規制を設けていた経緯がございます」と男女で撮影規制に差を設けている趣旨を明示。

 その上で「昨今はスマートフォンでも高画質な撮影が可能となっていることや、関連法令の整備・罰則強化が進んでいる状況も踏まえ、現在、当連盟では撮影ルールの見直しに着手しており、社会状況の変化や技術の進展を踏まえ、より適切で公正な運用を目指して検討を進めております」としている。

次のページへ (2/2) 【写真】「男女差別」との声が上がった観戦ルール
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