韓国ボーイズグループ・Stray Kidsが、10月18日、19日の両日に韓国・仁川アシアド主競技場で、ワールドツアーのアンコール公演『Stray Kids World Tour 』を開催した。はグループ最大規模のツアーで、世界35の国・地域で、全56公演を展開。この2日間は、ドローンショーや韓国要素を盛り込んだ特別な演出で観客を魅了した。ENCOUNTでは、同19日の最終公演を現地レポートする。（取材・文＝近藤加奈子）

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　開始時刻になると、アルバム『ATE』のジャケット写真を模した巨大なステージの中から、8人が登場。フィリックスが低音ボイスで「Are You Ready？」と叫び、STAY（Stray Kidsファンの総称）に見守られながら、最後のがスタートし、地響きのような歓声が会場をおおい尽くした。

『JJAM』では、「I know, you know, Lee Know（リノ）」のパートで客席が「リノ！」と掛け声を上げると、リノが笑みを浮かべた。

　会場は海の近く。日中は暑さを感じたが、夜になると一転、真冬のような体感温度になった。だが、最初のあいさつからメンバーはSTAYの心を温めた。

「『CEREMONY』のアルバム活動を終えて久しぶりに、みなさんとこのフィナーレの舞台を共にすることになりました！　お会いすることができてとてもうれしいです！」（ヒョンジン）

「初の公演は昨年の夏に行われたのですが、季節が巡り、地球を7周してきました。全世界のたくさんのSTAYにお会いすることができたのですが、ついに今日、仁川アシアド主競技場で皆さんにお会いできてうれしいです」（スンミン）

　会場周辺の空気が冷え込んだことから、リノは「急に寒くなってきましたね。今日一日中僕たちが頑張って皆さんの熱気が冷めないようにしますので、一緒に盛り上がりましょう！」と呼びかけた。

　客席には、韓国だけでなく、日本、中国をはじめ、さまざまな国と地域からSTAYが集結。Stray Kidsのグローバルな人気の高さを感じさせた。そして、この日は、ツアーのセットリストに加え、アルバム『KARMA』に収録されている楽曲4曲をライブ初披露。『BLEEP』では、初パフォーマンスに加え、ハンが落下する大胆な演出で、会場を大いに沸かせた。

　韓国公演では、初めてのユニットステージも展開した。リノ＆スンミンによる『CINEMA』では、2人は切ない表情で歌い上げた。歌唱の最後にスンミンが「僕たちは次の場所でお会いできる皆さんをお待ちしています。それでは最後に今日の主人公たちです」と紹介。直後、来場したSTAYの名前が続々とスクリーンに流され、会場は感動的な空気に包まれた。

　メンバーは韓国の伝統衣装に着替え、『S-Class』などをパフォーマンス。韓国要素を取り入れたステージは、盛大な祭りのような雰囲気に。彼らにとってのホームタウンで、初の韓国スタジアム公演ということもあり、いつにも増しての気合が感じられた。そして、雲一つない夜空に、大量のドローンが出現。スタジアムの特別な空気感で見るドローンショーは圧巻で、絵柄が変わる度に歓声が上がった。

　この頃からさらに空気が冷え込んできたが、メンバーはエネルギッシュなパフォーマンスを続けた。スポーティーな衣装に着替えた後には、『CEREMONY』『Half Time』をSTAYの前で初披露。巨大なトロフィーがそびえ立つステージで、サッカーの試合のような演出を盛り込み、存分に楽しませた。また、本公演はステージ、スクリーンがともに横長の構造で、実際の席よりも近く見ている感覚にさせていた。

　同じく初披露の『In My Head』では、STAYも一体となって大合唱。『LALALALA』では、巨大な花火と火柱が何度も打ち上がり、STAYと一緒にゲームで楽しんだ後は、SNSで流行った“イライラダンス”をメンバーが即興で披露する展開になった。メンバーの個性が分かれる中、照れてその場でしゃがみ込んでしまうリノとハンにSTAYは「かわいい～」を繰り返した。

　アンコール曲『BLIND SPOT』の後には、STAYがスマートフォンのフラッシュを点灯させた。会場を光で埋め尽くすサプライズだ。会場のSTAYと記念撮影する際には、メンバーが食べたい物として、「トンカツ」（リノ）、「アーリオ・オーリオ」（チャンビン）、「キムチチゲ」（スンミン）と声を出し、楽しんだ。

『MIROH』では、彼らにとって初めての韓国スタジアム公演とワールドツアー成功を祝うかのような大量の花火が仁川の夜空を彩り、熱気に包まれながらフィナーレへ。サプライズで披露した『Star Lost』ではステージを降りて、広い競技場を全力で走り抜けるメンバーもいるなど、最後まで幸福感を漂わせた。こうして、地球7周分にあたる距離を駆け巡ったワールドツアーを完結。メンバー、STAYに忘れられない思い出がまた一つ刻まれた。

＜Stray Kidsメンバーのコメント集＞

「世界で最も高価な宝石はダイヤと言いますが、僕たちはダイヤだと思います。なぜなら、たくさん練習をして磨き上げて、ステージでキラキラ輝いているから。でも、ダイヤよりも大切なのは光なんです。光がなければ、ダイヤはただの石だから。その言葉を聞いて、Stray KidsとSTAYに当てはまるなと思いました。Stray Kidsがダイヤなら、STAYは僕たちの光です。STAYがいるから、僕たちはステージで歌って踊れるんです」（リノ）

「アイドルとして大きなステージに立ち、僕たちを好きでいてくれる皆さんと一緒に過ごせる時間が、どれだけ奇跡的なことなのか。そのことに気づかされたツアーでした。これからも皆さんからもらった愛、応援、恩を忘れずにいます。そして、一生懸命努力して、最高ではなくても、側にいると、頼もしいサポーターのような存在になれるよう努力します」（ハン）

「今日はとても幸せでした。今年は皆さんの愛をもらいながら過ごしましたが、その愛をもらうためには僕たちの努力が必要だったと思います。これからも努力する人になります。努力に見合うかっこいい人になれるよう、ベストを尽くします。ずっとずっと一緒にいたいです。STAYという名のように、ずっとSTAYしていてください。また会いましょう」（アイエン）

「STAY、本当に久しぶりに会いましたよね。僕たちがツアーで世界中を回っている間も、STAYが遠くから見守ってくれている気持ちを感じていていました。こうして幸せな姿で戻ってこられたのは、全てSTAYのおかげです。STAYがいなかったら、ここまで駆け抜けてこられなかったと思います。STAYに拍手！」（フィリックス）

「僕たちが歩んで来た道は簡単ではありませんでした。辛いことも経験しました。『なぜ、成果がないんだろう』『なぜ、たくさんの人に好きになってもらえないんだろう』と考えることも多々ありました。その時、社長が話してくださった言葉を思い出します。『今、すごく頑張っているし、今のまま続けていけば、必ず君たちの音楽を認めて愛してくれるファンができるだろうし、信念を持って自分たちのやりたいことをこれからも続ければ、必ず良い結果が出るはず』。その言葉を信じ、メンバーがお互いを信じて、信念を貫いてきました。僕たちの音楽とステージを認めてくれて、愛してくださって本当にありがとうございます』（バンチャン）

「僕にとってこの1年は楽な道ではありませんでした。声が上手く出ず、『終わりだ。これ以上Stray Kidsを続けられないかもしれない』という気持ちもたくさんありました。でも、僕がすごく辛い時、スンミンやみんながたくさん話を聞いてくれました。サイン会で、あるSTAYが『ヒョンジンが人魚姫になっても、愛してあげるよ』と言ってくれました。こんなに愛をもらったのは初めてです。これからも皆さんの愛から力をもらい、僕もたくさんの愛を与えていきたいです。そして、Stray Kidsは続きます。STAY、いつも僕たちの側にいてください。愛しています」（ヒョンジン）

「ツアーを通して僕もメンバーもさまざまな瞬間を経験しながら、たくさんの国で公演を重ね、ついに今日、仁川でフィナーレを迎えました。とても名残惜しいですが、その後にはまた新たな道が待っています。これからも元気に活動していくので、皆さんも僕たちから離れず、元気でいてください。こうしてツアーを終えることができて本当に感謝しています」（スンミン）

「実は食事制限をしていたので、公演後においしいものを食べるのを楽しみにしていました。でも、ステージ上でSTAYからもらう愛が一番おいしい気がします。だけど、今日はおいしく食べますね（笑）。STAYが僕たちの成長を見守ってくれたおかげで、この場所に立てていると思います。あらためて心から感謝します。ありがとうございます。STAY！」（チャンビン）