南果歩、乳がん患者役の出演オファー快諾「やるべき仕事だと思った」 がん宣告時の心境も吐露

俳優の南果歩が29日、都内で行われた「再発乳がん患者さんの“生きる力”を描くショートフィルム『日々をつなぐ』完成披露プレミア上映メディアイベント」に、がん研究会有明病院 院長補佐 乳腺内科部長の高野利実氏、脚本・監督の井上博貴氏、再発乳がん患者の荻原卯月さんとともに出席した。

イベントに出席した南果歩【写真:ENCOUNT編集部】
イベントに出席した南果歩【写真:ENCOUNT編集部】

ショートフィルム『日々をつなぐ』イベント

 俳優の南果歩が29日、都内で行われた「再発乳がん患者さんの“生きる力”を描くショートフィルム『日々をつなぐ』完成披露プレミア上映メディアイベント」に、がん研究会有明病院 院長補佐 乳腺内科部長の高野利実氏、脚本・監督の井上博貴氏、再発乳がん患者の荻原卯月さんとともに出席した。

 日本イーライリリーは、転移や再発を経験した乳がん患者の抱える不安な気持ちに寄り添い、患者が大切な人生と向き合うきっかけとなるような活動を行っている。その活動の一環として、このたび、ショートフィルムの総合ブランドであるSHORTSHORTS(株式会社ビジュアルボイス)と共同で、転移や再発を経験した乳がん患者のエピソードをもとにしたショートフィルム『日々をつなぐ』を製作した。

 同ショートフィルムで主演を務めた南は、2016年2月の人間ドックで右胸に6ミリの悪性腫瘍が見つかりステージ1と診断され、16年3月に乳房温存手術を受けた経験を持つが、“乳がんに関する短編映画”ということを聞いた上で、シナリオを読む前に“これはやらねば”と思って出演オファーを受けたそうで「オファーをくださった製作陣も、私の経験をもとに依頼しているんだろうなと予想していましたので、やるべき仕事だと思ってやりました」と当時の心境を吐露。

 完成した作品を見た感想については「医師からの病気の宣告を受けた時の心情とか、いろんなことが蘇ってきたんですけど、今回の作品はYouTubeなどで皆さんの手元でいつでも見ていただける作品になっていますので、たくさんの方々に乳がんというもの、そして病気と付き合っていくということを知っていただきたいです」と期待を寄せ、「私自身も9年前に罹患しているんですけど、こうして社会復帰を果たしているということ、今の自分の仕事や病気との付き合い方、そしていろんなことを改めて思い出させていただける作品となりました。今日こうやってお披露目できることをうれしく思っております」と声を弾ませた。

 また、再発乳がん患者の役を演じる上で自身の経験とリンクしたところもあったそうで「私が演技をするときには、実人生と切り離して役を考えて作り出していくタイプなんですけど、今回の作品に限りましては、自分の経験というものがベースにあったと思います」と打ち明け、「私自身も、医師から病名を聞かされたときには、“まさか私が……”ってドラマのようなせりふが浮かんで驚いたんですけど、そこで一瞬、時が止まり、自分の病名を知ってからが新たなスタートになったなと思ったあのときの実感が蘇ってきました」と語った。

 さらに、劇中では再発乳がん患者同士の支え合いが描かれているが、南は「初発のときの診断結果もかなりショックなんですけど、そこで治療を受けて一安心という状況で再発の告知というのは患者さんにとっては荷が重いですよね。でもそこで相談できる人や話す相手がいることで、ずいぶん心の負担が軽減されるというのは確かですよね」と力を込め、「私はがんを患った友人、知人を“can友”と読んでいるんですけど、cancer(がん)のcanでもあり、I can doのできるという意味のcanを込めて“can友”という言葉をぜひ広めたいなと思っています」とアピールした。

 最後に、本作をどんな人に見てもらいたいか尋ねられると「がんは死に至る病ということも、今やそれを打ち消すほどの治療方法があり、私たち患者も勉強する機会もあるので、乳がんに関わらず、病気というものを身近に感じてくださるきっかけになったらうれしいです。年齢や性別問わず、たくさんの方に見ていただいて、病気というもの、がんというものに関心を持つきっかけになってくれればうれしいなと思います」と力強く語った。

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