【ばけばけ】吉沢亮が猛烈な英語学習 制作統括「週3レッスン…プライベートを全部」

俳優・高石あかりがヒロイン・松野トキを、トミー・バストウがレフカダ・ヘブンを演じるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)。28日に第22回が放送され、ヘブンが松江にやって来て今後、本格的に登場する流れが描かれた。また、錦織友一(吉沢亮)がヘブンの通訳として英語を話すシーンも目立った。制作統括・橋爪國臣氏が取材に応じ、ヘブンの魅力や錦織を演じる吉沢の英語への驚きの取り組みなど舞台裏を明かした。

錦織友一を演じる吉沢亮【写真:(C)NHK】
錦織友一を演じる吉沢亮【写真:(C)NHK】

ヘブンの通訳として英語を話すシーン急増

 俳優・高石あかりがヒロイン・松野トキを、トミー・バストウがレフカダ・ヘブンを演じるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)。28日に第22回が放送され、ヘブンが松江にやって来て今後、本格的に登場する流れが描かれた。また、錦織友一(吉沢亮)がヘブンの通訳として英語を話すシーンも目立った。制作統括・橋爪國臣氏が取材に応じ、ヘブンの魅力や錦織を演じる吉沢の英語への驚きの取り組みなど舞台裏を明かした。

 まずは第22回でヘブンが船を下りて松江に上陸し、トキと握手するシーンを尋ねた。史実なのだろうか。

「握手に関する史料は何も残されていません。ですが松江に到着した時に、このあたりの船着き場に下りたであろうということは分かっています。その船着き場がセツさんが住んでいた家の近くで、おそらく徒歩20秒くらい。当時、セレモニーがあったという史実もあるので、見に行ったかもしれないし、そこで出会っていたかもしれない、と想像して作りました。最初にどこで出会ったかという史料は残っていませんが、同じ生活圏で暮らしていたのは間違いないんです」

 ヘブン役のトミー・バストウの魅力も聞いてみた。

「役作りの鬼みたいな人です。現場に入る前に何をしたかを大切にする方。準備にものすごく時間をかけています。恥ずかしながら我々はモデルのラフカディオ・ハーンの本を全部読んでいるわけではありませんが、彼は全部読みつくしています。アメリカ時代に書いた記事も読むなどすごく勉強をしています。ラフカディオ・ハーンは毎日、日記を書いていた筆まめな方。トミーも真似して毎朝、日記をつけ、キセルも普段は吸わないのに吸ったりしています。なりきるために生活シーンを変えるストイックさはすごいです」

 吉沢も役作りにストイックと言われている。第22回からはあまり得意ではないという英語のセリフを巧みに話している。

「英語を話せないことは知っていましたが、これをきっかけに話せるようになってほしいし、ハリウッドに羽ばたいてほしいと思っています。出演が決まった後、さっそく昨年12月から英語のレッスンをスタートし、演劇界では英語指導のトップクラスの先生に週3回レッスンを受けています。噂では移動中の車中でもずっと英語のシャドーイングをしているそうです。今の英語力は最初の頃と比べて格段にレベルが上がっています。レッスンにかける時間と努力は圧倒的な量だろうと感じます。とにかくプライベートを全部英語学習に捧げている噂を聞いています」

 錦織がヘブンに振り回されるシーンが多々あり、掛け合いの絶妙な間がいい。演じる吉沢とトミーに相性はどうだろう。

「とても仲がいいんです。ともにゲーム好きで舞台裏ではゲームの話をいっぱいして談笑しています。いい距離感ができ、互いに信頼しているからこそ遠慮せずに芝居ができ、絶妙な間が生まれるんだと思います」

ヘブンを演じるトミー・バストウ【写真:(C)NHK】
ヘブンを演じるトミー・バストウ【写真:(C)NHK】

ヘブンの左目を失明した設定で撮影したワケ

 モデルのラフカディオ・ハーンは少年時代に左目を失明した。ヘブンの左目はどんな意識で撮影しているのか。

「見た目について言うと、ラフカディオ・ハーンの左目がどうなっていたか写真も記述もなく、実はあまりよく分かっていません。過去の他の作品を見ると左目を閉じた作品もありますし、それぞれの解釈だと思います。言い方が難しいのですが、自然に芝居ができて、他人が彼のことを見た際に認識でき、かつ意識がそこに向かいすぎないラインはどんな感じだろうと、トミーも交えてみんなで話しました。コンタクトレンズにするのか、特殊メイクにするか、そもそも左目は失明していない設定にするかをも含めて話し合い、今の感じにしました」

 左目を失明した設定で撮影する意味も説明してくれた。

「失明が彼のコンプレックスになっていたのは間違いないです。それ以外にも幼い時は母が側におらず父とも疎遠になり、親戚をたらいまわしにされ…多くのコンプレックスを自分の中で消化できなかった人。コンプレックスがあってどこにも根付くことができなくて、というのが彼のパーソナリティーの中核をなす部分でもあると思います。どこにも行き場所がないと思っていた中で、安住の地が日本に見つかったという奇跡のラブストーリーもこの物語の一つ。それを体現する上で失明の設定は避けられないし、失明は彼の人生の一部分で彼のパーソナリティーを語る上では重要。トミーもヘブンが順風満帆な人生を送ってきたわけではない人だと伝わることで、相手の芝居も変わってくるので大切にしたいと話していました。弱い部分やダメな部分、抱えている困難もいっぱいある。そんなコンプレックスの一つとして、他人から見える形で現れているのが左目。彼の人間らしさを表現する上で重要な部分だと思います」

 作品は松江の没落士族の娘で、小泉八雲の妻・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描くオリジナルストーリー。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語をフィクションとして描く。

※高石あかりの「高」の正式表記ははしごだか

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