『モーニングショー』コメンテーターで思わぬ反響 ファンから「玉川さんどんな人?」の質問殺到…廣津留すみれが振り返る4年間

今年9月いっぱいでテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』(月~金曜午前8時)の金曜コメンテーターを卒業したバイオリニストの廣津留すみれ。ハーバード大とジュリアード音楽院を卒業し、演奏活動を中心にコンサルティング会社の経営など多方面で活躍する中、コロナ禍の2021年にこの情報番組の“大役”に初挑戦。癒やしキャラクターとして異彩を放ち、長嶋一茂、玉川徹氏らアクの強い出演者と共に番組を彩った。そこで、現在ツアーを展開する廣津留に卒業後の今の心境や4年間の思い出を聞いた。

インタビューに応じたバイオリニストの廣津留すみれ【写真:くさかべまき】
インタビューに応じたバイオリニストの廣津留すみれ【写真:くさかべまき】

自主レーベルを立ち上げソロアルバム『11 Stories』をリリース

 今年9月いっぱいでテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』(月~金曜午前8時)の金曜コメンテーターを卒業したバイオリニストの廣津留すみれ。ハーバード大とジュリアード音楽院を卒業し、演奏活動を中心にコンサルティング会社の経営など多方面で活躍する中、コロナ禍の2021年にこの情報番組の“大役”に初挑戦。癒やしキャラクターとして異彩を放ち、長嶋一茂、玉川徹氏らアクの強い出演者と共に番組を彩った。そこで、現在ツアーを展開する廣津留に卒業後の今の心境や4年間の思い出を聞いた。(取材・文=福嶋剛)

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――全国ツアーの真っ最中ですね。

「そうなんです。今年は自分のレーベルを立ち上げてそこから9月24日にソロ・アルバムを『11 Stories』をリリースしました。今はリリースツアーを全国で行っています」

――『モーニングショー』を見た全国の視聴者が会場に足を運び、終演後のサイン会では長蛇の列になることもあるそうですね。

「サイン会なのでそんなにゆっくりお話はできないのですが、やっぱり『モーニングショー』に出させていただいてから、よくある質問が『玉川さんてどんな人ですか?』ですね(笑)」

――『モーニングショー』を卒業して1か月がたちました。

「あっという間の1か月でした。『もう金曜日は早起きしなくてもいいんだ』ってふと思ったりします(笑)。『モーニングショー』は番組に携わる全ての方が日々真剣に考えていらっしゃるというのが、ダイレクトに伝わってくる番組なので、スタッフのみなさんや羽鳥(慎一)さん、一茂さん、玉川さんら出演者のみなさんと一緒にスタジオで過ごした4年間は、他では絶対に経験できない貴重な体験でした。きっとこれから東京に来るたびに『モーニングショー』の思い出がよみがえってくるのかなって思います」

――出演するきっかけは何だったのでしょう。

「当時、私はニューヨークに住んでいたのですが、コロナ禍になり日本に戻るタイミングで番組スタッフさんからオファーをいただいたのがきっかけです。今までコメンテーターをやったことがなかったので予想外のオファーにビックリしたのですが、『やってみるのも面白いかも』と思いお返事をしました」

――初めての挑戦はいかがでしたか。

「最初の頃はしばらくスタジオに入れなかったので別室でリモート出演でした。楽屋ではごあいさつ程度で、打ち合わせが終わるとすぐに別室に入り、合図をもらってマイクに向かって話しかけるのですが、スタジオには縦型のモニターが置かれていてそこに私が映っていて『初めまして』って。ちょっと不思議な世界でしたね(笑)」

――コロナが落ち着き、ようやくスタジオ出演できた時はいかがでしたか。

「全然やりやすさが違いましたね。カメラが回っていない合間に分からないことを確認したり、時には何気ない会話や雑談ができたり、それがきっかけで番組の話題も盛り上がったりして、いかに対面で話をすることがありがたいのか、コロナ禍を通して身をもって知りました」

――政治や社会問題なども多く取り上げる番組で廣津留さんが心がけたことは。

「私が専門ではない分野は視聴者目線を心がけました。初めの頃は前日に箇条書きにして意見をまとめていたのですが、それをやってしまうと、その瞬間に感じた自分の言葉が出なくなってしまうので止めました。その分、デイリーベースで今まで以上に情報をチェックするようにして第三者目線から見た時にどう感じるかを考えながらコメントしました。一茂さんと玉川さんの両サイドのおふたりは、どんな意見を出すのか、その瞬間にならないと本当に予想がつかないんですよ」

『モーニングショー』のコメンテーターを4年間務めた【写真:くさかべまき】
『モーニングショー』のコメンテーターを4年間務めた【写真:くさかべまき】

コメントが炎上しないように心がけたこと

――ふとしたコメントが切り取られて炎上の原因になったりすることもありますよね。

「そうですね。私はなかったですけど、やっぱり誤解されて全く思っていない方向に拡散されてしまうのが一番怖かったので、例え残り時間が30秒ほどしかなくコンサイス(簡潔)に話す時でもちゃんとコンテキスト(前後の脈絡)から話すように心がけました。たまに『こんな風にコメントしたいんだけど、どう話せばいいんだろう?』と内心困っている時に羽鳥さんが、完ぺきな補足コメントでフォローしてくださり、何度も助けていただきました。やっぱり羽鳥さんの一瞬を見逃さない絶妙な進行が番組を作っているんだなって実感しました」

――一茂さん、玉川さんはいかがでしたか。

「一茂さんは、めちゃくちゃ気配りの方です。一見豪快そうなイメージですが、実際にお会いすると何手先まで考えているんだろうって思うくらい、相手のことを考えて接してくださって、ものすごく臨機応変に対応されるところにギャップを感じました。玉川さんは美容や健康にも気を付けている方なので肌がとってもキレイです(笑)。カメラが回っていない間は雑談をさせていただくこともあって、『休日に泊った宿のお料理がとってもおいしかったんだよ』といった全国のおすすめ情報を教えていただきました。みなさん改めてプロフェッショナルだなって思いました」

――テーマによっては熱いトークバトルもこの番組ならではですよね。

「アメリカではディスカッションというのは違った意見を出し合って議論するのが当たり前だと教えられてきたので、そこは全く気にならなかったです。玉川さんは打ち合わせの時はもちろん、数字とか細かいところをものすごく丁寧にスタッフさんと確認して、スタジオでお話をされていました」

――元日に放送される『新春SP』では、高価なストラディバリウスによる廣津留さんの生演奏が恒例になっていました。

「毎年、親戚の集まりみたいな感じで、私にとっては一年で唯一スタジオで本業を披露できる日でした。スタッフのみなさんは準備段階から本当に真剣で『こういう映像と演奏を視聴者に届けたいんです』という熱意が伝わってくるので、私もどういう気持ちで臨んだらいいかみたいなところは結構大事にしながら演奏しました。中でも今年の元旦は『能登半島地震から1年 鎮魂と希望』というテーマで演奏させていただき、私にとっても特別な一日になりました」

――今後コメンテーターとしてオファーがあった時はどうされますか?

「そうだな……。ぜひやりたいですが、次は音楽や文化のことを話すのにも挑戦してみたいですね」

――今年は、音楽の分野でも大きな挑戦の年だそうですね。

「そうなんです。これからはクラシックの分野だけでなく、さまざまなジャンルでバイオリンを弾いていきたいと思っています。私の人生の目標は、一人でも多くの方に音楽を届けることなので毎年、全国いろんな場所でコンサートを開いています。クラシックってちょっと格式の高いイメージがありますけど、私は『モーニングショー』みたいに、コンサートでもよくしゃべっているので気軽に遊びにいらしてください」

□廣津留すみれ(ひろつる・すみれ)大分市出身のバイオリニスト。12歳で九州交響楽団と共演、高校在学中にニューヨーク・カーネギーホールにてソロデビュー。ハーバード大(学士課程)卒業、ジュリアード音楽院(修士課程)修了後、ニューヨークで音楽コンサルティング会社を起業。現在は日本を拠点に世界各地で演奏活動を行う。国際教養大特任准教授・成蹊大客員准教授。大分市教育委員。21年1月から25年9月までテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』の金曜レギュラーを務めた。著書は『超・独学術』(KADOKAWA)など多数。今年9月24日にソロ・アルバム『11 Stories』をリリースし、11月末までCD発売記念のリサイタルを全国で開催する。

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