離婚→シングルマザーに 3児の母・菊川怜、子育ては「とにかく必死」…仕事と両立する今

昨年8年ぶりにドラマに出演した俳優・菊川怜が今年は15年ぶりに映画『種まく旅人~醪のささやき~』(篠原哲雄監督)に出演し、主演を務めている。日本酒を愛する農林水産省の地域調査官・神崎理恵が、酒蔵が抱える問題に対処しようと奮闘する作品。酒造りを描く中、子育てに関するセリフも登場する。プライベートでも育児を頑張る菊川が作品の見どころとともに子育てや母としての顔、今後の仕事への思いも語った。

主演映画や子育てについて語る菊川怜【写真:ENCOUNT編集部】
主演映画や子育てについて語る菊川怜【写真:ENCOUNT編集部】

15年ぶり出演映画『種まく旅人~醪のささやき~』で主演 「伝統産業を未来に…」

 昨年8年ぶりにドラマに出演した俳優・菊川怜が今年は15年ぶりに映画『種まく旅人~醪のささやき~』(篠原哲雄監督)に出演し、主演を務めている。日本酒を愛する農林水産省の地域調査官・神崎理恵が、酒蔵が抱える問題に対処しようと奮闘する作品。酒造りを描く中、子育てに関するセリフも登場する。プライベートでも育児を頑張る菊川が作品の見どころとともに子育てや母としての顔、今後の仕事への思いも語った。(取材・文=中野由喜)

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「15年もたったんだという思いと、しかも主演という機会を頂けてうれしかったですし、すごく光栄に思いました。ただ本当に久しぶりでしたのでセリフを覚えられるか、『スタート』の声ですぐお芝居ができるかとか15年もたつとそれも未知でした。でもブランクを感じず徐々に感覚が戻った気がします。あらためて現場は楽しいと思いましたし、何度やってもお芝居は奥が深いと感じましたし、だからこそ面白いと思いました」

 作品についても紹介してくれた。

「日本の第一次産業を応援する企画のシリーズ5作目で、今回は日本酒がテーマなんです。日本酒が今、抱える問題、たとえば酒蔵の後継者問題などを扱いながら伝統産業を未来に残せるように応援しようという思いが込められた作品。登場人物の心の交流が織り込まれたヒューマンドラマでもあるんです」

 作品で感じたこと、得たことも尋ねた。

「今までお店で何かを買った時、その背景まで思いをはせて飲んだり、食べたりすることは、ほとんどありませんでしたが、消費者の手に渡るまでいろんな背景があると実感しました。今回は日本酒。杜氏さんや蔵人さんが精魂込め、汗水流して、愛情を込めて長い月日をかけて造っていると知りました。酒米を作っている人もいます。手にしている物にはいろんな人の努力と愛情が込められている。今まで味わうのは一瞬でしたけど、今はいろんな感謝の気持ちがわいてくるようになりました。今回の作品の舞台は淡路島の蔵元。演じる神崎とそこで働く人たちとの触れ合いも描かれます。神崎が人々の心に種をまいて、やがて実を結ぶ様子も楽しんでいただけたらと思います」

 お酒はいける方なのか。

「若い頃はよく飲みましたが、今は子育てで忙しくて機会が減り、年齢もいって弱くなりました。でも少量でも何か相性のいいお料理と一緒に頂くと何倍もおいしく感じるので、そうした楽しみ方は今でも好きです」

 作品の終盤に酒造りと子育ては似ているという意味合いのセリフが登場する。現在、6歳の長男、4歳の次男、3歳の長女のママ。どんな思いを抱いたのか。共感したのだろうか。

「子どもも、日本酒もいろんな人の手がかかって育って世の中に出ていく姿は似ていると思います。子どもは学校生活やおじいちゃん、おばあちゃん、友だち、いろんな人に育てられていきます。個性もそう。日本酒にいろんな味わいがあるように子どもにも個性があって素晴らしいと思います」

今後の仕事への思いとは【写真:ENCOUNT編集部】
今後の仕事への思いとは【写真:ENCOUNT編集部】

YouTubeやネット系の仕事にも意欲「新しいことにチャレンジしたい」

 ここでママとしての顔を尋ねた。家庭ではどんな母親なのか。

「必死に頑張っているお母さんです(笑)。気持ちとしてはいつも笑顔で日々いろんなことを楽しんで、前向きに生きている姿を見せたいと思っています。でも、なかなか笑顔ばかりとはいかないのが現実です(笑)。ただ、愛情いっぱいで育てたいなと思っています。だから『好きだよ』と子どもたちには声に出してちゃんと伝えるように心掛けています」

 子どもたちのママへの反応はどうだろう。

「『ママ大好き』とすごく言ってくれます」

 ママになって自身の変化を感じることも聞いた。

「物理的にはやることもたくさんになって大変なのと、やはり日々、試行錯誤しながらも私なりに全力で、とにかく必死で子育てしているという感覚です。子どもたちへの話し方、伝え方もどうするのが一番いいのかなとか、日々子どもたちのことを考えながら生活しています」

 昨年11月には離婚を経験しシングルマザーとなった。仕事と子育ての両立はより大変なはず。心の支え、エネルギー源は何なのか。

「子育てをする世の中の皆さん大変だと思います。支えは、やはり子どもです。1人の時間にふと不安がよぎったり、元気がなくなったりすることがあっても、子どもがそばにいると、そんなことは言っていられないなと思います。子どもから元気とパワーをもらっています」

 俳優以外の仕事についても尋ねてみた。東大出身のせいかクイズ番組に出演する機会が多い気がする。知的な印象から過去にはキャスターや情報番組の司会も経験した。東大出身をメリットと感じているのだろうか。

「正直、よく分からないままきてしまった感じです。ただ東大出身ということで仕事がくることはあると思います。でもそれはチャンスということで、それをどう生かすかが本当は大事。クイズについては努力を一切感じられないですよね(笑)。クイズの研究や勉強もしていないのでチャンスを生かしきれないまま。本当に申し訳ないという気持ちです。時間があったら勉強していつか見返してみたい(笑)。いつかクイズ番組で活躍したいです」

 最後に今後の仕事への思いを聞いた。

「お芝居なら今まで経験のない役を演じてみたいです。これまでわりと知的な役柄が多かったので悪女やクセのある役、コメディーにも挑戦してみたいです。世の中がどんどん変化しているので時代の流れに遅れないようにしながらお芝居以外にもYouTubeやネット系のお仕事など新しいことにチャレンジしたい思いがあります」

 今回の映画で演じているのは優しくてまっすぐな主人公。次は強くて優しい母の顔も芝居を通して見たくなった。見る人の心を揺さぶる仕事をしてくれる気がする。

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