DDTの貴公子・遠藤哲哉の生き方をかけた防衛戦 「結婚はしたい」と“掟3禁”の狭間【連載vol.7】
「結婚はしたい」と「DDTの貴公子」遠藤哲哉が切実に訴えた。
金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」
「結婚はしたい」と「DDTの貴公子」遠藤哲哉が切実に訴えた。
KO-D無差別級王者として、DDTの頂点に君臨する遠藤。所属するユニット「DAMNATION」の合言葉が「群れない、媚びない、結婚しない」であり、チーム愛にあふれている遠藤としては、難しい選択を迫られている。
リーダーの「カリスマ」佐々木大輔は34歳にして独身。遠藤は29歳だが「相手がいれば、すぐにでもしたい」と結婚願望が強い。実は、11・3東京・大田区総合体育館大会で、佐々木の挑戦を受けることが決まっており、なおさら悩みは深い。
デビューから4年後にDAMNATIONに加入したが、それまではいまひとつ乗り切れないでいた。モヤモヤを抱え込んでいた遠藤に、佐々木の「周囲の評価、目を気にするな」というアドバイスが染み入ったという。
「自分のやりたいことと、ファンが喜んでくれることが違っていて、それまではファンに合わせていた。何かすっきりしなかったけど、周りの目を気にしなくていいんだ、と思ったら、気持ちよくファイトできるようになった」と4年前を振り返る遠藤の表情は、文字通りすっきりしていた。
敬愛する佐々木はリング上のファイトスタイルと、リング外の生き方に共通点が多いという。「あの3大原則も、もしかしたら、強がりもあるのかも知れないけど、カリスマは貫いている」と遠藤は尊敬のまなざしだ。
とはいえ、DAMNATIONを結成しているのだから「群れている」気もするが、遠藤は「カリスマに皆がついていっている結果」とフォローする。
遠藤自身はリングを離れれば「穏やかに暮らしたいタイプ」と言う通り、結婚もしたいし、媚びることもいとわない。DAMNATIONの媚び担当を佐々木から任命されており「カリスマに恩返しするためにも、媚びていく」と潔い。
もちろん、11・3決戦で、佐々木の挑戦を退けることこそ、真の恩返しであることは百も承知。得意とする空中殺法は、中学、高校と打ち込んだ新体操で磨き上げた運動能力をフル活用。破壊力も美しさもピカ一のシューティング・スター・プレスなど空中弾で追い込む。加えてDAMNATION入り後、鍛え上げた、ゆりかもめなどサブミッションで、佐々木退治である。
高校時代、男子6人で行う新体操・団体で宮城県で優勝している。個人種目ではいまひとつだったが「チーム戦こそ大事」と力を込める。
今はDAMNATIONを愛する遠藤。佐々木との同門対決に複雑な思いもあるが、王者である自分から佐々木を挑戦者に指名したのだ。11・3決戦ではとことん戦い抜き、きっちりとトドメを刺すことが使命となる。
9・27後楽園ホール大会では、佐々木とスペシャル8人タッグ戦(佐々木、遠藤、T-Hawk。エル・リンダマン組対HARASHIMA、樋口和貞、坂口征夫、納谷幸男組)で、タッグを組むが「同じコーナーからよく見させてもらう」とキッパリ。
佐々木を下して「結婚はしたい」とアピールできるか。遠藤の生き方をかけた防衛戦を見逃せない。