眞子さま婚約報道に「幸せならOKです」 名ゼリフの本人が語る舞台裏「酔っていたから言えた」
2017年、秋篠宮家の長女・眞子さまの婚約報道をめぐる街頭インタビューで「幸せならOKです」とコメントし、一夜にして“国民的ミーム”となった男性がいる。あれから8年。当時20歳だった野村光平さんは今、半導体分野のヘッドハンティング事業に携わる社会人として日々を送っている。そんな彼が再び注目を浴びたのは、日清食品の人気ブランド「日清のどん兵衛」とのコラボ企画「着るおあげ」だった。あの頃とは違う“シラフ”で挑んだ撮影、そしてミームの“その後”を、本人に聞いた。

8年前と比べ「太ったな」「年取ったな」と実感した
2017年、秋篠宮家の長女・眞子さまの婚約報道をめぐる街頭インタビューで「幸せならOKです」とコメントし、一夜にして“国民的ミーム”となった男性がいる。あれから8年。当時20歳だった野村光平さんは今、半導体分野のヘッドハンティング事業に携わる社会人として日々を送っている。そんな彼が再び注目を浴びたのは、日清食品の人気ブランド「日清のどん兵衛」とのコラボ企画「着るおあげ」だった。あの頃とは違う“シラフ”で挑んだ撮影、そしてミームの“その後”を、本人に聞いた。(取材・文=幸田彩華)
コラボのきっかけは、日清食品からインスタグラムを通じた突然の依頼だった。野村さんは当初、そのオファーを“夢のようだ”と感じながらも半信半疑だったという。
「正直うれしかったというところに尽きる」と振り返る一方で、「ビジネス的に考えたら僕なんか使わんやろって思っていました」と笑う。
提案されたのは、“どん兵衛のきつね”を象徴する“おあげ”をモチーフにした衣装――その名も「着るおあげ」。日清食品らしいユーモアと挑戦心が詰まった企画だった。
「日清食品さんってYouTubeのCMでも面白いことをやっているなと思っていました。“着るおあげ”も、まさにそういうユーモアだと感じました」。SNSで公開されるや否や、「あの人だ!」「懐かしい」と瞬く間に話題に。再び多くの人の記憶を呼び覚ました。
日清食品の投稿には、街頭で野村さんが「着るおあげ」をまとい、インタビューに答える様子が映し出されている。「(服がダサいと言われて)マジでショックです」と真顔で語った直後に、親指を立てながら「でも『しあわせおあげ』なのでOKです」と笑顔で返す姿は、かつての名フレーズを思い起こさせるものだった。
撮影現場では、懐かしさと新鮮さが入り混じる時間が流れたという。モニターに映る自分の姿を見て、「太ったな」「年取ったな」と素直に感じたそうだ。
当時は大学2年生の20歳。実は酔った勢いで受けた取材で「あれって酔っ払っていたから言えた言葉ではあると思うんです。正直、その日、翌日もなんですけど、覚えてはないんです、あんまり。勢いで言ったみたいなところもあると思います」と回想する。
学内での反響も大きく、1週間ほどは休み時間ごとに声をかけられた。
「毎日10~20件くらい声をかけられたと思う」と変化に驚いたが、すぐに日常へ戻ったという。「ジャニーズみたいに顔で売ってるわけでもないし、芸人でもない。あくまで“おるな、ちょっと声かけよ”くらいの感じでした」と当時を懐かしんだ。
就職活動のグループワークでは、自己紹介の場で“例の一言”を軽くネタにしたこともある。
「『ご存じか分からないですが、“幸せならOKです”でちょっとおいしい思いしました野村です』と(笑)。でも、あれは酔っていたから言えた言葉。勢いでした」と口元をゆるめる。
今後の展望は「人に関わる仕事を」
世間から注目を浴びたものの、野村さんが「インフルエンサー」になることはなかった。
「当時はただの大学生。東京にいたのも大学のためで、“これを使って何か始めよう”という気持ちはなかったです」
実際、テレビ局からの取材依頼もあったが、生活を変えようとは思わなかった。
「神奈川・相模原に住んでた頃、朝7時に六本木集合って言われたんですけど、大学生2年生で11時起きが当たり前だったんで(笑)。“無理だな”って思いました」
あの一言から8年が経ち、28歳になった野村さんにとって「幸せならOKです」は今も“代名詞”だ。「『幸せならOK』の野村だよね、と言われることが多い。振り返っても良い思い出」と穏やかに話す。
現在は半導体分野のヘッドハンティング事業に携わっている。その立場と“ミームの本人”としての自分は、全くの別物だと考えている。
「ヘッドハンターの僕と、写真上の僕は違う人間だと思っています。仕事は仕事で実績を残しているし、あれはあれで思い出。でも、たまに“もう一回あれをこすりたいな”と思う時もあります(笑)」
今後の展望について尋ねると、「中長期的にも人に関わる仕事を続けていると思います。それが日本か海外かはまだわからない」と答えた。半導体分野の仕事を通じ、インフラや技術開発の現場で世界の広がりを感じているという。
皇室への関心は「人よりはある方」
さらに、皇室への関心についても「人よりはある方だと思ってます。言葉は悪いですけど、身近になっちゃったというか……」と語る。
中高時代には、イギリスへの修学旅行で名門・イートン校を訪れた経験がある。
「イギリスの皇太子が卒業している男子校で、10年後くらいに愛子さまもサマースクールに行かれて。“後輩やん”って(笑)。どこかでつながってるんやなって、内心ふつふつと思ってました」と縁を感じていた。
最後に、“あの言葉”を発した本人にとっての「幸せ」とは何かを尋ねた。少し考えてから、静かに口を開いた。
「“幸せだから、みんなが笑ってるから”って言われても、多分そうでもないと思うんです。でも、それでいい。それぞれが自分の形で幸せを感じていれば、それが一番プラスなことだと思います」
