「全然気づかなかった」ジブリ作品に出演していた有名俳優たち 普段のイメージと「別人みたい」
スタジオジブリが制作するアニメーション作品では、本職の声優ではなく、普段は吹き替えをおこなわない俳優がキャスティングされることが多く、ファンから「あのキャラクターの声を?」と驚かれるような配役も散見される。そこで本記事では、ジブリ作品に声優として参加していたことで反響を呼んだ有名俳優を紹介する。

「びっくりした」「全然気づかなかった」ファンも驚きの意外なキャスティング
スタジオジブリが制作するアニメーション作品では、本職の声優ではなく、普段は吹き替えをおこなわない俳優がキャスティングされることが多く、ファンから「あのキャラクターの声を?」と驚かれるような配役も散見される。そこで本記事では、ジブリ作品に声優として参加していたことで反響を呼んだ有名俳優を紹介する。
2002年に公開された『猫の恩返し』には、猫の国の王子・ルーン役として山田孝之が声の出演をしている。ルーンは人間界で車に轢かれそうになったところを同作の主人公・ハルに助けられた猫で、美しい毛色や気品あふれる歩き方、左右の目の色が違うオッドアイが印象的な、まさに王子と呼ばれるにふさわしいキャラクターである。
そんなルーンを演じた山田といえば、12年に公開された映画『闇金ウシジマくん』や15年の映画『新宿スワン』などのハードな作品に次々と出演しているほか、11年に制作されたドラマシリーズ『勇者ヨシヒコと魔王の城』ではコメディアンぶりを発揮するなど、毛色の違った役柄を演じ切る実力派俳優だ。
SNS上では「普段の声とは全然イメージが違う」「別人みたいでびっくり」など俳優としての山田のイメージと、ルーンの「正統派な王子様」のイメージとのギャップに驚いたファンも少なくないようだ。
また、23年に公開された『君たちはどう生きるか』でも、観客を驚かせた人気俳優がいる。『共喰い』で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞、『あゝ、荒野』で第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞など、数々の賞を受賞した俳優・菅田将暉だ。
菅田が演じたのは主人公・眞人の前に突如現れる謎のアオサギ(サギ男)である。『君たちはどう生きるか』は、一切の事前情報を明かさない形で劇場公開し大きな話題を呼んだ。当然ながら出演者情報も不明だったため、観客は先入観を持つことなく映画を視聴することとなった。
筆者も本作を視聴した際、アオサギの声を菅田が演じていたことにまったく気付かなかった。個人的な感想であるが、菅田はアオサギの声を演じているとき、ほかの映画やドラマなどでの声とはかなり雰囲気を変えて演技していたように思う。
このキャスティングに衝撃を受けた鑑賞者は多く、SNS上では「全然気づかなかった」という驚きの声のほか、キャスト情報が解禁された後に本作を見た視聴者からは「(菅田がアオサギを演じていると)知っていたのに、エンドロールを見るまでその事実を忘れていた」という絶賛の声もあがっている。
そのほか、22年の『妻、小学生になる』や16年の『逃げるは恥だが役に立つ』など数々のドラマに引っ張りだこの俳優・石田ゆり子もジブリ作品で声優を務めている。石田が声の出演として参加したジブリ作品は2つあり、ひとつは1994年に公開された『平成狸合戦ぽんぽこ』で、もうひとつは97年に公開された『もののけ姫』だ。
石田は『平成狸合戦ぽんぽこ』では、主役のタヌキ・正吉と恋に落ちる雌ダヌキ・おキヨを、『もののけ姫』では人間でありながら山犬に育てられたヒロイン・サンと、主人公アシタカの故郷であるエミシの村の娘・カヤを演じている。
特に『もののけ姫』のサンは、その生い立ちから「人間でありながら人間を憎んでいる」という葛藤と「人間にも山犬にもなれない」悲しみを抱えている複雑な人物である。現在メディアで見せる、おっとりとしたかわいらしさを持つ石田のイメージとは、少し異なるキャラクターではないだろうか。
スタジオジブリ作品には魅力的なキャラクターが多く登場し、視聴者の心をつかんでいる。それは各々が持つストーリーやキャラクターの背景はさることながら、視聴者にその正体を気付かせないほどに、キャラクターを体現している俳優陣の力によるものかもしれない。
