「外道すぎ」「倫理観が壊れてる」 強烈インパクト残した“胸糞キャラ”3選
敵ながら同情するキャラはいるものだが、まったく共感できずモヤモヤや憤りを感じる「胸糞キャラ」もいる。今回は、なかでも強烈なインパクトで胸糞悪いと注目される悪役キャラを見てみよう。

あまりの外道ぶりに同情の余地なし?
敵ながら同情するキャラはいるものだが、まったく共感できずモヤモヤや憤りを感じる「胸糞キャラ」もいる。今回は、なかでも強烈なインパクトで胸糞悪いと注目される悪役キャラを見てみよう。
1人目は『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中でアニメも放送された『呪術廻戦』(作:芥見下々)に登場する真人(まひと)だ。真人は人間の負の感情から生まれた「特級呪霊」で、主人公・虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)たちの敵である。好奇心旺盛な性格で一見明るくフレンドリーだが、人間の命を軽視し、気の向くままに楽しそうに殺すという残虐性を持っているのだ。
真人の冷酷非情ぶりは言動にも現れており、アニメ第10話では、自分をいじめていた人間への復讐を考える吉野順平に対し「お腹が減ったら食べるように憎いなら殺せばいい」と語っている。彼の狂った死生観にゾッとした人も多いだろう。しかし、一方では「ここまで嫌いになれるキャラを作る芥見先生もすごい」「性根腐った戦い方で面白い」と、一周まわって清々しい悪役ぶりを肯定する声もあがっている。
次に紹介するのは同じく『週刊少年ジャンプ』での連載もアニメも絶好調な『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)に登場する黒炭オロチ。四皇のひとり・カイドウと手を組み、主人公モンキー・D・ルフィたちと敵対したワノ国の将軍だ。酒と女性を好み派手な生活を楽しむ一方、カイドウの威光を盾に国民を弾圧するさまは、登場時からファンに嫌われていた。
なかでもアニメ第941話でワノ国の花魁・小紫(光月日和)が「オロチの最大の罪」として語った「えびす町」のエピソードは、特に胸糞シーンといわれている。オロチは人造悪魔の実「SMILE」を住民の食料に混ぜて食べるよう仕向け、口にした住民はSMILEの副作用で怒りや悲しみの感情を顔に出せず、笑うことしかできなくなるのだ。
かつての大名・霜月康イエの公開処刑の際、駆け付けた康イエの娘・トコをはじめ、えびす町の住民が処刑台の周りで涙を流しながら笑い声をあげるきわめて異様な光景は、心を痛めた人も多いだろう。その衝撃からかオロチを嫌う視聴者も多く、ネット上では「ワンピでトップを争う胸糞エピソード」といわれている。
最後に紹介するのはウェブコミックガンマ(竹書房)で連載中の『メイドインアビス』(作:つくしあきひと)に登場するボンドルド。アビスと呼ばれる巨大な縦穴の探窟家で、新薬の開発や新しい探窟ルートの開拓など、さまざまな偉業をなした人物である。
物腰が柔らかく紳士的な印象だが、大人子ども関係なく非道な人体実験や環境破壊を厭わないルート開拓など、目的のためには手段を選ばない非道さを持っている。例えば、ボンドルドが開発した「カートリッジ」は、アビスの深層から帰還する際に人体に影響を及ぼす「上昇負荷」という現象を無効化できる画期的な装備品だ。
しかし「カートリッジ」は、生きている状態を維持したまま解体された子どもが材料というとても残酷な代物である。純粋な好奇心がエスカレートした行動で悪意がみられないのも強烈なインパクトを残し、「外道すぎる」「倫理観が壊れている」といわれた。
ちなみに「カートリッジ」に関するエピソードはアニメでは、20年1月に公開された映画『劇場版 メイドインアビス 深き魂の黎明』で描かれている。同作はR-15指定を受けていることから、見る際にはある程度の残酷描写は覚悟したほうがいいだろう。
胸糞キャラは、ときに常人にない思想や行動をするため、画面に登場すると思わず見入ってしまうこともある。物語や主人公がより引き立つためには、胸糞キャラは必要な存在なのかもしれない。
