映画『国宝』で注目の16歳・根本真陽「おばあちゃん孝行ができた」 大作出演で感じた喜びと責任
興行収入142億円超えの大ヒットを記録している映画『国宝』(李相日監督)で、主人公・立花喜久雄(吉沢亮)の周囲で重要な役割を果たす幼なじみの春江(高畑充希)の少女時代を演じたのが、16歳の若手俳優・根本真陽(まはる)だ。根本は4歳の時から子役として活躍し、『ビリギャル』では有村架純、『幼な子われらに生まれ』では南沙良、『愛がなんだ』では岸井ゆきのの少女時代を演じてきた。根本はヒットをどう受け止めているのか。その素顔は?

思い出のクランクアップ「自分では納得できず…」
興行収入142億円超えの大ヒットを記録している映画『国宝』(李相日監督)で、主人公・立花喜久雄(吉沢亮)の周囲で重要な役割を果たす幼なじみの春江(高畑充希)の少女時代を演じたのが、16歳の若手俳優・根本真陽(まはる)だ。根本は4歳の時から子役として活躍し、『ビリギャル』では有村架純、『幼な子われらに生まれ』では南沙良、『愛がなんだ』では岸井ゆきのの少女時代を演じてきた。根本はヒットをどう受け止めているのか。その素顔は?(取材・文=平辻哲也)
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『国宝』は吉田修一氏の同名小説を原作に、任侠の一門に生まれながら歌舞伎の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描く壮大な一代記。共演に横浜流星、高畑、渡辺謙らを配し、圧倒的なドラマと視覚美が話題を呼んでいる。
公開から102日間の時点で、観客動員数は1013万人を突破し、興行収入は約142.7億円という驚異的な数字を叩き出した。邦画実写作品としては22年ぶりに興収100億円を超え、歴代の実写邦画興収ランキングで第2位に位置。公開から3か月経過後もロングヒットを続け、さらに米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表代表作品に選出されるなど、国内外で注目が集まっている。
根本は「李監督の作品なので大作になるとは感じていましたが、改めて本当にすごいと感動しています」と語る。反響について尋ねると「おばあちゃんのお友達からLINEが来たりして、『すごいね』って言っていただきました。おばあちゃんがとても喜んでくれて、ちょっとおばあちゃん孝行ができたかなと思っています」と笑顔を見せた。
撮影は2024年3月から4月にかけて岡山や大阪などで行われ、「李監督は素晴らしい監督で、共演の喜久雄役の黒川想矢さんは『怪物』で見ていたので、すごく緊張しました」と振り返る。苦労したのは長崎弁で、「流ちょうに話せるようになる上で感情を込める必要があって難しかった」と明かす。
印象に残っているのはクランクアップの日。「最後のシーンが自分では納得できず涙が止まらなくなりました。そのとき李監督が『その感情を忘れないで』と言ってくださり、今でも心に残っています」と語る。高畑の演技を直接見る機会はなかったが「声の出し方や表情は意識してみました。友達から『本当に似ていて違和感がなかった』と言われて自信になりました」と手応えを感じている。

趣味は野球観戦「父の影響でヤクルトを」
根本は3歳で写真モデルを始め、4歳から子役として活動をスタート。朝ドラ『花子とアン』(2014年)での出演を今も鮮明に覚えているという。本格的に芝居を意識したのはNHKドラマ『弟の夫』(18年)で、「役を生きる責任や楽しさを感じました」と語る。代表作には『弟の夫』、NHKドラマ『神の子はつぶやく』(23年)、そして『国宝』を挙げる。
「真陽」は本名。両親の2人の名前に「真」が入っており、「太陽のように明るく人を照らす存在になってほしい」という両親の願いが込められた。
「小さい頃は男の子っぽい名前で嫌でしたが、今は気に入っています」と笑う。現在は高校2年生で、学業と仕事を両立する日々。趣味は野球観戦で「父の影響でヤクルトを応援しています。増田珠選手の太陽のような明るさに元気をもらっています」と無邪気な笑顔を見せた。
今後については「もっとたくさんの作品に出たい。見てくださる方に希望や支えを届けられる役者になりたい」と語る一方、「サイコパスや悪役のようなダークな役にも挑戦したい」と意欲も見せる。
憧れの存在は清原果耶。「『透明なゆりかご』(18年)で1度共演させていただきました。清原さんは当時16歳くらいだと思いますが、監督と真剣に話し合い、役を生きる姿勢に感銘を受けました」と尊敬を込める。『国宝』での好演を機にますます注目を集めそうだ。
□根本真陽(ねもと・まはる)2008年11月24日、東京都出身。3歳から芸能活動を始め、映画『ビリギャル』(15年)、『四月は君の嘘』(16年)、『幼な子われらに生まれ』(17年)などで名だたる俳優の幼少期を演じる。NHK連続テレビ小説『エール』(20年)では古山華の幼少期を担当。NHKドラマ『神の子はつぶやく』は放送文化基金賞を受賞。25年公開の映画『国宝』では春江の少女時代を演じ、大きな注目を集めている。
