【ノア】OZAWAの裏切りには「人間不信に」 棚橋弘至への思いも激白…清宮海斗が明かした胸中

プロレスリング・ノアの“狂乱のプリンス”こと清宮海斗は、過去3度GHCヘビー級王座に就いている。現在は無冠だが、10.11両国国技館大会では新日本プロレスの棚橋弘至をパートナーに迎え、丸藤正道・拳王組と対戦するというノアの歴史に刻まれるにふさわしい試合に臨む。インタビュー後編では、その王者時代、そして新日本プロレスとの関係にも話が広がった。

清宮海斗の笑顔、目は笑っていない…【写真:橋場了吾】
清宮海斗の笑顔、目は笑っていない…【写真:橋場了吾】

いつも気遣いをしてくれる武藤敬司はお父さんのような存在

 プロレスリング・ノアの“狂乱のプリンス”こと清宮海斗は、過去3度GHCヘビー級王座に就いている。現在は無冠だが、10.11両国国技館大会では新日本プロレスの棚橋弘至をパートナーに迎え、丸藤正道・拳王組と対戦するというノアの歴史に刻まれるにふさわしい試合に臨む。インタビュー後編では、その王者時代、そして新日本プロレスとの関係にも話が広がった。(取材・文=橋場了吾)

 清宮海斗が初めてGHCヘビー級王座を獲得したのは2018年12月。海外遠征を経て、若干22歳で王者になるという戴冠最年少記録を樹立した。

「半分夢みたいな感じで、ある意味実感がなかったですね。ただ、それから防衛戦を重ねていく中で色々な先輩方と試合をして自覚が出てきたのかなと。当時は意外とプレッシャーは感じていなくて、いい意味で楽観的に考えて一つ一つの試合を楽しもうと思っていました。海外ではベロベロになっているお客さんも多くて、ロックのライブハウスみたいなんですよ。その海外の“自分が楽しむ”という雰囲気を持ち込んで試合をしていましたね」

 2度目の戴冠は2022年9月。同年7月に引退ロード真っただ中の武藤敬司に勝利し、武藤の技を引き継いで臨んだ一戦だった。

「めちゃくちゃきつかったですね、2回目は。プレッシャーもありましたし、自分の心と体が合っていないようなところがあったと思いますね。日々、悩んでいましたよ。前回のチャンピオン時代のように楽しんでいけたら良かったんですけど、思い詰めてしまったというか。今までは聞こえてこなかったファンの方の声も届くようになり、葛藤もあった時期ですね。(武藤は)お父さんのような存在です。歴史を感じさせてもらったというのは自分の中にあって、世界中色々な団体でチャンピオンになられてきた武藤さんの歴史を伝えていただけたかなと勝手に思っています。今でも会場で『清宮、体はどうだ?』とお気遣いいただくこともありますし、恐縮ですが気にかけてくださっているんだなと思いますね」

ベルトはなくともノアの中心として輝き続ける【写真:(C)プロレスリング・ノア】
ベルトはなくともノアの中心として輝き続ける【写真:(C)プロレスリング・ノア】

棚橋とのタッグはワクワクするし自分自身も楽しみたい

 そして24年5月に3度目の戴冠を果たすわけだが、23年には新日本プロレスの真夏の祭典『G1クライマックス』や『WORLD TAG LEAGUE』に参戦。辻陽太、海野翔太、上村優也、成田蓮、ゲイブ・キッド、大岩陵平といった同世代と鎬を削った。

「多団体の同世代の活躍は刺激になっていますね。この間、(新日本の)神戸に行ったときも成田選手がザック(・セイバーJr)とIWGPを賭けて戦っていましたし、あの時自分が同ブロックで試合をした選手の人たちの動きは常にアンテナを張っています。(OZAWAも含めて)やっぱり近い世代で盛り上げたいですね。(KONOSUKE)TAKESHITA選手がG1を獲ったのも刺激になりましたし、海外に行って自分の力で色々掴み取っている部分もすごいと思います。ゲイブはなんの因縁もないのに突っかかってきたんですけど、ゲイブの嗅覚は優れていたのかなと。

(戴冠が)3回目ともなると、自分の持っているものは全て出し切ってやろうという気持ちでしたね。そのタイミングでOZAWAが……ノアの中にはいないですよね、ああいう人間性は。(海外から呼び寄せたのに裏切られて)人間不信になりますよ、ずっと練習を見ていましたし、合宿所でも一緒にちゃんこを食べて皆でやっていこうよと話していた仲ですからね。頭はいいんでしょうけど、プライベートを暴露してあることないこと話して、やっていることは最低ですよ」

 10.11両国国技館大会で、清宮は棚橋弘至と組み、丸藤正道&拳王組と対戦する。2日に行われた記者会見で、棚橋はVTRで「拳王との初対決が楽しみ」と言い清宮には全く触れず終わったわけだが、棚橋と拳王は初対決ではないということで怒りの拳王が乱入し大荒れの会見となった。

「(棚橋のウソ?は)この試合に向けて、熱くさせるための棚橋さんなりの駆け引きです。僕の名前を出さなかったのも、駆け引きです。拳王は会見に呼ばれていないのに、出る気満々だったってことですよ。ただあそこまで言われたら、こっちも絶対ぶっ飛ばしてやろうという気持ちになりますね。棚橋さんとは純粋なタッグを組むのは初めてです。ずっとプロレス界のど真ん中を走ってこられた方……今の僕は横向きですけど(笑)、ものすごい苦労があったと思います。2022年の新日本との対抗戦で初めて戦って、戦いの非情さ・厳しさをすごく感じて、棚橋JAMにも呼んでいただいて、引退される前にもう一度棚橋さんと試合をしたいという気持ちを受け止めてくださって、本当に感謝しています。

 相手はノアのトップを走ってきた丸藤さんなので、ファンの方に楽しんでもらえると思いますし、プロレスには夢があるのを見せられたらなと。この試合は自分もワクワクしていますし、プロレス史に残る試合を見せたいですね。そして、ノアをもっと盛り上げていきたいという気持ちは常にありながら、今は大きなことを言える状況でもないので、目の前の試合に集中しながら自分自身は楽しんで、“化学反応”を皆さんに楽しんでいただけたらと思います」

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